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中小企業の資金調達は難しい?やり方次第でお金を手にできる方法はいくつも!

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中小企業の資金調達は難しい?やり方次第でお金を手にできる方法はいくつも!
中小企業には資金力が弱いところが多いため、チョットしたミスやトラブルでも資金難となってしまいます。そのようなときに必要となるのが、融資をはじめとした資金調達です。しかし、資金調達の方法には多くの種類があるだけでなく、それぞれごとの特長もあるため、これを理解して正しい利用をしないとかえって資金繰りの悪化を招く可能性もあります。この記事では、中小企業が利用できる資金調達の方法とその特長、有利に活用するための特徴について解説いたします。

なぜ中小企業は資金調達が必要なのか?

「資金調達」とは、企業が経営をする上で必要となる運転資金や設備資金を外部から調達することを意味します。

主に、資金調達が必要となる場面としては、以下のようものがあります。
・ 買掛金や家賃、給与支払いなどの運転資金の調達
・ 生産機械、車両、内外装の改修などの設備資金の調達
・ 既存事業の拡大の場合の資金
・ 企業の合併や買収の際の資金
・ 新規事業を立ち上げた場合のプロジェクト資金

企業がこれらの事業展開をしていく際には、まとまった資金が必要となるため、その資金を賄うためには何らかの方法でその準備をする必要があります。

具体的な資金調達の方法には、以下のようなものがあります。

① 自己資金

自己資金とは、企業が自分で保有している資金のことで、これまでの内部留保などで蓄積してきたキャッシュがその代表的なものとなります。自己資金は、使い道が限定されておらず、利息や配当を支払ったりする必要もないため、最もコストのかからない資金調達方法といえます。
しかし、すぐにまとまった額を用意することが難しい場合が多いことや、必要な額を集めるまでに時間がかかるなどのデメリットがあります。


② 他からの借入れ

銀行などの第三者からの借入れで資金を増やすことを「デッドファイナンス」といいます。デッドファイナンスによる資金調達は、比較的短い時間で調達ができる、企業の実力によっては大きな額の借入れができるなどのメリットがあります。
しかし、利息の支払い義務がある、信用力の低い企業の場合にはまとまった額の借入れが難しい、すぐに返済が始まるためその後の資金繰りを圧迫する要因となる、資金の使い道が限定されているなどのデメリットがあります。

③ 資本金の増強

株式などの発行により、資本金を増やす資金調達の方法を「エクイティファイナンス」といいます。エクイティファイナンスは、返済の必要がない、自己資金と同様に自由に使用することができるなどのメリットがあります。
しかし一方で、企業に信用力がないと資金を集めにくい、配当金の支払いの必要がある、自社持ち株の割合が低下することによって経営権が弱まるリスクがある、一定の資本額を超えた場合には中小企業の優遇措置が使えなくなるなどといったデメリットがあります。

④ 事業の資産や事業の一部を売却する

事業の資産の一部を売却して資金調達する方法を「アセットファイナンス」といいます。アセットファイナンスは、借入れや増資などの方法と比較して、比較的早期に資金を作ることができる、不要な資産を売却し現金化することで総資本回転率を改善することができるなどのメリットがあります。
ただし、事業規模の縮小につながりやすい、その資産から将来的に生み出される利益を失う、タイミングによっては思ったような額で処分できないなどといったデメリットがあります。

いずれにしても、それぞれの方法にはメリットだけでなくデメリットもあるため、企業の状況や使う目的、返済の見込みなどをよく考慮して決定する必要があります。

中小企業の資金調達をめぐる現状と課題

中小企業では、大手企業とは異なる中小企業ならではの問題を抱えていることが多いため、十分な資金調達をしにくい状況にあります。そのため、中小企業が資金調達をする場合には、これらの状況やリスクをよく理解した上で行っていく必要があります。

中小企業の多くは常に資金不足の状況にある

一般的な中小企業では、「絶対的な利益額が少ない」、「利益留保ができていない」、「経営上の変化(社会的な状況の変化や消費者のトレンドなど)に対応しにくい」などの理由から、資金繰りが厳しいところが多く、常に資金不足の状況にあるといえます。
たとえば、通常の商取引においては商品の仕入れのための買掛金の支払いや、従業員の給与などといった支出が先行しますが、それに対応する売上げが発生するのはその後の約1〜2ヶ月後となり、代金の回収ができるのはさらにその1〜2ヶ月後となります。

