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会社や組織から独立・起業までに必要な開業手続き・開業方法について、資金の調達先も解説

「これから会社を辞めて独立したい」とお考えの方は多いと思います。しかし、起業は思いつきでできるほど簡単ではありませんし、事業で成功するためには十分な準備も必要となります。また、「法人と個人事業主のどちらで起業するのか?」といった起業の形式に配慮するのは当然ですが、その際にどのような手続きが必要なのかなどについても詳しく理解しておく必要があります。この記事では、法人と個人で起業する場合の違いや、その際の手続き、開業資金の準備の方法など、これから起業する方に必要な手続きについて解説いたします。

開業手続き、個人事業主または法人、どちらで起業するか最初に決める!

起業の形式には、法人と個人の2種類がありますが、それぞれについてかかる費用や必要な届出等が異なります。
また、それぞれのメリットやデメリットもあるため、その違いを理解した上で自分の状況にあった選択をする必要があります。

法人として起業する場合のメリットとデメリット

法人として起業する場合のメリットとデメリットとしては、以下のようなものがあります。

<メリット>

① 税金が安くなりやすい
税金については、一般的に法人の方が節税しやすいといえます。
法人については法人税が、個人については所得税がそれぞれかかりますが、所得が900万円を超えるあたりから税率の差が出てくるため、所得がこの額を超える場合には法人の方が有利といえます。

② 社会的な信用が高い
個人事業については、一般的に信用面でやや劣ると見られやすく、法人でないと取引できないなどの制限が生じることもあります。
しかし、法人の場合には制約が少ないため、個人事業より有利といえます。
また、社員の採用などでも、法人の方が求人をしやすいといえます。

③ 経費にできる範囲が広い
法人では、家族役員に給与を支払える、退職金を支給できるなど、個人事業よりも経費として認められる範囲が広くなります。
また、保険料についても一定の要件を満たせば全額を経費とすることが可能となります。

④ 決算月を自由に決定できる
個人事業の場合、決算期は一律に12月と決められていますが、法人ではこれを自由に決定・変更することができます。
そのため、個人事業の場合には、開業時期によっては決算などで不利(例えば、11月に開業した場合には、初年度の決算は2ヶ月弱で終了してしまう)となることがありますが、法人の場合には、自由に決算月を選べるため、ほぼ1年間の営業期間を確保することができます。

⑤ 経営の同一性を保てる
法人では、代表者の死亡や変更があっても、会社自体はそのまま継続することができます。
しかし、個人事業の場合には、その代で事業が終了してしまうため、その後継者が新たな事業として引き継がなければなりません。
また、許認可についても、法人の場合は代表者等の変更で済みますが、個人事業の場合には新たに許認可を取得しなおす必要があります。

⑥ 日本政策金融公庫の新創業融資制度を無担保無保証で利用できる
日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用する場合には、代表者の連帯保証が不要になるという優遇措置が使えます。

<デメリット>

① 赤字の場合でも、一定の税金がかかる
法人は、赤字の場合でも7万円の法人住民税(均等割分)を支払う必要があります。

② 法人は社会保険に強制的に加入 また、従業員の社会保険や年金の約半分を負担しなければならない
法人の場合は、社長1人しかいない会社の場合でも社会保険へ加入しなければなりません。
また、雇用する従業員がいる場合には、原則、その保険料や年金の半額程度(労災保険については全額)を負担しなければなりません。

③ 記帳や決算手続きが複雑になる 
法人の場合には、個人事業の場合と比べて、記帳や決算手続き、適用する税制などが複雑となりやすくなるため、すべての処理を自分ですることが難しくなります。

法人として開業する場合、会社の設立にも一定の費用がかかる

法人として開業する場合、会社の設立手続きに一定の費用がかかります。
なお、具体的にかかる費用は法人の種類により異なります。

     株式会社  合同会社     
登録免許税 15万円〜  6万円〜     
定款認証代  5万円    なし
印紙税    4万円    4万円
※いずれも電子定款の場合は不要

この他にも、設立手続きを専門家に依頼した場合には、別途、報酬が必要となります。

個人事業主として開業する場合の手続き

個人事業主として起業する場合のメリットとデメリット

個人事業主で開業した場合には、次のようなメリットやデメリットがあります。

<メリット>

① 簡単な手続きで開業できる
個人事業では、税務署に「開業届」を提出するだけで、すぐに事業を始めることができるため、少ない手間と経費で開業することができます。

② 自分で自由に営業の内容を決められる
法人の場合は、定款で定められた「事業目的」の中の事業しか行うことができませんが、個人事業の場合には、このような制限がなく、自由に自分で営業内容を決めることができます。 

