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創業後に日本政策金融公庫や銀行から融資を受ける際には決算書や試算表は絶対に必要?

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創業後に日本政策金融公庫や銀行から融資を受ける際には決算書や試算表は絶対に必要? |スキーム マグ
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資金の借り入れをご検討中の場合には銀行の他、国金や日本公庫などの略称で親しまれている日本政策金融公庫も活用できます。これらの機関で借り入れを行う際には、申請のために決算書や試算表が必要になるのかはもちろん、提出の際に気をつけるポイントもしっかりチェックしておいた方が好ましいでしょう。今回は創業後の決算書や試算表について見ていくことにします。

日本政策金融公庫では決算書と試算表が必要?

国金・公庫の略称で知られる日本政策金融公庫で借り入れを行う際には、創業の前後で申請に必要な書類が変わってきます。決算書と試算表は事業をはじめた後に借り入れを申請する場合に必要になってきますが、それぞれの書類で若干、異なる点があるので注意が必要です。
まず、決算書の方は事業を開始している場合は、必須と考えて良いでしょう。公庫が貸付けを行う際には、やはり借り手の財務状況を把握することは欠かせません。公的な特色の強い機関で、借り入れはしやすいとされますが、決算書はしっかりチェックしてきます。

決算書については事業を始めている場合、直近の2期分を要求されるのが一般的です。事業をはじめて間もないと言う方は、2期を超えていない場合もあるはずです。このような場合には2期分にこだわらず、ある分だけの資料をもとにして審査が行われます。
この決算書は財務三表として知られる「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3種類が中心です。法人の場合にはこれらに加え、「株主資本等変動計算書」や「勘定科目内訳明細書」なども必要になってくるので注意しましょう。

試算表の方は、決算後6ケ月以上を経過している場合は最近の試算表の提出を要求されます。試算表と言うのは決算を行う前に、総勘定元帳への記入が正しく行われているかをチェックするための書類です。基本的には「合計試算表」「合計残高試算表」「残高試算表」の3種類があり、法人でも個人事業でも同じように提出を求められています。
審査のことを考えると、決算後6ヶ月が経っていない場合でも、最新の試算表を用意しておいた方が好ましいでしょう。なお、試算表を作成していない場合には、月別の売上が判る書類でも大丈夫とされています。

銀行の場合、決算書と試算表はどうなのか

銀行から事業資金を借り入れる際にも、決算書の提出は必須です。民間でも公的機関でも、事業の財務状況を把握するには、決算書に頼る部分は大きいと言えます。
試算表についても、通常は提出を要求されると考えて良いでしょう。こちらの書類は最新の財務状況を確かめるために有益です。また、決算書ではなんとか誤魔化せていても、試算表を精査したり、両者を突き合わせて見ていくと、財務状況の実像が見えてくることもあります。

審査に通りやすくするためには、決算書と試算表の見直しを行おう

日本政策金融公庫や銀行が、決算書・試算表の提出を要求してくるのは、財務状況が健全かどうかをしっかりとチェックする必要があるからです。事業主の中には粉飾決算を行っており、見た目は黒字でも実際の業績は低迷していると言うようなケースはしばしば見られます。資金の貸付けを行う側としては、このようなリスクの高い相手への融資は避けたいものですから、これらの書類を精査して貸付けを判断するわけです。

これらの書類が審査に与える影響はかなり大きなものと言えます。これは逆に言えば、決算書や試算表を上手に修正すれば、審査に通りやすくなると言うこともできるでしょう。ただし、日本政策金融公庫や銀行はプロの目線で書類をチェックするので、場当たり的に数字を改善しても逆効果です。雑益や特別勘定でかろうじて黒字化しているような状況では、粉飾ではないかと怪しまれるリスクがあります。他にも利益の出し方や売掛金の回収具合などによって審査にマイナスに影響する場合があるので、気をつけたいものです。
現在は赤字であっても必ずしも諦める必要はありません。決算が赤字でも、しっかりと原因を明確にして、根拠のある改善策を文書に示して提示できれば、融資を引き出せる可能性はあります。このような文書は試算表と併せて提出すると良いでしょう。

決算書や試算表を工夫することで、審査に好影響を与えたい時には、これはプロに相談するのが理想的でしょう。決算書の内容によっては、積極的な貸付けを引き出すことにも繋がりえます。自己資本比率を高める他、事業主自らが資産を形成しておくなどがポイントです。この辺りは自身で調べることも大切ですが、限界を感じたら詳しい専門家に相談することも重要です。やりすぎると粉飾決済とみなされるリスクもあるので、丁寧かつ慎重に考えていくのが好ましいでしょう。

このように、日本政策金融公庫や銀行からの借り入れを検討する場合には、気をつけておきたいポイントが幾つもあります。決算書と試算表は単に提出するだけではなくて、内容や添付書類を考えてくことも大切です。他にも色々な点に気を配ることが大切ですし、そもそも申請のための必要書類も沢山ありますから、じっくりと申請手続きについて調べていくこと、場合によっては専門家のサポートも検討することが大切ではないでしょうか。

 

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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