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銀行融資の必要書類を詳しく解説!法人から個人事業主、創業融資も

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銀行から融資を受けるときには、多くの書類が必要となります。 これらの書類は、ただ単に集めればよいだけではなく、中にはその内容を自分で記入しなければならないものもあります。 とはいえ、はじめて融資を申込む方については、「どのような書類を用意し」、「どのように記載すればよいのか」わからない部分も多いと思います。 そこでこの記事では、 銀行から融資を受けるときに必要となる書類の種類や、その内容についてご説明します。

銀行融資の必要書類を準備するタイミングはいつ?

銀行から求められる書類には、あらかじめ提出期限が決められています。


具体的にいつまでに準備しなければならないかは、融資の種類や内容によって異なりますが、通常は銀行の担当者から指示があるのでそれに従います。


しかし、一般的には1~2週間以内で用意しなければならないことが多いため、この期間を一つの目安として準備することをおすすめします。

銀行融資の必要書類は数が多い、準備は早ければ早いほど良い

融資の必要書類には多くの種類があるため、取得にかかる時間やどこで取得できるのかをあらかじめ見積もっておくことが、スムーズに準備をするためのポイントとなります。


資料の漏れや、内容の書き直しを求められることもあるため、期限ギリギリではなく、余裕をもって準備・提出するように心がけましょう。


書類の準備が遅かったり、内容に間違いが多い場合には、余計な時間がかかるだけでなく、銀行の担当者の印象を悪くします。

逆に早い準備や提出は、イメージアップにつながります。

法人が銀行融資を借りるときの必要書類とは?

法人が融資を申込む場合には、通常、個人事業よりも多くの書類を求められます。

具体的には、以下のような書類が必要となります。

※かならず、ここに記載したすべての書類が必要となるわけではありません。

企業概要書(経営方針含む)

企業概要書は、その企業の基本的な情報やこれまでの経歴をまとめた資料となります。

企業概要書に記載する主な項目としては、次のようなものがあります。


・企業の基本情報(商号・本店・連絡先・代表者氏名と住所、資本金など)

・業種や主な事業の内容

・経営方針

・役員や株主、家族の構成

・最近の財務内容


企業概要書はすべての銀行で求められるわけではなく、事業計画書を提出する場合には、その内容でOKとされる場合もあります。

しかし、これはその他の資料(事業計画や資金繰り表など)のベースともなるため、相互に整合性が取れている必要があります。


また、記載事項が多い書類も少なくないため、作成にはある程度の時間を見込んでおいたほうがよいでしょう。

商業登記簿謄本(履歴事項証明書)

履歴事項証明書は、会社について現在効力のある登記事項を記載した書類です。

一般的に、登記簿謄本といわれているものがこれにあたります。


履歴事項証明書は、誰でも600円の手数料を支払えば、どこの法務局からでも取得することができます。また、郵送やオンラインでの取得も可能です。

しかし、コンピュータで管理されていない一部の登記簿の謄本・抄本については,会社の本店又は支店の所在地を管轄する法務局でしか取得できないのでご注意ください。


これと似たものに「登記事項要約書」というものがありますが、これは登記事項の閲覧に代わるものとして発行されるもので記載の内容が異なります。

したがって、こちらではなく「履歴事項全部証明書」を提出するようにしてください。


また、金融機関に提出する履歴事項証明書ついては、3~6ヶ月などの有効期間が定められているので、この期間内のものを提出します。

法務局サイト http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188554.pdf


なお、定款と履歴事項証明書の内容は異なるため、証明書に記載されていない項目については、別途、定款のコピーが必要となることもあります。

資金使途確認資料

融資の申し込みの際には、資金使途を確認できる資料を求められるのが普通です。

資金使途とは、「具体的にどのような用途に融資の資金を使うのか?」をいい、これを証明する資料しては契約書、見積書、発注書などがあります。


資金使途の確認資料としては、単に運転資金〇〇万円などと記載されたものでなく、品目、数量、単価、総額などが記載されたものが望ましいです

決算書類一式(貸借対照表、損益計算書ほか)

銀行に提出する決算書は、貸借対照表と損益計算書だけでなく、別表1以降のすべての書類(その他の別表や勘定科目明細書、税理士の確認書など)を提出するようにします。


銀行では、これらの資料から「会社の商号や住所に間違いないか?」、「決算書が法定の提出期限内に提出されているか?」などの情報を確認しています。そのため、抜粋ではなく、すべての資料を提出する必要があります。