③ 記帳や申告手続きがしやすい
個人事業の場合には、比較的、小規模な取引が多いため、法人と比べるとその分記帳や申告の手続きが簡単に済みます。
また、専門家に依頼しなくても自分でできるケースも少なくないため、その分経費の節約となります。 

<デメリット>

① 法人よりも社会的な信用が低い
② 採用などで不利となりやすい
③ 一定以上の利益が出た場合には税負担が重くなりやすい

なお、はじめは個人事業で開業するけれど、近いうちに法人にしたいとお考えの場合には、はじめから法人として開業することをおすすめします。

なぜなら、
・個人事業から法人成りをするときには、一度決算をした上で、新たに法人としての手続きをしなければならない。
・融資や取引などにおいて、それまでの経歴のすべてを評価してもらえないことがある。
といったリスクがあるためです。

そのため、より長い経歴をつくりたい、個人のときの業績等を引き継ぎたい場合には、はじめから法人として開業する方が有利となります。

税務署に開業届けを出すことで事業開始できる

個人が事業主として活動を始めるときは、「開業届」(正式名称「個人事業の開業・廃業等届出書」)」の提出が必要となります。
開業届の提出期間は、個人事業主として、事業所得や不動産所得、山林所得などが生じる事業を始めてから1ヶ月以内です。

開業届を提出しなかった場合の罰則や過料などはありませんが、銀行口座の開設や各種手続きの際に開業届の控えが必要となるため、この手続きをしないと正式な開業ができないだけでなく、これらの手続きも行うことができなくなってしまいます。
また、税務署の受付印の押された控えは必ず取っておくようにしましょう

なお、個人事業主として事業を開始するときは、税務署への開業届とは別に、都道府県税事務所へ個人事業を開始したことを申告する必要があります。(提出書類の名称は自治体によって異なります)

開業届のほかに青色申告の申請書類も提出が必要

個人事業で開業し、青色申告の恩恵を受けるには、以下の書類を提出する必要があります。

「青色申告の承認申請書」(税務署)
確定申告を青色申告で行う場合には「青色申告の承認申請書」を提出する必要があります。
提出は義務ではありませんが、これを期限内に出さないと青色申告の特別控除や損失の繰り越しといった、税務上の特典を受けることができなくなります。

この申告書は、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後の場合には、事業開始等の日から2月以内)に提出する必要があります。
 なお、青色申告で最高65万円の青色申告特別控除を受けるためには、複式簿記で記帳の上、電子申告(e-Tax)または電子帳簿保存が必要となります。

「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」他(税務署)
配偶者や親族を青色専従者として使用する際に提出が必要となる届出です。
専従者の対象となるのは、申告者と生計を一にする配偶者その他15歳以上の親族です。

なお、これ以外にも、必要に応じて「源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書」(源泉徴収税の納付を翌月10日ごとから半年ごとの納付へ変更できる届出)や、「給与支払事務所等の開設届出書」(はじめて従業員を雇用して給与を支払う場合に必要)なども届け出る必要があります。

金融機関で事業用口座の開設、事業用クレジットカードなども作成する

個人事業で開業した場合には、個人名義の銀行口座とは別に、屋号での口座開設が可能になります。
屋号名義の銀行口座を使えば、事業用のお金とプライベート用のお金をしっかりと分けて管理しやすくなるだけでなく、取引先にとっての安心感にもつながります。

なお、屋号名義の銀行口座を開設する際や屋号名義でのクレジットカードの申し込みには、「屋号」が記載された開業届の控えの提出を求められることがあります。

法人として開業する場合の手続き

法人として開業する場合には、個人事業主よりもさまざまな手続きが必要です。
とくに、登記手続きはこれをしないと法人として認められないため、まず、はじめに行うべき手続きとなります。

法人設立の準備その1・実印作成及び定款作成認証

法人を設立するときには、まずは会社の「代表者の印鑑」と「定款の作成」が必要となります。

法人が使用する印鑑としては、この他にも銀行印や角印があると便利です。
銀行印は銀行口座などを作る際に使用します。
また、角印は、会社で作成された書類であることを相手に知らせるために押される印鑑です。

代表者印は、対外的な書類や契約書など、重要書類に使用しますが、それ以外のものについては、用途に合わせて使い分けをした方が安全です。
また、できれば、社判(会社の住所や商号、連絡先などが入ったゴム印)も用意しておくと、いちいち手書きをする必要がありません。
会社の印鑑の用意ができたら、発起人を決めて定款を作成します。

