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運転資金を融資で借り入れたい!適切な借入の目安や金利、融資期間等を解説

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皆さんの中には、事業のために運転資金の借入れをされている方も少なくないと思います。 運転資金には、いくつかの種類があり、借入をする際の理由や用途がそれぞれで異なります。 そのため、その内容を理解できていない、借り方を間違っている場合には、融資の借入れなどで思わぬ不利となってしまうこともあります。この記事では、運転資金の概要や必要な額の目安などについて解説します。

運転資金とは?

ここでは、運転資金とはどのようなものや、その種類や特徴について説明いたします。


そもそも運転資金とは?

 運転資金とは、「企業が通常の営業をしていく上で必要となる資金」のことをいいます。

家賃や買掛金、給与などの支払いに必要となる資金などがその代表的なものとなります。

 しかし、運転資金には、使い道に応じていくつもの種類があるため、それぞれの内容や他との違いを理解することが、運転資金を活用や借りやすくするためのポイントとなります。


運転資金の種類


① 経常運転資金

 経常運転資金とは、「所要運転資金」または「正常運転資金」とも呼ばれます。

事務所の家賃や人件費、仕入代金、光熱費など、事業を行う上で必要となる費用は、設備資金を除きすべて経常運転資金に該当します。


 経常運転資金は、事業を継続するうえで欠かすことのできない支払いに必要となるため、この資金が不足する場合には、資金繰りの厳しい状況となってしまいます。

 したがって、経常運転資金については、常にその過不足を確認し、もし、不足が見込まれる場合には、早めに資金を集める対策手をすることが重要となります。


② 増加運転資金

 増加運転資金とは、売上高の増加にともない追加で必要となる資金を意味します。

例えば、仕入値4,000円で月平均100個売れる商品があった場合、通常ならば月40万円の資金があれば足りますが、急に250個の注文が入った場合には、2.5倍の100万円の仕入れ資金が必要となります。


 そのため、その月については通常の月と比較して60万円分(100万円-40万円=60万円)の資金が不足するため、この分の資金を調達しなければなりません。

 もし、注文時に代金をすべて現金でもらえるならば問題はありませんが、仕入れ代金の支払いが1ヶ月後に対して、販売代金の入金が2ヶ月後となっているときには、2ヶ月を待たなければ代金が入金されないため、2ヶ月分の仕入れ200万円(100万円×2ヶ月)を立て替える必要があります。


 このように、売上げが急激に増えるようなケースでは、仕入れ代金もそれに合わせて増加することとなりますが、通常は、代金の入金よりも支払いのタイミングの方が早く来るため、売上げが回収できるまでの仕入れ資金 = 増加運転資金の調達が必要となります。


③ 減少運転資金

 減少運転資金とは、事業の売上げが減少しているときに、家賃や人件費などの固定費の穴埋めをするために必要となる資金です。


 普段は問題なく経営ができているときでも、突発的な原因による売上げの減少が生じた場合には、経営が回復するまで手持ちの資金で対応することが難しくなってしまいます。そのため、このような場合には、追加の運転資金として減少運転資金の借入れをする必要が生じます。


④ 季節性運転資金

 事業において、季節性のある商品を取り扱っている場合には、その仕入れに対応するため特定の時期に運転資金の需要が増加することがあります。これを「季節性資金」といいます。


 季節性のある商品としては、たとえば「冬物の衣料品」や「夏季の冷房器具」などがありますが、いずれにしても通常の月よりも多額の仕入れが必要となるため、これに対応した資金の手当てが必要となります。


必要運転資金の計算方法

 「必要運転資金(経常運転資金)」は、企業が事業をする上で、経常的に必要とする運転資金のことをいいますが、これは以下の方法により計算することができます。


経常運転資金の計算式

 売上債権(売掛金+受取手形+棚卸資産)+前渡金-買掛債務(買掛金+支払手形)


 実際の取引では、以下の簡略化した計算式を使うこともあります。

  経常運転資金=売掛金+在庫-買掛金


 企業にとって、棚卸資産とはお金を寝かせているのと同じであり、また、売上債権については顧客に支払いを待ってあげているという状態となります。これに対して、仕入債務については自分が支払いを待ってもらっているものとなります。


