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飲食店開業時に準備しておくべき起業準備リスト

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飲食店開業時に準備しておくべき起業準備リスト |スキーム マグ
事業計画書を作成する際に、サンプルを見たいと思いませんか?本記事では、事業計画書のサンプルを業種別にいくつかご紹介しています。さらに、事業計画書を作る際に気をつけておくべき事やポイントなども紹介しています。事業計画書のサンプルが見たい方は本記事必見です。
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「いつか自分の店を持ちたい…」

そう思いながら飲食店で修業を積んでいる人は多いでしょう。

しかし、本当に開業を決意するとなると、

 

「何から手を付けたらいいのかわからない…」

「どんな準備をしておく必要があるんだろう…」

 

そんな思いを抱くことになるのではないでしょうか。

この記事では、これから飲食店を開業したいと考えている方が準備しておくべきポイントを解説いたします。

■開業準備は半年前に始めるのが一般的

お店を開業するまでの準備には、どれぐらいの期間が必要なのでしょうか。

 

お店の形態や自己資金、必要な修業期間の有無によっても当然異なりますが、半年前ぐらいに始めるのが一般的でしょう。

 

この半年の間にいかに不足なく段取りを取ることができるかが、お店が成功するかどうかの運命の分かれ道になります。

 

実際に開業するまでの必要な準備について、「開業までの計画」「開業後の運営」の二段階に分けてそのポイントを見てみましょう。

■飲食店の開業準備リスト(開業までの計画)

およそ半年後の開業を目指して、今から何を準備するべきか、主要なポイントは以下の通りです。

 

1.コンセプト決め

2.市場リサーチ

3.顧客(ペルソナ)の想定

4.仕入れ先確保

5.メニュー、価格決め

6.物件探し

7.内外装工事見積

8.人材採用

9.資金調達

10.各種届出

 

最終的には、この全てをまとめた事業計画書を作成します。

 

1.コンセプト決め

お店のコンセプトを明確に決めましょう。

メニューのコンセプト、店舗のコンセプト、立地のコンセプトなど様々に分類されますが、まずは根幹となる「コアコンセプト」を作成します。

お店の存在意義、経営理念になるような主軸となる概念を言葉に表すのです。

自己満足で終わらないように、顧客からの目線も踏まえたコンセプトを考えましょう。

 

2.市場リサーチ

同業のお店をリサーチしましょう。

開業予定地域のお店は勿論、人気店があれば何が人気の要因なのか、どんな客層が来店しているか、店づくりのヒントを吸収することが大切です。

 

3.顧客(ペルソナ)の想定

来店してくれる顧客をできるだけ細かく想定しましょう。

年齢、性別、居住地、職業、価値観、などを明確に想定した一人の顧客像を作り上げます。

この顧客像のことを、マーケティング用語でペルソナといいます。

このペルソナに照準を合わせてお店作りを進めると、より明確なアイディアが浮かんでくるものです。

 

4.仕入れ先確保

お店のコンセプトが定まったら、食材の仕入れ先を確保します。

メニューを先に考案するのもよいですが、仕入が出来なければ提供することはできません。

まずは、仕入先を確保することをおすすめします。

ネットで卸売業者を選定してもいいですし、開業予定地域を巡回して地元の商店や小売業者を見つけ、直接交渉するのもいいでしょう。

 

5.メニュー、価格決め

仕入先に目途が立ったらメニューの作成に入ります。

コンセプトに沿ったメニュー作りは、腕の見せ所です。

市場リサーチで得たヒントを元に、想定するペルソナを満足させる料理に仕上げましょう。

 

価格は、市場リサーチでの相場感、仕入価格、想定する原価率、などを考慮して作成することになります。

毎月の収支予測を立て、それに見合った収益が見込める価格設定となることを忘れないようにしましょう。

 

6.物件探し

開業予定の地域を決めたら、実際に物件を探します。

周辺の環境、立地条件、中のレイアウト、様々な視点で検討し、候補を絞り込んでいきましょう。

意外と見落としがちなのが、物件のオーナーの人物像です。

トラブルが起きることのないよう、良好な関係を気付けそうな人物か事前に十分に確認しておくことをおすすめします。

 