また、紙で印刷した決算書の場合には、税務署の受付印を押したものを、電子申請の場合にはメールで送られてきた「受診通知」の内容をあわせて提出します。


なお、紙の決算書については、漏れがないよう原本を銀行でコピーするのが一般的なので、指示がない限り、コピーではなく原本を持参するようにしてください

月次試算表

通常、決算月から6ヶ月以上の期間を経過している場合は、月ごとに作成された試算表の提出が必要となります。


銀行では、月次の決算の推移を見ることにより、最近までの状況を確認しているため、数ヶ月分の数字をまとめたものなどを提出しないようにしてください。


なお、試算表は必ずしも税理士が作成したものでなくても構いません。

また、試算表を作成できない場合は、月ごとの売上げと経費を勘定科目ごとにまとめた資料でも代用できます。

資金繰り表(今後の資金計画含む)

資金繰り表とは、半年~1年先までの資金の出入りの見込みをまとめたものです。

貸借対照表や損益計算書では、決算日における利益を確認することはできますが、今後の見通しや現金の流れはわかりません。


しかし、資金繰り表では、現金の流れや今後の入金と支出の状況を予測することができるため、これにより銀行では「いつ、どんな理由で、資金が不足するのか?その手当てのためにどの程度の融資が必要となるのか?」といった確認ができます。


なお、資金繰り表は、売掛金や買掛金の回収や支払いのサイト(当月〇日締め、翌月末払いなど)にあわせて作成する必要があります。


例えば8月に「当月末日締め、翌月末締め」という条件で販売した売掛金300万円がある場合、この300万円は9月の入金予定(売掛金回収)として計上することとなります。

したがって、単純に現金の出入りを記載したものではないということにご注意ください。

設備導入資料(設備資金を借りる場合)

設備を購入するために融資を申込む場合には、その設備のスペックや価格、仕様などを記載した資料を提出する必要があります。

したがって、単に金額と数量を記載した見積書だけでは不十分となります。


なお、設備資金の返済原資は、その設備を導入したことによる増産分の利益が基本となります。

そのため、設備購入時の融資の審査では、「カタログのスペックに問題がないか?」や、「返済ができるだけの利益が出る計画となっているか?」などが主なポイントとなります。


そのため、設備導入資料は、これらの条件を満たすものを用意する必要があります。

銀行取引一覧表

融資を申込む銀行以外に、すでに取引をしている銀行等がある場合には、その取引の内容を記載します。


銀行取引一覧表には、主に次の内容を記載します。

・既存の取引先金融機関と支店名

・融資の内容(取引開始年月日、融資の種類、信用保証協会の有無、金額など)

もし、一つの銀行で複数の取引がある場合には、まとめずにそのすべてを記載します。

納税証明書

融資の申し込みの際には、キチンと納税ができているかの確認のため「納税証明書」を提出します。


納税証明書は、その用途により以下の種類にわけられます

納税証明書の種類 証明の内容
納税証明書(その1) 納税すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明
納税証明書(その2) 所得金額の証明(個人は申告所得税及復興特別所得税に係る所得金額、法人は、法人税に係る所得金額)
納税証明書(その3) 未納の税額がないことの証明(税目を指定した「その3の2」や「その3の3」(法人税と消費税及地方消費税)の証明もあり)
納税証明書(その4) 証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないことの証明

一般的には、個人事業については「その1」または住民税の未納がないことの証明を、法人については、「その3」や「その3の3」を求められることが多いようです。

国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nozei-shomei/01.htm

会社パンフレット、役員・株主名簿等

融資申し込みのときには、会社パンフレット、役員・株主名簿等を求められることもあります。

ただし、会社パンフレットがなくとも、HPをプリントアウトしたもので代用できるケースもあります。


なお、役員については履歴事項証明書の内容と、株主名簿については決算書の別表2(同族会社の判定)を比較して確認がされるため、名簿の内容とこれらの資料との間に食い違いがないよう注意してください。

保証人・担保関係資料(銀行から要請あれば提出)

これらの資料は、主に借入れに保証人が必要な場合や、担保の提供をする場合に必要となります。


保証人については、保証人の氏名・住所・保証額・保証期間・金融機関名などを記載します。

担保関係の資料としては、担保に入っている不動産の所在地・地目・面積・建物構造等・融資額などを記載した「担保状況一覧表」を提出するのが一般的です。

借入申込書

借入申込書は、銀行ごとに用意されている様式のものを利用して、以下の項目について記載します。

・企業の基本情報(商号・本店・連絡先・代表者氏名と住所)

・希望の申込額と借入希望日

・希望の返済期間や元金据置き期間※の有無

・資金の使い道(運転資金・設備資金)