 そのため、通常の経営を行う上では、売上債権(支払いを待ってあげている、もしくはまだ現金化できない資金)と買掛債務(支払いを待ってもらっている資金)の差額が生じますが、この差額分だけ資金が不足することとなります。


 したがって、スムーズに経営をしていくためには常にこの差額分の資金を確保しておく必要がありますが、何らかの原因でこの差額が大きくなるような場合には、さらにキャッシュか不足しやすくなります。


売上債権

・売上債権とは売掛金や受取手形などのことを意味します。

・売掛金とは、本来は現金でもらうところを、一定の期日まで顧客の支払いを待っている請求権の一種です。

・受取手形とは、販売先から現金の支払いの代わりに受け取った手形のことをいいます。

売上債権は、経常運転資金や資金繰りに影響を及ぼしますので、適切に売掛金の回収や手形の資金化をしないと現金不足を引き起こします。


棚卸資産

・棚卸資産とは、販売目的で企業が保有している資産で、いわゆる在庫のことです。商品や原材料、仕掛品などがこれに該当します。

 棚卸資産は、スムーズに販売されれば売上げにつながりますが、何らかの理由で販売できない、もしくは販売までの期間が長くなるなどの場合には、不良在庫として資金繰りを圧迫する要因となります。


買掛債務

・買掛債務とは、買掛金や支払手形などがこれに該当します。

・買掛金とは、本来は現金で支払うべきところを、一定の期日まで仕入先に支払いを待ってもらっている負債の一種です。いわばツケ払いと同じです。

・支払手形とは、仕入先に対して、現金払いの代わりに自社が振り出した手形のことをいいます。

 買掛金も資金繰りに影響を与えるため、金額が多額とならないよう管理する必要があります。


運転資金が無理なく借りられる目安ってどれぐらい?


 運転資金が無理なく借りられる目安がどのくらいかを考える場合、「どのくらいの返済余力がその企業にあるのか?」という点からこれを考える必要があります。


金融機関が融資額を算定する場合には、以下の式をベースにして妥当な額を考えます。

 {経常利益(または当期純利益) + 減価償却費} × 返済期間


 経常利益とは、「売上-原価-販管費+経常収益-経常費用」により、計算される利益です。


 このうち販管費については家賃、給与、光熱費などが、経常収益については受取利息や配当金が、経常費用については支払利息などが、それぞれ該当します。

 また、当期純利益とは、「経常利益+特別利益(除却益など)-特別損失(除却損など)-税金額」により計算される利益です。

 なお、計算の際に経常利益を使うか、当期純利益を使うかは、金融機関によって異なります。


 たとえば経常利益が350万円/年、減価償却費150万円/年の企業の場合、合計の返済原資は500万円/年となります。そのため、この企業が5年で返済する予定で融資を借りる場合の限度額は500万円×5年=2,500万円が妥当ということになります。

 しかし、この企業にすでに500万円の借入れがある場合には、大雑把とはなりますが2,500万円-500万円となることから、返済力から見た場合の妥当な借入額は2,000万円ということになります。


 このようにその企業がどの程度まで借入れができるかは、企業の返済原資額がどの程度あるかということにより決まります。


 とはいえ、返済原資の額はあくまでも借入れをする時点での額であり、経営状況によってその後変化することもあります。そのため、返済力が増えた場合にはさらに大きな額の借入れが可能となりますが、逆に返済力が下がった場合にはそれにあわせて借入可能額も低くなることとなります。



運転資金を借りた場合の金利の相場、融資期間

 運転資金を借りた場合には、元金に対して一定の利息が発生しますが、その際の金利は融資の種類によって変わります。また、金利の種類は大きくわけて「固定金利」と「変動金利」の2種類があり、融資ごとにどちらかを適用するかが決まっています。