このように仕入れをしてからその商品が販売され、現金化できるまでには2〜4ヶ月の時間が必要となりますが、この間についても会社は経営していかなければならないためそのための販管費が必要となります。
大手企業であれば、自己資金でこの期間をつなぐことができますが、利益額が低く、自己資金の乏しい中小企業では、少しの期間のズレが生じただけで事業の継続が難しくなってしまいます。

このように中小企業では、常に資金繰りが厳しいことが多いため、資金不足に備えるためには一定額の資金を留保しておく必要があります。

中小企業(含む零細事業者)は銀行融資を受けることが難しい

中小企業では信用力が低いところが多いため、金融機関の借入れも十分にできない場合が少なくありません。

中小企業の資金調達方法の代表的なものとしては、銀行からの融資がありますが、銀行融資には次のような種類があります。
① 日本政策金融公庫などの政府系銀行の融資
② 銀行のプロパー融資
③ 制度融資(信用保証協会付融資を含む)

しかし、いずれの金融機関を利用する場合でも、金融機関側では貸出先の企業ごとにその信用力にもとづく融資額の制限を設けていることから、信用力の低い企業においては、希望する額の融資を受けられないことが少なくありません。

通常、金融機関では、次の計算式にもとづいて返済利益を求め、これにしたがって融資を行います。
(経常利益 + 減価償却額) × 返済月数 = 借入額

たとえば、経常利益が10万円/月、  減価償却額が5万円の企業の場合、返済期間が7年ならば(10万円/月+5万円/月) × 84ヶ月となるため、適正な融資額は1,260万円となります。

しかし、企業の状況によっては、この15万円/月の返済減資を常に確保することが難しいと判断されることもあり、その場合には融資額はさらに低い額となります。
また、仮に1,260万円満額の融資を受けられた場合でも、その後返済が進み、融資の残額がある程度まで減ってからでないと追加融資を受けるのは難しいといえます。

このように中小企業や零細事業者においては、財務基盤や経営基盤が弱く、信用力が低いなどの理由により、継続的に融資を受けることや大きな額の融資を借りにくいという状況があります。

中小企業が融資等による資金調達が難しい理由とは?

中小企業が融資等の資金調達をしにくい理由としては、以下のようなものがあります。

① 経営体制が脆弱である。

中小企業等では、組織の規模が小さく、また、十分な組織体制ができていないことが少なくありません。複数の事務を一人で担当していることもあり、その専門性も高いレベルにあるといえないケースが多いといえます。
そのため、大手企業などと比較して、マンパワーや専門性の欠如、事業の推進力が劣ることがあり、少しのアクシデントなどで事業が破綻してしまうリスクがあります。また、コンプライアンスの徹底や遵守などができていないことも多く、リスクが高い経営体質となっています。

② 資本金が少ないなどのため財務基盤が弱い

大手企業などでは、比較的高い利益率にもとづき、潤沢な内部留保をしているのが一般的です。そのため、多少の予定外の支出などにも対応できるだけでなく、大きな事業をする場合にもその多くの部分を自己資金で賄うことができます。

しかし、中小企業等においては、内部留保が少ないことから、経営にかかるコストの多くを借入れで賄う必要があり、そのため少しの情勢の変化や予定外の支出に対してもこれに対応するのが難しくなります。また、大きな規模のプロジェクトや新規事業を行う場合などにも、その資金の大半を借入れなどに頼らざるを得ないことから、その後、高い利息の支払いなどにより資金繰りが厳しくなりやすくなります。
さらに、中小企業等では、正規の会計規則にのっとった経理処理や帳簿の作成を行っていないことが多く、実質的な財務内容がわかりにくいなどということも、財務基盤が弱いとみられる一因となっています。