・役員や家族の構成

・業種や従業員数

※ 「元金据置き期間」とは、利息を支払わずに元金だけを返済する期間のことをいいます。

個人事業主が銀行融資を借りるときの必要書類

個人事業主が銀行融資を申込む際には、以下のような書類が必要となります。

※かならず、これらすべての書類が必要となるわけではありません。

事業計画書

創業融資の場合には、事業計画書の作成が必須となります。


また、通常の融資の場合でも、自分の事業プランを細かく説明したい場合や、事業の内容が複雑な場合などには、事業計画書を提出すると、訴求したいことがより伝わりやすくなり、審査評価の向上につながりやすくなります


事業計画書には、基本的な属性に関する事項(商号、事務所場所、代表者氏名、住所、署員数)の他、事業の動機や概要、事業プラン、今後の収支の見込みなどを記載します。

とくに、売上げ見込額の根拠(新規取引先と契約ができているなど)や、利益の増える根拠(原価や人件費の削減など)をエビデンスとともに提出できる場合には、評価がよくなります。

財務諸表(貸借対照表、損益計算書等)

法人の場合は決算書を提出しますが、個人事業の場合には、確定申告書を提出します。

確定申告書は、1/1~12/31までの事業の所得(売上げ=経費)について課税するための資料で、青色申告などをしている方については、税制上の特典があります。


確定申告書は、売上げや経費の明細の他、貸借対照表、損益計算書などからなりますが、法人の決算書とは内容が異なるため、申告書の様式にあった記載をする必要があります。


確定申告書の提出方法は、決算書と同様、税務署窓口への提出、郵便による申請、e-Taxによる電子申告の3種類がありますが、電子申請によった場合には「受診通知」の内容もあわせて提出します。


なお、2020年に税制改正がされ、青色申告をして貸借対照表の作成をしただけでは55万円の控除しか受けられなくなりました。

これまでどおり65万円の控除を受けるには、さらに申告を「電子申告」により行う必要があります。

試算表

法人の場合と同様、決算月から6ヶ月以上の期間を経過している場合、月ごとに作成した試算表を提出します。


試算表は、自分で作成したものや月ごとに売上げ・経費などをまとめたものでも受け付けてもらえますが、指摘や確認があった場合でも返答できるよう、内容を理解しておく必要があります。

資金繰り表

資金繰り表についても、法人の場合と同様、6ヶ月~1年先までの期間について作成したものを提出します。

なお、試算表は現金の出入りだけでなく、売掛金や買掛金などのサイト(回収や支払い条件)にあわせて作成する必要があります。


また、数字に間違いがあると銀行からの信用を落とす原因となるだけでなく、申込金額にも影響するため、自社での作成が難しい場合には税理士などにまかせることをおすすめします。

銀行取引一覧表

複数の銀行(信用金庫などを含む)と融資の取引をしている場合に提出します。

銀行はこの資料により、「他でどのくらいの借り入れがあるのか?」、「融資のシェアはどのくらいか?」、「総返済額はどのくらいか?」などを確認し、融資の可否を判断します。


したがって、金額が少ないからといって省略せず、すべての取引内容を正確に記載する必要があります。

本人確認資料、納税証明書、収入証明書、借入申込書等

代表者の本人確認資料としては、免許証、健康保険証などの原本を提出します。

また、借入申込書は融資申し込みでは必須となりますが、様式は金融機関ごとに異なるため、申込先の銀行のものを使用するようにしてください。


その他にも、ケースによっては、納税証明書や収入証明書などを求められることがありますが、その場合には担当者の指示に従い必要な資料を提出します。

保証人・担保関係資料(銀行から要請あれば提出)

銀行から要請あったときには、保証人や担保関係の資料を提出します。

なお、これらの書類については、あらかじめ様式が定められている場合と任意に作成する場合があるため、どのようなものを作成するかを事前に確認してください。

銀行で創業融資を借りるときの必要書類

創業融資は、通常の融資と違った特徴があるため、必要書類についても一部が異なります。

会社案内、経営者履歴書、ホームページURL

会社の事業の概要や、経営者の経歴がわかる資料などを提出します。

これらは事業計画書に記載しても構いませんが、内容を十分にアピールしたいような場合には、別途に提出した方がよいでしょう。


なお、創業融資では、過去の事業に関する経験や経歴がとくに重視されます

そのため、経歴については、単に「〇年~〇年 〇〇会社に勤務」などと書くのでなく、実際に従事した業務の内容や、役職、褒章事項などを細かく記載するようにします。

例)

〇〇年〇月 A調理師学校〇〇科卒業

〇〇年〇月 レストランAへ入社(フレンチ)