金利の種類


① 固定金利

 固定金利とは、初回~終了までの間、同じ利率が適用されるタイプの金利をいいます。日本政策金融公庫では、ほとんどの融資がこのタイプの金利となります。固定金利は、返済途中における金利変動の影響をうけませんが、高い時期のタイミングで借りてしまうとずっとその金利が適用されることとなります。


② 変動金利

 変動金利とは、一定の期間ごとに利率を見直すタイプの金利をいいます。日本政策金融公庫では、「創業支援貸付利率特例制度」など一部の融資がこれに該当します。変動金利は、その時の情勢にあわせて金利の切り替えができますが、借りる側にとっては返済の計画が立てにくいという面があります。


日本政策金融公庫の金利の相場


 日本政策金融公庫の代表的な融資の金利は、次の通りとなっています。

※以下金利、は令和3年12月現在のもの

なお、具体的な金利は、定められた範囲の中で申込人の状況に応じて決定されます。


・担保を不要とする融資

 基準金利 2.06~2.55%  特別金利A 1.66~2.15%  特別金利B 1.41~1.90%

・新創業融資制度

 基準金利 2.36~2.85%  特別金利A 1.96~2.45%  特別金利B 1.71~2.20%

・担保を提供する融資

 基準金利 1.06~2.15%  特別金利A 0.66~1.75%  特別金利B 0.41~1.50%

・経営者の保証を不要とする融資(「経営者保証免除特例制度」など)

 ベースとして利用する融資制度の利率に0.2%を上乗せしたもの

・挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)

 毎年の業績に応じた利率が適用。ただし、一部の融資については、十分な担保を提供する場合には上乗せ不要。

・マル経融資

 特別金利F 1.21%

・災害貸付、東日本大震災復興特別貸付(震災セーフティネット関連を除く)、令和元年台風第19号等特別貸付、新型コロナウイルス    特別貸付、令和2年7月豪雨特別貸付

 基準金利 1.21~1.70%  特別金利A 0.81~1.30%  特別金利B 0.56~1.05%

 ※特別金利については、最大A~Uまでの分類がされています。


金利決定の要因


 日本政策金融公庫では、主に以下の要因にもとづいて金利を決定しています。


① 融資の種類

 日本政策金融公庫では、融資の種類により、ある程度適用される金利が決まっています。通常は基準金利が適用されますが、マル経融資のように特別金利が適用されるものもあります。


② 特別な条件の有無

 日本政策金融公庫の融資では、一定の要件を満たせるときには、金利が低くなる場合があります。例えば、女性、若者/シニア起業家支援資金の場合は、通常は特別利率Aが適用されますが、技術・ノウハウ等に新規性がみられる方については特別利率A・B・Cのいずれかが適用されます。


③ 担保・保証人の有無

 日本政策金融公庫の融資では、原則として、担保または保証人が必要です。ただし、新創業融資制度や担保を不要とする融資制度などを利用する場合には、無担保・無保証で融資を利用することができます。しかし、この場合は、担保や保証を用意する場合より、金利が高くなります。


④ 申込額や返済期間の長さ

 融資の金利は、申込額や返済期間の長さによっても影響をうけます。一般的には、申込額が多い、返済期間が長いほど金利はその分高くなります。


⑤ 借主の信用力

 金利は以上の要因の他、借主の信用力によっても変わります。信用力が高いほど低い金利が適用されますが、この信用力はこれまでの返済実績や債務者区分※などを参考に決定されます。※「債務者区分」とは、金融庁が決めた借入れをしている企業のランクを財務内容にもとづいて定めたもの。