③ 代表者のみに経営判断をゆだねている
大手企業では、専門部署が設けられており、それぞれのエキスパートが事業の運用や課題の解決にあたる他、重要な項目については取締役会などの合議の上で決定がされます。
しかし、中小企業においては、戦略を考えて最終的な判断をするのがすべて経営者のみというケースが少なくなく、その他の人間の意見が経営に反映されにくい状況となっています。そのため、判断のプロセスや決定が独善的なものとなりやすく、本来、考慮すべきリスクに気づかない、もしくはリスクをリスクと思わずに判断をしてしまうということになりやすくなります。

④ 中小企業では、所有と経営の分離ができていない
上場企業などにおいては、所有(オーナー)と経営(経営者)が分離しているため、経営者は個人的な担保を提供せずに経営に専念することができます。
一方、中小企業等では、所有と経営の分離ができておらず、両者が一体となっていることから、代表者個人についても連帯保証をさせるのが一般的となっています。そのため金融機関では、中小企業への融資額が代表者の保証能力を超えてしまうようなケースや経営内容に問題があると判断した場合は、それ以上の融資を控える傾向にあります。

中小企業には以上のような要因があることから、大手企業や上場企業と比べて資金調達がしにくい状況となっています。

中小企業の資金調達方法

中小企業が行うことのできる資金調達の方法としては、次のようなものがあります

中小企業の資金調達方法 ①株式発行

中小企業のうち法人では、新たに株式を発行し、それを引き受けてもらうという方法で資金を調達することができます。このように追加で株式を発行することを「新株発行」といいます。

新株発行には、次の3つの種類があります。
・ 株主割当
既存の株主に対して新たに株式を割り当てるケース
・ 第三者割当
特定の第三者に対して新たに株式を割り当てるケース
・ 公募発行
一般投資家を公募して新たに株式を割り当てるケース

いずれにしても株式発行による資金調達のケースでは、金融機関から融資を受けた場合のような元金や利息の返済義務がないため、低コストで資金繰り的にも有利な資金調達をすることができます。
また、新株予約権を有償で発行する場合には、オプション料を取得できるため、より迅速な資金調達が可能となります。
ただし、新株発行をした場合には、それにより一株あたりの株価が低下してしまう可能性があるため、将来的な資金調達が困難になる、既存株主からの信頼が低下するといったリスクもあることに注意が必要です。

中小企業の資金調達方法 ②手持ち資産の売却による現金化

企業が不動産や株式などの有価証券を所有している場合には、これを売却することより、現金や自己資金を増やすことができます。
ただし、不動産の売却にはある程度の時間がかかる、実際に売れるタイミングがわからないといった特徴があるため、資金調達が必要なときに最適なタイミングで現金化できない可能性がある他、売却した不動産が重要度の高いものである場合には、その後の生産力等が低下するなどといったリスクがあります。

また、株式についても、売却の時期により売買価格が変動する、上場企業の株式でない場合には売却が困難であるなどといったリスクがあります。

中小企業の資金調達方法 ③銀行・信用金庫等から融資を借りる

「銀行」は、銀行法により設立された金融機関で、その規模により「都市銀行」と「地方銀行」に分類されます。
「都市銀行」が全国地域を対象とした営業を行っているのに対し、「地方銀行」では都道府県単位での比較的狭いエリアを営業範囲としているところに主な違いがあります。

また、銀行は、基本的にターゲットとする利用者を大手企業としているため、中小企業や零細企業に対する支援に積極的でないところも多く、融資を申し込んで断られる、きめの細かい支援を受けにくいといった傾向があります。

一方、「信用金庫」は、信用金庫法により設立された地域金融機関です。信用金庫には、「相互扶助を目的とした協同組織である」、「地域内における中小・零細企業を対象としている」、「融資は原則として組合員に対して行われる」などといった特徴があります。
信用金庫には創業者や中小企業向けの融資に力を入れているところが多く、融資の規模も数百万~1,000万円程度の額を得意としています。また、規模としても中小企業等とマッチするため、中小企業がメインで利用する金融機関としておすすめできます。

中小企業の資金調達方法 ④政府系金融機関から融資を借りる

政府系金融機関にはいくつもの種類がありますが、中小企業が通常の営業資金を調達するうえで、最もおすすめできるのが日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫は創業者や中小企業の資金繰りをサポートする目的で設立された政府の金融機関のため、中小企業や個人事業主であっても、有利な条件で借り入れをすることができます。