発起人とは、会社の設立のときに設立準備の手続きを行う人のことをいいます。
出資だけでなく、その後の会社の組織の決定や取締役の選任などといった会社の運営に関する事柄を決定し、定款を作成します。

なお、発起人は、各人が出資した額に応じた株主となりますが、必ずしも設立後の取締役になるわけではないことに注意が必要です。
発起人の数は、以前は7人以上必要とされていましたが、現在は、1人以上いれば問題ありません。
(ただし、合資会社については2名が必要)

発起人が決まったら、定款を作成し、公証人の認証を受けます。
(ただし、公証人の認証が必要なのは株式会社のみとなります)
定款に記載する項目には、絶対記載しなければならない項目(絶対的記載事項)、記載しなければ有効とならない項目(相対的記載事項)、記載することができる項目(任意的記載事項)の3種類があります。

絶対的記載事項(会社法27条) ※株式会社の場合
「事業の目的」、「商号」、「本社所在地」、「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」、「発起人の氏名と住所」

相対的記載事項
「変態設立事項(会社法28条)」、「設立時取締役及び取締役選任についての累積投票廃除(会社法89条、342条)」、「株主名簿管理人(会社法123条)」、「単元株式数(会社法188条1項)」、「株券発行(会社法214条)」、「株主総会、取締役会及び監査役会招集通知期間短縮(会社法299条1項、368条1項、376条2項、392条1項)」、「取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人及び委員会の設置(会社法326条2項)」など

任意的記載事項
「株主総会の開催に関する規定」、「配当金に関する規定」、「役員報酬に関する規定」など
定款の認証は、「紙に印刷した定款に認証を受ける方法」と「電子定款による方法」の2種類がありますが、紙で定款を作成した場合には4万円の印紙税がかかります。(電子定款の場合には不要)

定款の原本は、会社に1部、公証役場に1部が保管されます。
しかし、役所への届出や法人口座の開設などの手続きで定款の謄本やコピーの提出が必要となるため、あらかじめ定款の謄本を2部程度作成しておくと一度の手間で済ますことができます。

法人設立の準備その2・資本金の払込み

会社を設立する際には、資本金を払い込む必要があります。
資本金の払込み手続きの流れは、以下のとおりとなります。
➀ 発起人の個人口座への入金
資本金の元となる出資金を発起人の個人口座に入金します。
もし、発起人が複数人いる場合は発起人総代の銀行口座へ入金します。

なお、現在は、資本金の額は1円以上であればOKです。
この場合の口座は、発起人が現在使用している口座で問題ありません。

なお、発起人が1名の場合には必要ありませんが、複数いる場合にはそれぞれの発起人の氏名が通帳に記載されるように振込みをします。

② 資本金の払い込みを証する通帳コピーの作成
発起人全員による出資金の振り込みが完了したら、資本金の払い込みを証するため、通帳のコピーを作成します。通帳は、「表紙」・「表紙の裏面」、「振り込み金額が記載されたページ」の3ヶ所をコピーします。
なお、この場合には、入金された資本金部分の金額がわかるよう該当箇所をマーカーなどで記しておきます。

また、これより以降の手続きについては、定款認証日よりも後の日付になるように行う必要があります。
③ 払込証明書の作成
次に、以下の内容を記載した払込証明書を作成します。
・払込があった金額の総額
・払込があった株数
・1株の払込金額
・払い込みの日付
・本店所在地
・会社の商号
・代表取締役氏名

④ 払込証明書と通帳コピーのとじ込み
最後に、払込証明書と通帳のコピー(3枚)をあわせて1つにとじ込みます。
この際には、各用紙の境目部分に会社の代表者印を押印します。

以上の手続きが完了したら、これを登記申請書やその他の必要書類とまとめてホチキスで留めて提出します。

法人設立の準備その3・法務局で登記申請

以上の手続きが完了したら、登記申請書に必要な登録免許税分の印紙を貼り付け、他の必要書類とまとめて管轄の法務局へ提出します。
また、この際には代表印の印影を印鑑届書に押印したものも、登記申請書とあわせて法務局へ届け出ます。

なお、登録免許税は、株式会社の場合15万円(資金額に7/1,000を掛けた額が15万円よりも大きい場合にはその額)、合同会社の場合6万円(資金額に7/1,000を掛けた額が6万円よりも大きい場合にはその額)となります。
提出先の法務局は、法人の本店所在地ごとに管轄が決められているため、該当の法務局へ提出します。
このとき提出する先の法務局を間違えると、受け付けてもらえないので注意してください。