日本政策金融公庫の返済期間


日本政策金融公庫の代表的な融資の返済期間には、以下のようなものがあります。


「一般貸付」

 5年以内(特に必要な場合7年以内)<うち据置期間1年以内>

「新規開業資金」  

 7年以内<うち据置期間2年以内>

「女性、若者/シニア起業家支援資金」  

 7年以内<うち据置期間2年以内>

「新事業活動促進資金」  

 7年以内<うち据置期間2年以内>

「中小企業経営力強化資金」  

 7年以内<うち据置期間2年以内>

「企業活力強化資金」  

 7年以内<うち据置期間2年以内>

「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付」  

 5年1ヵ月、7年、10年、15年、20年のいずれかで期限一括返済

「マル経融資」  

 7年以内<うち据置期間1年以内>

「新創業融資制度」  

 各融資制度に定めるご返済期間以内

「担保を不要とする融資」 

 各融資制度に定めるご返済期間以内



運針資金を借りる場合に注意したい点


目的外の資金に借りた運転資金に使うと金融機関から信用をなくすので注意

 金融機関から融資を受けるときには、必ずその資金使途を明らかにして申し込む必要があります。主な資金使途の区分は「設備資金か?」、「運転資金か?」となりますが、さらに具体的な使い方も明らかにする必要があります。(車両の購入費とか、◯ヶ分の仕入れ代金など)

とくに設備資金については、購入する予定の設備の見積書を求められるのが一般的です。


 融資の判断をする際には、「この何に使うのか?」ということは、非常に重要な要素となります。融資の申込みをする方の中には、この資金使途を軽く考え、「金額のつじつまが合っていれば、どちらで使っても大きな問題にはならないだろう」と考えている人がいますが、それは大間違いです。


 よくあるのが、設備資金で借りた資金を運転資金として使ってしまったというケースですが、もし、これが金融機関にばれた場合には重大な約束違反として、その分の資金の返還を求められるだけでなく、その後の金融機関からの信用を大きく落とすこととなります。

 また、日本政策金融公庫では現物の有無のチェックをしないからわからないだろうと考えている方もいますが、設備資金は原則として減価償却が必要な資産となります。そのため、融資したはずの資産が決算書の減価償却の明細に出ていなければ、その設備を購入しなかったことがすぐにばれてしまいます。また、これは年額の減価償却額の増減の推移をみることでも、ある程度分かります。


 このようにすぐにはばれないとしても、その後の決算書やその他の資料により、このような不正は見抜かれてしまうため、くれぐれも資金使途違反の使いかたをしないよう注意が必要です。


短期で借りるか、長期で借りるか、きちんと返済財源を見極めて借りる

 融資の借入れで、悩むことが多いのが「返済期間をどのくらいの長さにすればよいか?」ということです。短い期間の場合には毎月の返済額が大きくなりますし、逆に長すぎる場合は1ヶ月あたりの返済額は少なくなるものの、支払い期間が長期となります。 


 適切な返済期間を決めるには、まずはどのくらいの利益を上げられるかを正確に予想することが必要となります。金融機関では、次の式により返済期間を考えます。

 融資額 / (経常利益+減価償却費)


 たとえば、融資額が600万円の場合、予想される経常利益が100万円/年、減価償却費が20万円/年の場合は、600万円÷120万円=5となるため5年が妥当と判断します。


 このように、適切な返済期間を何年にすればよいかについては、いくらくらいの利益を生み出せる計画になっているかということから計算することができます。むやみに長い期間やむりな短い期間で申込んだ場合には、金融機関に認めてもらいにくくなるため、返済期間の設定に困った場合には、この考えを使って算定することをおすすめします。


借りすぎに注意!多めに借りすぎても金利負担が増える、財務体力を落とす

 借入額が多い場合には、その分、金利の支払い額が大きくなるだけでなく、返済期間も長くなるため、総額で支払う金利の額も増加します。


 たとえば、500万円を年利2.5%、60回払いの条件で返済する場合の利息の支払総額は324,179円となりますが、同じ条件で返済額が800万円の場合には518,705円となります。

 また、借入額が大きくなる場合には、1年間で支払える返済力に限界が生じるため、これを回避するために返済期間が長くなりやすくなりますが、仮に800万円を先の条件により7年で返済する場合には、利息の支払総額は741,550円とかなり大きくなります。


 このように多額の借入れをした場合には、当面の資金繰りは楽になりますが、その分元金や利息の支払い額が大きくなり、返済期間も長くため、徐々に企業の財務体力を削っていくこととなります。そのため、自社の体力以上の借入れができるような場合でも、その後の返済のことも考え、できるだけ必要分だけを借りるようにした方が、その後の負担が少なくなります。



運転資金の融資が借り入れできる金融機関は?