周辺環境を確認する際には、人の流れを注意深く観察しておきましょう。

平日、休日、時間帯によって全く変わってくるはずですので、コンセプトや営業時間とマッチしているか調査しておく必要があります。

 

7.内外装工事見積

コンセプトに沿った内外装に仕上げてくれる設計事務所を見つけましょう。

動く金額が非常に大きなステップだけに失敗はできません。

細かなイメージの共有、施工方法の確認など入念な打ち合わせをしてくれる業者を選ぶようにしましょう。

 

8.人材採用

お店の規模に合わせてスタッフの人数を想定し、採用予定を立てましょう。

知り合いに頼んでみたり、求人メディアに掲載したり、採用する方法を検討します。

開業直後はお店のオペレーションに精一杯で、人を育てる余裕がないことが想定されます。

経験者をなるべく採用するなど、スムーズな運営をイメージした採用を計画しましょう。

 

9.資金調達

ここまでのイメージが固まってきたら、資金調達の計画を立てます。

開業までにかかる費用はどれくらいか、開業後の運転資金はどれくらいか、自己資金はどれくらい準備できているか、それらを踏まえていくら調達する必要があるのかを算出します。

 

各金融機関が提供している創業用融資、日本政策金融公庫が提供している新創業融資制度など方法はいくつもありますが、どこに申し込むにしても、「計画の詳細を事業計画書に落とし込んでプレゼンすることができること」が必須です。

この視点を忘れないようにしましょう。

 

10.各種届出

飲食店の開業にあたっては、保健所や消防署への届出が必要になります。

お店の種類によって必要な届出が変わってきますので、不足のないよう事前に十分調べておきましょう。

■飲食店の開業準備リスト(開店後の運営)

開業した後の運営に向けても、事前にしっかりと想定をしておく必要があります。

主要なチェックポイントは次の通りです。

 

1.接客

2.調理

3.オペレーション

4.販促

 

これらのイメージを固めて、開業までの計画同様に事業計画書に落とし込んでいくことが大切です。

 

1.接客

想定したペルソナに向けて、どんな接客を提供するのか想定しましょう。

修業期間に既に身に付いていれば問題ないですが、満足するレベルのものが提供できなければ、どこかの飲食店で勉強し直す期間も必要でしょう。

スタッフへの接客指導のイメージも同時に考えておく必要があります。

 

2.調理

日数のかかる料理の仕込み、開店前の当日の仕込み、注文が入ってからの調理、トータルで考慮する必要があります。

営業時間、スタッフの出勤時間を踏まえ、お店全体のサイクルとも連動した重要なステップになります。

 

3.オペレーション

営業中のオペレーションの想定は必ず行うようにしましょう。

お店がうまく回るかどうかが全てここにかかっています。

 

おすすめしたいのは、開店前にプレオープンイベントを実施することです。

お店の宣伝になるのは勿論のこと、スタッフの動きをシミュレーションするのに最適です。

接客、人員配置、配膳、片付け、会計、すべてのオペレーションを体験し、開店までにブラッシュアップできるようにしましょう。

 

4.販促

開店直後はお店の認知度がどうしても低いものなので、効果的な販促活動も事前に決めておく必要があります。

掲載を申し込めるグルメ系のメディアは多数ありますし、人通りの多いところでのチラシ配布などもいいでしょう。

思ったような集客がなく焦って行動することにならないように、開店前からしっかりと段取りをとっておくことが大切です。

 

■まとめ

飲食店の開業を決めた時の情熱をそのまま維持して、開業に結び付け、運営を軌道に乗せていくには、丹念な準備が欠かせません。

その根幹となる、全てを網羅した事業計画書をまず作成しましょう。

具体的にイメージの湧く計画書に仕上がれば、それに応じて協力者も増えてくるものです。

理想とするお店の開店の為、不足なく準備を進めていきましょう。

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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