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知らないと損をしてしまう「法人×税金」の関係を詳しく解説!

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知らないと損をしてしまう「法人×税金」の関係を詳しく解説! |スキーム マグ
法人と税金の関係を知りたいですか?本記事では、法人が払わなければいけない税金の種類から、法人税の計算や注意点を具体的に紹介しています。法人の方で、税金について知りたい方は本記事必見です。
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これから法人を設立して、起業をしようとしている人にとって、知らないと損をしてしまう可能性があるのが、税金に関する知識です。個人の所得に毎年、所得税が課せられるように、法人にも事業を行う上でさまざまな税金が課せられます。これらの税金に関する制度を理解して、正しく節税対策をすることで、安定した企業経営に役立てることができます。

法人にかかる税金の種類

法人税にかかる税金は最低でも6種類あり「法人税」「地方法人特別税」「法人住民税」「法人事業税」「所得税」「住民税」です。

1. 法人税

法人の所得に対して課せられる税金のことです。年間800万円以下の所得であれば、税率は15%となり、800万円以上で23.9%になります。

2. 地方法人特別税

法人税が国税であるのに対して、地方法人特別税は都道府県に対して支払う地方税になります。

3. 法人住民税

法人住民税も個人事業主の住民税同様、「均等割」と「法人税割」があります。「均等割」では一律5万円がかかり、「法人税割」では地方によってそれぞれの税金が課されます。

4. 法人事業税

法人事業税とは登記している都道府県に対して支払い税金のことです。具体例として東京都の法人事業税は年間所得別に3段階に分かれていて、年400万円以下の所得は3.4%、年400万円〜800万円以下の所得は5.1%、年800万円を超える所得は6.7%となります。

5. 所得税

ここでいう所得税とは「源泉徴収をした所得税」になります。役員や従業員の毎月の給料に対してかかる所得税で、毎月の給料から天引きして、翌月10日に納付します。

6. 住民税

住民税も同様に「源泉徴収した住民税」です。これも役員や従業員の毎月の給料に対してかかる住民税で、毎月の給料から天引きして、翌月10日に納付します。

法人に課せられる法人税の計算と注意点

法人が事業を行う上で支払わなければいけない税金の中でも、法人に特有のものが法人税です。法人税は営利目的で事業を行う法人が、各事業年度ごとに計算された純利益に対して、課税される税金です。ここで気をつけなければいけないことは、この計算された各事業年度の純利益というものは、法令の規定にしたがって正しい方法で計算された金額でなければいけないことです。法人が法人税を支払う場合には、申告書と一緒に、各種の参考書類も提出しなければいけませんが、こうした書類も法令にしたがって作成する必要があります。

法人税の正しい納税にあたって特に重要になるのが、損益計算書の作成です。税務申告上の損益計算書によって計算された当期純利益によって、納税すべき法人税の金額が決定するために、日頃からの準備も重要です。法令にしたがっていない方法で損益計算書を作成した場合には、後で税務署から間違いを指摘されて、追加で税金を納めなければいけない場合もあることから、慎重に作成をする必要があります。税金や経理に関する詳しい知識を持っていない場合には、専門の税理士や会計士に相談して、損益計算書作りをサポートしてもらうこともできます。

帳簿の仕訳

また、法令の基準にしたがった税務申告書上の損益計算書づくりにおいて特に注意しなければいけないのが、帳簿の仕訳です。損益計算書は法人の事業活動を金銭面から記録した帳簿の仕訳から計算された金額によって作成されるので、仕訳の方法が法令にしたがっていないと、そこから計算された各期の純利益も、法令的に正しくないものになってしまうからです。そのため、仕訳をするときは、法令の基準に従っているかどうかを確認しながら、記載していく必要があります。

交際費

法人税の計算において重要になる事項の一つが交際費の計算です。法人が事業活動を行う上で他の法人や、特定の個人と交際をする中で交際費が必要となる場合もありますが、この交際費の扱いが一般的な企業会計と、税務上の基準では大きく異なっています。

企業活動の記録のために作成する帳簿(損益計算書)においては交際費は正しい金額で計算する必要がありますが、納税を目的とした税務申告書上の損益計算書を作成する場合には、交際費は特別な扱いが必要になります。交際費として各事業年度に計上された金額は、税務上、その全額が全て各期の収益から控除できる費用として認められるわけではなくて、法令で認められた範囲の金額だけが費用として認められています。したがって、各事業年度において支出した交際費が法令で認められている金額を超過していて、その金額に基づいて当期純利益の計算をしている場合には、超過している部分を純利益の金額に加算して、改めて当期純利益の計算をする必要があります。

さらに、注意しなければいけないのは、交際費として税務上認められている金額は、法人の規模によって異なっているということです。

資本金もしくは出資の額が1億円以下の中小法人の場合には、交際費として計上した金額のうち800万円までの金額を損金として算入することができます。それ以上の金額がある場合には全額損金不算入となって、損益計算書で調整をする必要があります。

一方、資本金もしくは出資の額が1億円を超える法人の場合には、交際費は認められないために、全額が損金不算入となります。ただし、平成26年度の法改正によって、飲食費として使用した金額のうちその半額が損金として税務上も認められるようになったために、中小法人の場合には上記の800万円の規定と選択して適用できるようになっています。

こうした交際費に関する税務上の扱いについてもう一つ注意をしなければいけないのは、それぞれの法令には適用期限が定められていることが多いことです。上記の飲食費に関する規定なども、一定の期間内において適用することができるものであるために、法令で定められた期限が経過した後に開始された事業年度の場合には、適用できない場合があります。

交際費に限らずに法人税に関する規定は頻繁に改正されているので、こまめにニュースをチェックしたり、税理士に相談をしたりすることで、より適切に納税をすることができます。また、損金として計上できる費用を正しく把握しておくことで、制度をより有効に活用して、安定した事業活動に役立てることができるメリットもあります。

法令をしっかりと理解して正しい納税を

安定した事業活動を行う上で毎事業年度に課税される税金を正しく納税することは、法人にとって非常に重要になります。納税額の計算をうっかり間違えて、後で追加の税金を支払わなければいけないようになると、追徴金として余分な金額を納税しなければいけないだけでなく、法人の社会的信用も著しく損なわれてしまいます。そのために、税理士など税務の専門家に相談することには大きな意味があります。

 

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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