また、日本政策金融公庫では、無担保無保証の融資を数多く扱っており、次のような制度は多くの中小企業が利用することができます。

「新創業融資制度」(創業者向け)

・ 融資限度額  3,000万円
 (うち運転資金については1,500万円が限度)
・ 返済期間 各融資制度に定める返済期間以内
・ 利 率   
 2.36%~2.85%(令和3年12月現在)
・ 担保・保証人 原則不要。
なお、法人がこの制度を利用して借り入れをする場合には、代表者個人には責任が及ばないものとなっています。

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」(創業者の場合)

・融資限度額    8,000万円
・利 率        基準利率。
ただし、6,000万円を限度として融資後3年目までは基準利率 -0.9%4年目以降は基準利率    
・返済期間     
 設備資金 20年以内(うち据置期間5年以内)
 運転資金 15年以内(うち据置期間5年以内)
・担保保証     無担保
「担保を不要とする融資」(中小企業向け)
・融資限度額  4,800万円
・返済期間 各融資制度に定めるご返済期間以内
・利率(年) 2.06%~2.55%※2021.12現在
・担保   無担保 
・保証人   
法人については代表者の方のみ、個人営業の方ついては不要

中小企業の資金調達方法 ⑤補助金・助成金を利用する

補助金は、国や地方自治体が一定の企業に対し、事業を行うために必要となる費用の一部を補助するものです。その主な特徴は、希望する企業のすべてに補助を行うわけではなく、一定の要件や審査に合格した企業に対してのみ補助をするということにあります。
補助金は、返還不要の資金のため、中小企業などではぜひ積極的に利用したい資金調達方法です。
しかし、「誰もが採択されるわけではない」、「事業を完了させられるだけの自己資金が必要」、「申請に時間がかかる」などの特徴があるため、目先の資金繰りに利用することはできません。

助成金は、補助金と同様、企業が行う一定の事業に対してその費用を助成するものです。通常、厚生労働省が行うものが「助成金」、それ以外が行うものが「補助金」とされていますが、法律上の明確な定義はなく、両者が混同して使われている状況です。
なお、「補助金」が事業の種類を問わず幅広く行われているのに対して、「助成金」は主に労働者の雇用や環境維持、育成に関して支給されるものが多いというところに違いがあります。
また、厚生労働省の助成金は、補助金とは異なり、一定の要件を満たせる場合にはほぼ確実に受給できるという特徴があります。そのため、計画的に利用すれば中小企業の方であっても使いやすい資金調達方法といえます。

中小企業の資金調達方法 ⑥地方自治体あっせんの制度融資を借りる

「制度融資」とは、都道府県や市町村などの自治体と金融機関、および信用保証協会の3者が協調して行っている融資制度です。それぞれの役割としては、自治体が制度の設計をし、金融機関は融資を行い、信用保証協会は公的な保証人となります。

制度融資は、利用の条件や金利、貸付期間などが一律に定められた、いわばパッケージ商品のようなものです、そのため、基本的な条件を満たせる方であれば、中小企業であっても簡単に利用できるという特長があります。また、自治体によっては金利の減免や信用保証料の免除などといった優遇を行っているところもあります。
ただし、この制度融資は、これを運営する自治体ごとに制度の中身や条件が異なるため、利用にあたってはその内容をよく確認する必要があります。

中小企業の資金調達方法 ⑦ノンバンク等のビジネスローンを借りる

ビジネスローンとは、法人や個人事業主を対象とした事業資金のための融資です。銀行の他にも消費者金融、信販・クレジットカード会社などが行っています。ビジネスローンは事業資金向けの融資のため個人事業主でも利用できますが、事業を営んでいない方は利用することができません。

ビジネスローンのメリット・デメリットとしては、次のようなものがあります。

ビジネスローンのメリット

・インターネットで申込みができるため、手軽に利用できる。
・銀行融資と比べて融資の審査が緩い。
・融資が出るまでの期間が即日〜5営業日と短い。
・総量規制の対象にならない。
・原則、担保や保証人が不要。
・限度額内であれば何度も借入れ、返済を繰り返せる。