登記の申請は「法務局に持参して提出する」、「申請書類を郵送する」、「オンライン申請」の3つの方法があります。
なお、登記の完了までの期間は法務局ごとに異なりますが、およそ1〜2週間以内に手続きが完了します。

ただし、申請内容や書類に間違いがある、不足があるといった場合には、その不備を補正しなければならないため、その分の時間がかかります。
(補正は本人または代理人が法務局に出向いて行う必要があります)
登記が完了した場合には、登記事項証明書を取得することができるようになるため、その内容に間違いがないかを確認します。

登記完了後、税務署に法人設立に係る各種届出を行なう

登記完了後は、管轄の税務署と各都道府県へ「法人設立届出書」を提出しますが、必要に応じて「法人設立届出書」、「青色申告の承認申請」、「給与支払事務所等の開設届出書」の他、社会保険関連の書類を提出します。

金融機関で法人関係の書類を提出、事業用口座の開設を行なう

会社を設立したときには、資本金がまだ代表者の個人通帳に入ったままとなっているため、これを法人の口座へ移し替える必要があります。
もし、この手続きをしないと、正式に会社の資金としてお金の入出金ができないだけでなく、取引をするときにも支障を生じます。

なお、法人の新規口座を開設するには、 1ヶ月ぐらいの時間がかかることもあるため、できるだけ速やかに作成手続きをすることをおすすめします。

独立・開業するためには資金が必要!どこで調達する?

開業時には十分な自己資金がある場合を除き、運転資金等に不足があるときには他から資金を調達する必要があります。
しかし、資金の調達にはそれぞれについて特長があるため、用途や計画にあった調達をするようにしましょう。

自己資金で開業する

自己資金とは、「貯金や預金などといった、自分で準備した資金」のことをいいます。
また、自己資金のなかには、預貯金だけでなく、株式などの有価証券や、自分の財産(車両や什器等)なども含みます。
自己資金が多いほど、他からの借入れが少なくて済むため、その後の返済負担が軽くなり、経営をする上で資金繰りが楽になります。

なお、自己資金が多いほどよい理由としては、次のようなことが上げられます。

① 急に多額の資金が必要となることがあるから
事業を行っているときには、急に多額の資金が必要となることが少なくありません。
代表的な例としては、「売上げが上がらず赤字となってしまった」、「大量に仕入れをする必要が生じた」、「支払いが重なり、予想外の現金が必要となった」などがあります。
しかし、このような場合でも、十分な自己資金があれば、借り入れなどをせずに対応することができます。

② 資金が欲しいと思っても、すぐに調達することができないから
資金繰りが厳しくなって資金が欲しいと思っても、融資を申し込んでお金が振り込まれるまでにはある程度の時間が必要となります。
とくに、はじめての借り入れの場合には 融資を申し込んでから資金が振り込まれるまでに約1ヶ月から1ヶ月半ほどの時間がかかるため、従業員への給与や取引先への支払いの期限に間にあわないということもあります。

③ 借入れが少なくて済むから
自己資金の額が多ければ多いほど借入額を少なくすることができます。
とくに起業時には、すぐに売上げが立ちにくい一方で、支払いは多いため、資金不足となりやすいですが、その際に多額の融資を利用してしまうと、その返済のために資金繰りが苦しくなってしまいます。

しかし、はじめに十分な自己資金があれば「必要以上の借入れ=その後の返済」がなくなるため、資金繰りがスムーズとなります。
以上のように、理想としては、できるだけ自己資金で開業し、不足分を融資などの借入れで賄うということをおすすめします。

銀行・信用金庫・日本政策金融公庫等の融資を借りる

開業時の自己資金で不足する場合の資金調達の方法としては、銀行等からの借入れがあります。
とくに、日本政策金融公庫は、創業者向けの融資制度が数多く取り扱っているため、おすすめできます。

中でも、創業者向けの融資メニューである「新創業融資制度」には、次のような特徴があるため利用しやすいといえます。
・ 開業後2期までの創業者が利用できる。
・ 融資上限額が3,000万円と大きい。(ただし、運転資金については1,500万円が限度)
・ 事業計画書の提出と一定の要件を満たすだけで借り入れができる。
・ 無担保、無保証での借り入れができる。
・ 一定の方の申込みの場合は、創業にかかる経費の1/10の自己資金が必要。

また、日本政策金融公庫だけでなく、銀行や信用金庫からの借入れをすることも可能です。
借り入れといえば、すぐに銀行を思い浮かべるほど、銀行融資は最もポピュラーな資金調達方法の一つですが、銀行等が扱っている融資には、主に「プロパー融資」と「信用保証協会の保証付き融資」(制度融資を含む)の2種類があります。