 運転資金の不足が見込まれる場合は、何らかの方法でその不足分の資金を調達する必要があります。資金の調達方法には、いくつかの種類がありますが、ここでは最も一般的な方法について解説いたします。


調達方法① プロパー融資

 プロパー融資とは、銀行が信用保証協会などの保証を使わすに、独自の責任にもとづいて貸し出しをする融資のことをいいます。


 プロパー融資は、融資をした債務者が万が一返済できなくなった場合には、信用保証機関からの補填を受けられないため、金融機関にとってはリスクの高い貸し出しとなります。

 そのため、通常は、高い信用や実績のある企業でないと、プロパー融資を利用することはできません。このように、プロパー融資はかなりハードルの高い調達方法といえます。


 プロパー融資を利用するためには、決算書の内容がある程度以上よいことや、その金融機関と一定年数以上の取引があること普段から一定額以上の預金残高や定期残高があることこれまでの取引で問題がなかったことなど、金融機関ごとに定められた基準をクリアーする必要があります。

 なお、プロパー融資は金利が比較的高く、返済期間も短い場合が多いため、計画的に利用する必要があります。


調達方法② 日本政策金融公庫融資

 日本政策金融公庫は、政府が100%出資する政府系金融機関です。

 中小企業の資金繰りを支援することを目的に設立されており、日本政策金融公庫の融資は中小企業が利用しやすい資金調達方法の一つです。また、資金力や信用力の低い中小企業や創業者であっても、比較的簡単な条件で利用できるという特徴があります。


 なお、日本政策金融公庫の借入れでは、はじめての取引から無担保無保証の融資を利用することができるというのも大きな魅力です。無担保無保証で利用できる融資としては、次のようなものがあります。


新創業融資制度(創業者向け)

 「新創業融資制度」とは、創業前または創業後税務申告を2期終えるまでの方が利用できる創業者向けの融資制度です。最大3,000万円までの借入れが可能・長期返済・低金利という特徴があるため、多くの創業者に利用されています。 主な概要は以下のとおりとなります。 

 融資限度額  3,000万円

       (うち運転資金1,500万円)

 返済期間  各融資制度に定めるご返済期間以内

 利率(年) 2.36%~2.85%(令和3年12月現在)

 担保・保証人  原則不要 

とくに法人でこの融資を利用する場合には、代表者が連帯保証人にならなくともよいという大きなメリットがあります。


担保を不要とする融資(一般企業向け)

 「担保を不要とする融資」は、日本政策金融公庫の国民生活事業で取り扱っている、担保(不動産、有価証券等)などの提供をせずに借入れができる融資制度です。以前は、「第三者保証人を不要とする融資制度」という名称でしたが、最近、変更されました。この融資の対象となるのは、通常の中小企業であり、創業融資の対象となる方は原則として利用できません。


利用条件税務申告を2期以上行っている方

 融資限度額  4,800万円

 ご返済期間  各融資制度に定めるご返済期間以内

 利率(年)  2.06%~2.55%

        (令和3年12月現在)

 担保・無担保

 保証人・法人営業の方・・・代表者の方のみ※

      個人営業の方・・・不要

※ ただし、実質的な経営権を有する方(筆頭株主、共同経営者、事業を一緒に行っている配偶者など)は、保証を依頼される場合があります。


その他       

 これまでの事業実績や事業内容を確認する他、所得税等を原則として完納していることが必要。

※この融資制度では新創業融資制度の場合と異なり、法人の方については代表者の連帯保証が必要となります。


調達方法③ 制度融資

「制度融資」とは、都道府県や市町村などの自治体と信用保証協会、金融機関の三者が一体となって中小企業向けに融資をするための制度です。それぞれの具体的な役割は、以下のとおりとなります。

 国や自治体   制度融資の設計や運営を行う

 信用保証協会  借入人について公的な保証人となる  

 金融機関     融資の資金を提供する 


例えば、東京都の制度融資(創業)の概要は、以下のとおりとなります。

 利用条件  事業を営んでいない個人または創業した日から5年未満の中小企業者

 融資限度額  3,500万円(但し、創業者については2,000万円+自己資金が限度)