ビジネスローンのデメリット

・金利が高い(年14%〜が主流)。
・事業資金以外には利用できない。
・銀行融資などと比べて、利用できる限度額が低い。

ビジネスローンには以上のような特長があるため、多額の利用をすると資金繰りを悪化させる原因となります。したがって、利用する場合にはあらかじめ金額の限度を決めて、一時的なつなぎして使うことをおすすめします。

中小企業の資金調達方法 ⑧ファクタリングを利用する

「ファクタリング」とは、利用者が保有する売掛金(=売掛債権)をファクタリング業者に譲渡・売却することで、売掛金の入金日を待たずに資金調達ができるサービスです。

ファクタリングの利用には、以下のようなメリットがあります。
・銀行の融資と比べると短時間での資金調達が可能。
・借入れではなく債権(売掛金)の譲渡・売却のため負債にならず、決算書のオフバランスの改善に役立つ。
・売掛先の会社の与信にもとづいて審査をするため、利用者の会社の与信や財務状況が悪い場合でも利用できる。
・金融機関の融資では難しい、赤字決算・債務超過・税金滞納が多い・銀行リスケ中・などの企業でも利用できる。
 ただし、その反面、次のようなデメリットもあります。
・手数料が高い。
 (年利換算で、実質手数料120〜360%)
・売掛金の額面以上の利用はできない。
・債権譲渡登記が必要な場合、そのための手数料がかかる。
・売掛先の企業に対してファクタリングをした事実がばれる可能性がある。

なお、ファクタリングは融資ではないため利息制限法による金利を超えて手数料を設定することができます。そのため、手数料ベースで計算した場合には、年利100%を超えるケースも少なくありません。また、売掛先に対しファクタリングの利用を通知された場合や、売掛先が債権譲渡登記の存在に気づいた場合には、その後の取引に支障をきたす可能性があります。 
このようにファクタリングには、便利に利用できる半面、高額の手数料がかかることや、取引先にその利用が漏れる可能性があるため、通常の資金の調達手段とはせずに、一時的かつ限定的な利用にとどめることをおすすめします。

中小企業の資金調達方法 ⑨クラウドファンディングを利用する

「クラウドファンディング」とは、インターネットを通じ経営の趣旨や考え方に賛同した人から資金を集める方法で、「Crowd(群衆)」と「Funding(資金調達)」が語源となっています。

クラウドファンディングによる資金調達では、自社の商品やサービスを購入してもらうという方法が一般的ですが、最近では出資を利用した支援なども行われています。 クラウドファンディングによる資金調達には、実際にやってみないといくらの金額が集まるのかがわからないという不確実な要素はありますが、一方で、早い時期に資金と見込み客を集めることができる、着手しやすいなどといった特徴があります。

中小企業が資金不足に陥らないための方法とは?

中小企業は財務基盤がぜい弱なことが多いため、経営をする際には以下のようなことに注意し、資金不足とならないよう注意する必要があります。

事業の利益から自己資本を増やす

中小企業にとって、最もリスクの少ない資金調達方法は「自己資金の利用」です。
法人の場合、売上げから原価やさまざまな経費、税金を差し引いた最終的な利益が「税引き後利益」となりますが、この税引き後利益は決算が終了した時点で、貸借対照表の「剰余金」へと振替えられます。
この剰余金は、資本金と同じように企業が自由に利用できる資金であり、これが多いほど自己資金が増えることとなります。ただし、企業が赤字を出した場合には、その分、剰余金が減ってしまうため、経営が好調な時にできるだけこの剰余金を積み増しする必要があります。
なお、剰余金が大きい会社は、金融機関からの格付けの評価も高くなるため、より融資が受けやすい会社となることができます。

適切に資金繰り計画を立てる


企業にとって利益と同様に重要なのが、「キャッシュ」です。
利益は決算書や試算表などでこれを把握することができますが、これらではキャッシュの動きを知ることができないため、これを把握するには資金繰り表を作成する必要があります。
資金繰り表を作成することで、次のようなメリットが得られます。

① 将来の収支を予測できる

資金繰り表は、将来の収支の管理に役立ちます。資金繰りを予想することで資金ショートが起こるタイミングを把握できるため、それに向けて売掛金の現金化や銀行からの融資などといった資金調達の対策がしやすくなります。