       調理業務及びホールでの接客業務

       2年目より厨房での調理をメインに従事する他、仕入れ業務も担当 同年調理師免許を取得

〇〇年〇月 マネージャーに選任

〇〇年〇月 社内〇〇コンテストで総合2位を受賞

〇〇年〇月 開業準備のため退職

〇〇年〇月 開業予定

製品カタログ/提供サービス資料など

製品カタログや提供するサービスの資料などがあれば、これらを提出します。

とくに、設備融資を申込むときには導入予定の設備のカタログが必須となります


しかし、それ以外の場合でも提供するサービスの資料やメニューなどを提出すると、より具体的に事業内容が伝えられるだけでなく、審査の評価も高くなりやすくなります


また、テナントを借りる場合には、物件の資料だけでなく、その物件の外観や内装の写真などを提出すると、さらに計画に信憑性をもたせることができます。

商業登記簿謄本(履歴事項証明書)/個人事業主は印鑑証明書

法人で融資の申込みをする場合には、その法人の履歴事項証明書を提出します。

個人事業の場合には、印鑑が実印であることを証明するため、印鑑証明書を提出します。


なお、いずれの資料についても、銀行で定める有効期間があるため、この期限内のものを提出するようにしてください。

決算書類一式(原則過去3期分)

通常、融資(創業融資を除く)を申込む場合には、3期分の決算書または確定申告書を提出します。


これは、3期分の決算内容を確認することにより、売上げや利益の傾向を比較できる他、数字の内容に食い違いや修正がないかを調べるためです。

なお、もし、途中で修正申告をしているような場合には、修正申告書も併せて提出する必要があります。

創業計画書(返済計画含む)

創業融資の申込みの場合には、創業計画書を提出します。

創業計画書は、事業の内容や計画を文章にしたものだけでなく、必ず収支計画書(1~3年分)もあわせて作成しますが、具体的なフォーマットについては銀行指定のものを利用してください。


なお、収支計画書に記載する数字については、見積書や契約書の金額と相違がないように注意する必要があります。

資金使途資料

銀行から、融資の使い道について説明した資料の提出を求められることがあります。

資金使途は、大きくわけて運転資金と設備資金の2種類となりますが、以下のように具体的に記載した方が好印象となります。


「運転資金」 〇月~〇月までの仕入代〇円、人件費〇円、その他経費〇円分の資金として

「設備資金」 車両購入費(車両形式✕✕)〇円の資金として

他行借入一覧表(借入予定あれば)

すでに他行からの借り入れがある場合には、その内容を金融機関別に詳細に記載します。

金融機関 A銀行 B銀行
支店名 〇〇支店 〇〇支店
種別 プロパー 保証協会付
取引年月日 2019.〇.〇 2020.〇.〇
融資額 〇〇円 〇〇円
返済額/月 〇〇円 〇〇円
残債額 〇〇円 〇〇円
最終返済日 2023.〇.〇 2025.〇.〇

銀行融資の必要書類はそろえるのに時間がかかる!日頃から準備しておこう

銀行に提出する書類は数や種類が多く、また、取得する場所も異なるため、予想外に時間がかかることがあります。


代表的な書類の取得場所としては、以下のものがあります。


書類の種類 取得場所 手数料
履歴事項証明書 法務局 600円/通
納税証明書 住民税の納税証明(市・区役所) その他納税証明(税務署 市・区役所に確認 400円/通
印鑑証明書 法人(法務局)  個人(市・区役所) 450円/通 市・区役所に確認
住民票 市・区役所 市・区役所に確認

なお、これらの必要書類を郵送で取得する場合には1週間程度の時間がかかります。


また、事業計画書については、作成になれていない場合、数週間の時間がかかることもあるため、それぞれの取得・作成に必要な時間を見こんでおくことが重要です。

まとめ

銀行融資に必要な書類は、 種類が多いだけでなく、作成に手間がかかるものもあるため、できるだけ余裕を持って準備をすることをおすすめします。

とくに、履歴事項証明書などのように有効期限が定められているものは、 提出までに時間がかかりすぎると、再取得しなければならなくなります。


銀行から求められた書類を早く、間違いなく準備できると、手続きの時間を短縮できるだけでなく、銀行からの印象もよくなるといったメリットがあります。

そのため、どんな書類が必要で、どこで取得するのかを、あらかじめまとめておくとスムーズに準備することができます。


なお、事業計画書のように作成に時間がかかるものについては、 先にその準備をしながら、並行して他の書類を準備すると時間の無駄を少なくできます。

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この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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