 利率(年) 1.9%~2.5% ※2021.12現在

 担保・無担保

   保証人・法人営業の方・・・代表者の方のみ

                 個人営業の方・・・不要

 制度融資は、利用の条件や金利、貸付期間などが一律に定められた、いわばパッケージ商品のようなものです、そのため、基本的な条件を満たせる方であれば、誰でも簡単に利用できるという特長があります。また、自治体によっては、金利の減免や信用保証料の免除などといった優遇を行っているところもあります。


 ただし、制度融資は自治体ごとで行っている取り組みであるため、自治体ごとにその内容が異なるということに注意が必要です。また、法人の方がこれを利用する場合には、代表者やそれに準ずる方の連帯保証が必要となります。


調達方法④ビジネスローン

 ビジネスローンとは、法人や個人事業主を対象とした事業資金のための融資です。銀行の他に、消費者金融、信販・クレジットカード会社などが行っています。ビジネスローンは事業資金向けの融資のため個人事業主でも利用できますが、事業を営んでいない方は利用することができません。


 ビジネスローンのメリット・デメリットとしては、次のようなものがあります。


ビジネスローンのメリット

・インターネットで申込みができるため、手軽に利用できる。

・銀行融資と比べて融資の審査が緩い。

・融資が出るまでの期間が即日〜5営業日と短い。

・総量規制の対象にならない。

・原則、担保や保証人が不要。

・限度額内であれば何度も借入れ、返済ができる


ビジネスローンのデメリット

・金利が高い(年14%〜)

・事業資金以外には利用できない

・銀行融資などと比べて、利用できる限度額が低い


 以上のことから、ビジネスローンはあらかじめ利用金額を決めて、一時的なつなぎして利用することをおすすめします。


調達方法⑤ ファクタリング

 「ファクタリング」とは、利用者が保有する売掛金(=売掛債権)をファクタリング業者に譲渡・売却することで、売掛金の入金日を待たずに資金調達ができるサービスです。


 ファクタリングの利用には、以下のようなメリットがあります。

・銀行の融資と比べると短時間での資金調達が可能なため、急な資金需要にも対応できる。

・借入れではなく債権(売掛金)の譲渡・売却のため負債にならず、決算書のオフバランスにつながる。

・売掛先会社の与信にもとづいて審査をするため、利用者の会社の与信や財務状況が悪くても利用できる。

・金融機関の融資では難しい、赤字決算・債務超過・税金滞納が多い・銀行リスケ中・設立したばかりなどの企業でも利用できる。


ただし、その反面、

・手数料が高い。

 (年利換算で、実質手数料120〜360%)

売掛金の額面以上の利用はできない。

・債権譲渡登記などの手続き費用がかかる。

・利用者の売掛先の企業に対してファクタリングをした旨の通知がされることがある。

などのデメリットもあります。


 なお、ファクタリングは融資ではないため、利息制限法による金利を超えて手数料を設定することができます。そのため、手数料ベースで計算した場合には、年利100%を超えるケースも少なくありません。また、売掛先に対しファクタリングの利用を通知された場合や、売掛先が債権譲渡登記の存在に気づいた場合には、その後の取引に支障をきたすことになります。 


 以上のようにファクタリングには、便利に利用できる半面、高額の手数料がかかることや取引先に情報が漏れる可能性があるため、通常の運転資金の調達手段とはせずに、一時的かつ限定的な利用にとどめることをおすすめします。



まとめ

 運転資金とは、企業が事業の運営に関する支払いをするために必要な資金のことを言います。運転資金については、いろいろな区分や種類がありますが、とくにその中でも「必要運転資金(経常運転資金)」が不足する場合には、資金繰りの悪化に直結するため、不足がないようにコントロールすることが重要となります。また、「資金使途に問題はないか?」、「返済期間や借入額は適正か?」ということに十分注意しないと、その後の返済が厳しくなる要因となるため、自社の返済力を十分に考慮した上で借り入れをするようにしましょう。


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この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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