② 資金繰りや経営の悪化の分析に役立つ

資金繰りの実績を分析することで、資金の流れや経営悪化の原因を特定することができます。資金繰りの悪化は一つの要因だけでなく、複数の原因によって引き起こされていることもありますが、いずれにして根本的な原因を発見しなければ解決が難しい場合が少なくありません。
しかし、資金繰り表の内容を分析し、原因を特定することで、早期に具体的な改善策を立てることが可能となります。

③ 経営者の資金管理力が向上する

経営者自らが資金繰り表の作成やその内容を理解することで、在庫管理の改善や売掛金の回収などといったより効果的な指示ができようになるとともに、経営者本人の資金管理力の向上が期待できます。
以上のように、経営をする上で、キャッシュは非常に重要なものとなります。もし、キャッシュがなければどんなに利益が出ていても、最悪、企業は倒産してしまいます。そうならないためにも、定期的にキャッシュの出入りや今後の支出をあらかじめ計画し、必要な時に必要な分のキャッシュを確保しておくことが重要となります。

日常プロセスや財務内容を見直し無駄なコストを省く

中小企業が健全な経営をしていく上では、適切な「コスト管理」が欠かせません。
原価や販管費などのコストを削減することにより、経営がスムーズに行くとともに、同じ売上げでもより多くの利益やキャッシュを残すことができます。 

コスト削減の方法としては、以下のようなものがあります。
・販売や製造原価の見直し
 (仕入れ原料などの引き下げや、仕入れ先の変更など)
・家賃の見直し
 (無駄に高い家賃を支払っていないか?、テレワークなどによりもっと人件費やその他の経費を抑えられないか?など)
・交際費や会議費の削減
・業務プロセスの見直し
 (ムダな部分を改善して、より効率的な運用ができないか?)
・人件費の見直し
(生産性に見合った賃金体系となっているか?、余剰な人員はないか?)
とくに原価の引き下げは、他の対策と比べて効果が高く、また、財務内容の改善効果も大きいため、はずはじめに見直しをしたい箇所となります。

複数の資金調達先を確保しておく

中小企業では、1〜2行の金融機関をメインの資金調達先としていることが少なくありませんが、資金調達先が限定されている場合には次のようなデメリットが生じます。

① 資金調達の額が制限されやすい

たとえば、メインの資金調達先が特定の金融機関1行に限られている場合には、借入れをするたびその金融機関における与信枠が少なくなります。
与信枠とは、特定の金融機関が企業に対してあらかじめ設定する貸し出し額の枠をいいますが、これには限度があるため、借入額が膨らむほど利用できる枠が少なくなります。
しかし、融資を受ける金融機関を増やすことで、この与信枠を増やすことができるため、一行だけで取引をしている時よりも大きな額の融資を利用しやすくなります。

② すべての財務内容が把握される結果、不利な立場となりやすい

特定の金融機関のみと取引をしている場合には、その企業の預金額や負債額、利益などといった財務情報をすべて把握されてしまうこととなります。そのため、その後の取引において企業側が不利な立場となりやすくなります。

③ 金利や条件の交渉ができない

取引先の金融機関が限定されている場合には、金利の見直しやその他の条件についての交渉ができなくなってしまいます。しかし、もし、複数の金融機関からの融資が可能な場合には、お互いに条件を競わせるなどの方法により、より有利な条件で交渉することが可能となります。
また、金融機関に限らず、それ以外の資金調達方法を確保しておくといったことも重要です。例えば、中小企業であっても社債の発行をすることは可能ですし、クラウドファンディグなどでは資金調達だけでなく、新商品を販売し、見込み客の反応を見るなどといった使いかたをすることもできます。

まとめ

中小企業は、財務力が弱く、信用力も高くないため、安定した資金調達や適切な資金繰りができるかどうかは、企業の存続を左右する課題といっても過言ではありません。
中小企業が利用する資金調達の方法は銀行融資がそのほとんどとなりますが、それ以外にも増資や社債の発行、補助金の利用などといった方法も検討が可能です。このように一つだけでなく多くの方法を活用すれば、さらに資金調達の可能性を増やすことができます。
しかし、資金調達にはそれぞれの方法ごとの特長があるため、それを把握した上で適切に利用することが重要となります。

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この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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