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自己資金がなくても開業資金の融資を受ける方法とは?

# 銀行融資# 日本政策金融公庫
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日本政策金融公庫では、原則、新創業融資制度を利用する場合に1/10以上の自己資金が必要とされています。そのため、開業資金の融資をお考えの方の中には、融資の申し込みをためらっている方も少なくありません。しかし、自己資金がなくとも、開業資金ついて融資を受ける方法はあります。この記事では、正しい自己資金の内容や、自己資金がなくても、創業融資を受ける方法について解説いたします。

「自己資金」とは何か?

開業資金の調達方法として、新創業融資制度や制度融資を利用する場合には、一定の自己資金が必要となります。

「自己資金」とは、融資の申し込みの際に必要となる元手を意味します。


そのため、何が自己資金となり、また、ならないのかをシッカリと把握しておくことが、創業融資を成功させるための第一歩となります。

自己資金として認められるもの

新創業融資制度で、自己資金として認められるものとしては、次のようなものがあります。


① 自分名義の通帳にためたお金

② 退職金

③ 親族から贈与されたお金

④ 資産を売却した資金

⑤ みなし自己資金


①の「自分名義の通帳にためたお金」とは、それまでの給料などをコツコツと貯めたもので、その経緯が通帳の履歴などからわかる必要があります。

金融機関では、自己資金の確認をする場合には通帳の現物を提出させ、過去にさかのぼってその中身を確認します。そのためごまかしができないだけでなく、その内容に不審な点がある場合にはさらにつっこんだ確認がされます。


②は、会社等を退職した際に支給されるものですが、これについては振り込みの記録や明細書などによって退職金であることがわかる必要があります。


③については、親や兄弟などから事業への協力金としてもらったお金が対象となりますが、制度融資の場合では都道府県によりこれを自己資金として認めていない場合があるため注意が必要です。


④では、その資金が何らかの資産を売却したものであることの証明を求められますので、契約書や領収書などそれを証明する資料が必要となります。


⑤の みなし自己資金とは、事業のために購入したり、支払った資金がこれに該当します。

たとえば、融資の申し込み前に仕入れ代として200万円を支払っているような場合には、この200万円は申し込み時には存在しませんが、事業のための先払い費用としてこれを自己資金として認めてもらうことができます。


ただし、先に購入等をしたものは、自己資金とはなりますが、これを融資の資金使途とすることはできないことに注意してください。(すでに購入したものについては、融資の申し込みはできないため)

自己資金として認められないもの

一方、次のようなものは、自己資金として認められません。


① タンス預金

② 他から借りてきたお金

③ その他の出どころの不明なお金

④ 事業に使わないお金


①のタンス預金とは、現金で自宅に保管しているお金のことです。 

なぜ、これが自己資金として認められないかといえば、そのお金が貯めたものなのか、それとも他から持ってきたものなのかの区別がつかないからです。


また、②に関しては、 相手が親や兄弟である場合でも、自己資金とは認められません。

なぜなら、親や兄弟であっても、借りたお金である以上返済義務があるからです。


④の事業に使わないお金についても、注意が必要です。自己資金は、事業計画の中でこれを使うことが前提となります。


300万円の自己資金で500万円の融資が受けられた場合は、合計で800万円の計画となっている必要があります。しかし、自己資金の300万円を使わずに、500万円だけで事業を行なった場合、それがばれた場合には、金融機関から融資全額の返還を求められる可能性があります。

したがって、仮に通帳の中に300万円の自己資金がある場合でも、そのうち200万円は生活費で事業には100万円しか使わないような場合には、自己資金は100万円となります。


以上のように、自己資金は創業融資おける重要な要素となりますが、自己資金があるからといって必ず融資が受けられるわけではありません。


自己資金はあくまでも融資申込の条件の一つです。 

そのため、融資の申し込みでは、それ以上に事業計画書の内容が重要だということに注意してください。

開業資金の融資は自己資金なしでも受けられる?

創業融資の申し込みでは、原則、自己資金が必要となります。

しかし、自己資金がなければ、まったく融資を利用できないかといえばそういうことではありません。


日本政策金融公庫の新創業融資制度では、次のいずれかに該当する場合には、自己資金がなくとも申込めることとされています。

事業開始後、税務申告を終えてからの申込み

新創業融資制度で自己資金が必要となるのは、「新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方」です。

そのため、事業開始後、1期を過ぎた方については、自己資金は不要となります。

例外のいずれかに該当する場合

次の要件のいずれかに該当する場合には、自己資金は不要となります。


① 現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方

・現在の企業に継続して6年以上お勤めの方

・現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方

② 大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方

③ 産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方

④ 民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方

⑤ 技術・ノウハウ等に新規性が見られる方

⑥ 新商品・新役務の事業化に向けた研究・開発、試作販売を実施するため、商品の生産や役務の提供に6ヵ月以上を要し、かつ3事業年度以内に収支の黒字化が見込める方

⑦ 「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」の適用予定の方


この中でも、とくに①や⑦の要件は、通常の方でも比較的満たしやすいものとなっているためおすすめです。

自己資金なしで融資を受ける際の注意点

もし、自己資金がない、もしくは少ない状態で融資の申し込みをした場合にはどうなるでしょう。この場合には、次のようなことが考えられます。


①融資が断られるか、自己資金の額にあった計画の変更が必要となる。

自己資金は新創業融資制度の申し込みの条件なので、まったく自己資金がない場合には、原則として、融資はお断りとなります。ただし、例外に該当する場合にはこの限りではありません。


②借りられる金額が少なくなる

本来、必要な額の自己資金よりも少ない額しか用意できない場合には、その自己資金の額にあわせた申込みに修正する必要があります。


たとえば、自己資金が100万円しかない方については、公庫の規定では最大900万円までしか融資の申し込みかできないこととなります。

そのため、この方が1,500万円の計画を立てたとしても、先の要件を満たせないため、規定内での申込みをするのであれば、最大でも900万円の申込みとする計画に修正する必要があります。


③資金が不足する可能性がある。

自己資金が少ない場合には借りられる金額が少なくなるため、その後の経営に必要な資金を十分に調達できなくなる可能性があります。

また、少ない自己資金で多額の借り入れをした場合には、返済額も多くなることから、その後の資金繰り悪化の要因となります。

開業資金の融資でおすすめなのは?

開業資金で利用する融資としておすすめなのは、日本政策金融公庫の新創業融資制度制度融資の2つです。


新創業融資制度には、前述したような特徴の他、低金利、長期・無担保、無保証で利用できるといった特徴があります。


また、制度融資とは、行政(都道府県や市町村)と金融機関、信用保証協会の3者が一体となって行っている中小企業向けの融資制度で、この中にも創業者向けの融資制度があります。なお、市町村で行っている制度融資は、その市町村内で事業をする方しか利用できませんが、金利が優遇されたり、信用保証料が減免されたりなどの特典が用意されていることが多いため、こちらについても利用をおすすめします。


また、日本政策金融公庫と制度融資は、併用することができるため、同じ自己資金であっても上手に活用すれば最大2倍の融資を獲得できる可能性があります。

まとめ

以上のように自己資金がなくとも、開業資金の融資を受けることは可能です。


しかし、自己資金は多い方が融資が通りやすくなるだけでなく、その後の資金繰りの安定にもつながるため、できるだけ用意するようにしてください。

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この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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