「プロパー融資」とは、銀行が他の保証機関を利用せず、独自の責任にもとづいて貸し出す融資のことをいいます。
この融資では、企業の倒産や返済の不能といったリスクを銀行側が負わなければならないため、審査もかなり厳しいものとなります。
そのため、創業者などの信用力の低い方については、担保や保証人がなければ、通常はプロパー融資を利用することはできません。

一方、「信用保証協会の保証付き融資」は、国の機関である信用保証協会が公的な保証人となる制度のため、創業者であっても、低金利、無担保・無保証で融資を受けることが可能です。
銀行等からの融資は身近な資金調達方法の一つですが、創業者の方は、日本政策金融公庫や制度融資を利用しない限り、有利な条件で融資を受けるのはかなり難しいといえます。

補助金・助成金等を利用する

補助金とは、事業の実施にかかる経費の一部を国や自治体が補助する制度です。
返還不要の資金のため、これを活用すれば経費の負担を大幅に減らすことができます。

しかし、補助金は「誰もがもらえるものではない」、「事業者がいったん事業資金の全額を立て替える必要がある(補助金の支給は、事業完了後のため)」、「資金を受け取るまでに時間がかかる」という特徴があるため、確実な資金とはいえず、タイミングについてもよく考えて利用する必要があります。

なお、創業者が利用できる補助金や助成金としては、小規模事業者持続化補助金、地域創造的起業補助金、地域中小企業応援ファンドなどがあります。

一方、助成金は、補助金と同様に返還不要で受給できる資金ですが、厚生労働省が行うものについては、一定の要件を満たせば誰でも受給できるという特徴があります。

そのため、補助金と比べると、利用できる確率が高い制度ですが、主に人の採用や雇用の維持、労働環境の整備など目的が限定されていることが多いといえます。

スタートアップ・ベンチャーから出資を受ける

開業したての頃は、銀行のプロパー融資などが受けにくく、また、日本政策金融公庫などの政府系金融機関から受けられる融資額もさほど大きくありません。

そのため、これらの資金で不足する場合には、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルなどからの投資が有力な資金調達方法となります。
しかし、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルでは、これまでの実績よりも今後の成長性に期待して投資を行うため、資金の調達をする際には、事業計画書や収支計画だけでなく、その背景やニーズなどについてもベンチャーキャピタルなどの納得を得られるものでなければなりません。

資金調達時にベンチャーキャピタル等が注視するポイントとしては、以下のようなものがあります。
① 事業への熱意(どれだけ事業に対して強い熱意をもっているか?)
② 事業の社会的なトレンドやニーズ(社会のトレンドやニーズに有っているのか?)
③ 事業の将来性(どれだけ成長できるのか?)
④ 事業の実現可能性(事業を実現するための技術力や人材などは足りているか?)

なお、ベンチャーキャピタル等は、将来の成長を見込んで出資等を行うものです。
そのため、成長性が見込めない場合には資金の返還や事業の売却などを行うこともあります。

また、ケースによっては、高い配当を求められることもあるため、出資を受け入れる場合にはそのリスクも理解しておく必要があります。

起業向けクラウドファンディングを利用する

クラウドファンディングとは、ネットなどを活用して自社の事業を紹介し、資金を集める方法です。
自社の商品やサービスをネットで宣伝し、気に入った方に商品等を購入してもらうというやり方が一般的といえます。

クラウドファンディングでは、一般の消費者がメインの資金調達先となるため、ベンチャーキャピタルで求められるような緻密な計画よりも、新規性や革新的であるということが評価の基準となりやすいといえます。
したがって、最近のトレンドなどを研究して、これまでのビジネスになかったようなアイデアや切り口を提示できるかが調達のポイントです。
ただし、一口あたりの投資額が小さいことから、何千万円もの多くの資金を集めるには不向きといえます。

まとめ

以上のように起業時の手続きや資金調達の方法にはいくつもの種類がありますが、手続きについては開業届や法人の登記のように、それをしなければ事業を始められないものもあるため、自分の状況に応じてあらかじめどのような手続きが必要で、どの程度の時間がかかるかを把握しておく必要があります。

また、資金調達についても、それぞれについてメリット・デメリットがあるので、それらをよく理解した上で、計画的に利用する必要があります。

いずれの場合についても、事業を成功させるためには「どのような仕組みで利益を生み出していくのか?」ということが重要なポイントとなるため、まずは自分の事業プランをシッカリと見直し、それにあった手続きや資金の計画を立てることが必要となります。

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この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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