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事業再構築補助金とは?補助対象となる経費について(最大6,000万円)

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事業再構築補助金とは?補助対象となる経費について(最大6,000万円)|資金調達メディアScheeme MAG(スキームマグ)
事業再構築補助金では補助額や補助率、補助対象となる経費が定められているのを知っているでしょうか。補助金を活用して事業をおこないたいけれど、想定している経費が事業再構築補助金でまかなえるのかを知りたいと思うのはもっともなことでしょう。この記事では事業再構築補助金について枠ごとにどのような補助額や補助率になっているかを解説します。
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事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、売り上げの低迷によって経営が苦しくなった中小企業が事業再構築に取り組む際に申請できる補助金です。

中小企業庁では新分野展開、業態転換、事業転換、業種転換、事業再編の4つを掲げて、いずれかの方法で事業再構築に挑む事業を進めようと計画している中小企業に対して支援をしています。補助額の上限が高いことから大きな注目を浴びている補助金です。

事業再構築補助金の対象企業

事業再構築補助金の対象企業は中小企業と中堅企業です。


申請前の直近6ヶ月間のうち任意の3ヶ月間の合計売上高が、コロナウイルスの感染拡大以前の2019年1月から2020年3月の同3ヶ月間の売上高に比べて10%以上下がっている場合に申請できます。


事業再構築に取り組む際には認定支援機関や金融機関と事業計画を立てることが必要で、補助事業終了後も持続的に付加価値を上げられる企業になることが求められます。

事業再構築補助金は個人事業主でも受けられるのか?

事業再構築補助金は経済産業省の定義する中小企業者または小規模企業者の定義を満たしていれば申請可能です。法人になっていても個人事業主でも問題はありません。

業種によって常時使用する従業員の数の上限が定められているため、その条件を満たしていれば個人事業主でも事業再構築補助金を受けて事業再構築に取り組むことができます。

事業再構築補助金の補助額・補助率

事業再構築補助金の補助額や補助率はどの枠に該当するかによって異なります。以下の4つの枠について、それぞれ補助額と補助率がどの程度なのかを確認しておきましょう。

①通常枠

通常枠では中小企業の場合には補助額が100万円〜6,000万円で、補助率は2/3となっています。


中堅企業の場合には上限がやや高めで100万円〜8,000万円の補助額です。補助率は4,000万円以下の補助額の場合には1/2、4000万円を超える補助額の場合には1/3となっています。

②卒業枠

卒業枠では6,000万円〜1億円が補助額の範囲です。補助率は通常枠と同様に2/3と定められています。

③グローバルV字回復枠

グローバルV字回復枠の補助額は8,000万円〜1億円です。補助率は1/2となっています。

③緊急事態宣言特別枠

緊急事態宣言特別枠の補助額は従業員数によって規定されています。


従業員数が5人以下の場合には100万円〜500万円

従業員数が6~20人の場合には100万円〜1,000万円

従業員数が21人以上の場合には100万円〜1,500万円です。


補助率は中小企業では3/4、中堅企業では2/3と定められています。

事業再構築補助金の対象経費

事業再構築補助金ではあらゆる経費を対象として補助金を受けられるわけではありません。補助対象となる経費は11種類に分類されています。

その中でも該当する可能性が高い経費について例を挙げて解説するので、事業再構築補助金の用途を考える上で参考にして下さい。

- 建物費

建物費は申請した補助事業に使用する目的の建物に関する全般的な経費です。

事業のために新しい工場を建てたり、事務所を増設したり、新しい拠点を設けたりするのにかかる費用に対して補助金を充てられます。賃貸物件の場合には原状回復費用も建物費とすることが可能です。

また、補助事業のためだけに建設した施設の場合には最終的にかかる撤去費用についても含めることができます。

- 機械装置・システム構築費

機械装置・システム構築費は機械や工具、その制御に必要な情報システムなどの購入、製作、構築などにかかわる費用です。レンタルをする場合にも機械装置・システム構築費として申請することができます。

また、既存の機械を改良する費用や、購入時に運搬や設置などにかかる費用も含めることが可能です。リースについても該当しますが、補助事業の期間中のリース費用しか工面できないので注意しましょう。

- クラウドサービス利用費

クラウドサービス利用費はその名の通りで、補助事業のために不可欠なクラウドサービスを利用する経費に対して適用できます。クラウドサービスの月額利用料や初期費用が対象です。


補助事業が終了しても継続利用する場合には、期間終了後については全額負担になります。他社との協力や業務の効率化をするためにクラウドサービスを利用したり、新分野展開のためにクラウドベースのサービスを提供したりする際に申請する経費です。

- 専門家経費・外注費

専門家経費や外注費は外部にサービスや作業などの依頼をしたときにかかる費用です。補助事業を遂行するために必要だった場合には対象になります。

専門家経費はコンサルタントや各種資格の保持者が主な対象で、専門家への謝金を経費にできます。専門家の種類によって上限額が決まっているので注意が必要です。

外注費は他社に作業や検査などの外注をしたときにかかる費用を指します。新製品の開発に際して設計を依頼したり、販売基準をクリアしているかを確認するための検査を委託したりするときの費用が該当します。

- 広告宣伝・販売促進費

広告宣伝・販売促進費は営業やマーケティングなどに関連する費用で、補助事業に直接関連する製品やサービスの販促やPRの目的で実施した場合には補助対象となります。


補助事業で開発した製品のパンフレットの制作費や印刷費、利用に関するセミナーの開催日などが該当します。マーケティングツールの利用費や営業代行の依頼費用なども広告宣伝・販売促進費です。

事業再構築補助金の対象にならない経費

事業再構築補助金では対象外の経費も多数挙げられています。人件費や旅費、通信費やフランチャイズの加盟料は対象になりません。


賃貸物件を利用するときには設備費や原状回復費用は補助対象ですが、賃料や保証金などは対象外です。補助事業で必要になったものでも消耗品費は対象になりません。他にもいろいろな対象外の経費があるので注意が必要です。

まとめ

事業再構築補助金では通常枠でも最大で6000万円もの補助額になるのが魅力です。補助率も中小企業なら2/3なので、自社負担は1/3で済みます。


対象になる経費が限られているのは確かですが、建物費にも使用できるなど、他の補助金制度に比べて対象になる経費の幅は広めです。このように事業再構築補助金は事業再建の資金調達方法として優れているので、活用を前向きに検討してみましょう。

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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