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事業拡大のために活用!「IT導入補助金」とは?

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事業拡大のために活用!「IT導入補助金」とは? |スキーム マグ
事業拡大のために活用できるIT導入補助金について知りたいですか?本記事では、IT導入補助金の概要説明から申請条件や、交付までの流れまで詳しく説明しています。IT導入補助金について考えている方や知りたい方は必見です。
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事業を拡大する上で、業務のIT化は欠かせないものです。しかし、IT化をするためにはある程度のまとまったお金が必要であり、中小企業にとってはそれがネックになって踏み出せない場合もあります。
そこで今回は、経済産業省が行っている「IT導入補助金」について紹介します。申請をして承認される必要がありますが、利用出来ればかなりお得な制度です。

「IT導入補助金」について

経済産業省が行っている「IT導入補助金」は、正式名称を「サービス等生産性向上IT導入支援事業」と言います。これは、中小企業や小規模事業者の生産性の向上のために2017年度から始まった事業です。
当初の予算は100億円で事業を利用する企業の想定数も1万5,000社でしたが、2018年度には予算が500億円で企業の想定数も13万5,000社とかなり枠が広がりました。そのため、前年度よりもたくさんの企業が補助金を受けられるようになっています。

そもそも補助金とは、国や地方自治体から受けられる返済不要のお金です。支給要件を満たして、尚且つ審査に通ることで支給されます。管轄は、経済産業省の場合が多く、補助金の趣旨や目的と事業がどの程度マッチしているかがポイントです。

また、支給を受けた場合は申請した内容通りに事業が実施されているかなどをチェックされます。「IT導入補助金」以外にも、有名なものとして「創業補助金」や「ものづくり補助金」などがあり、事業拡大を手助けする内容のものが多いです。

「IT導入補助金」の申請条件は?

「IT導入補助金」を受けるには、前提として5つの条件を満たしていなくてはいけません。

(1)中小企業や個人事業主であること

(2)ITツールを導入すれば生産性が向上出来る事業計画があること

(3)IT導入支援事業者が代理申請をすること

(4)導入するITツールは複数の機能をパッケージ化していること

(5)補助金の支給を受けた事業が開始されてから決められた期日までに生産性向上に関する内容を報告すること

という条件です。

ITツールには、ソフトウェアやクラウドと、これらのオプションや保守・サポートなどといった導入関連経費等が含まれています。

また、IT導入支援事業者とはITツールの提案や導入、申請の代理手続きを行う事業者のことで、IT導入補助金事務局によって採択されているITベンダーやサービス事業者のことです。このIT導入支援事業者がいることで、ITツールに詳しくなくても様々な説明やサポートを受けられてITツールを導入することが出来ます。

対象となるITツールは?

なお、「IT導入補助金」の支給対象となるITツールは、フロント業務・ミドル業務・バックオフィス業務になります。補助金の対象となるためには、この3つの業務のうち2つ以上の業務を持つITツールを導入しなくてはいけません

【フロント業務】

まず、フロント業務とは、広報やマーケティング、カード決済や顧客とのコミュニケーションなどといった顧客と対面をして売り上げに寄与する業務のことです。業務の対象は、顧客になります。

【ミドル業務】

次に、ミドル業務とは、顧客管理や納期管理、人員配置や品質管理などといった各種情報を管理してフロント業務を支援する業務のことです。業務の対象は、仕入れ業者や外注業者、設備業者などです。

【バックオフィス業務】

最後に、バックオフィス業務とは、決算や財務、給与などといった会計や給与などを管理して後方支援する業務になります。業務の対象は、税理士や社会保険労務士、金融機関や株主などになります。

ソフトウェアやクラウド導入が対象!

補助の対象となるのは、ソフトウェアやクラウド、これらの導入に関連する経費となります。そのため、ハードウェアやOS費用、ソフトウェア導入のためのレンタル・リース費用や既存のホームページの機能強化やコンテンツ追加などは含まれません。

さらに、ITツールは事務局から採択されているIT導入支援事業者が提供しているものであり、尚且つIT導入補助金事務局に登録されているものでなくてはいけません。ただし、これらの経費はITツールの導入から1年間の費用のみが補助の対象となります。

「IT導入補助金」の申請から交付までの流れ

(1)まずは、生産性向上のために自分の会社に必要なITツールの業務分野を検討し、IT導入支援事業者を選びます。

(2)そして、支援事業者とITツールについて相談をし、導入するITツールを決定します。この際、支援事業者からはITツールに関連する説明を十分に受け、ITツールの導入によってどの程度生産性向上が図れるのか目標を定め、その目標を達成するための事業計画を作成しなくてはいけません。

(3)事業計画を作成したら、支援事業者に「IT導入補助金」の代理申請をしてもらいます。

(4)その後、審査に通ったら、補助金の交付が決まります。すると、ITツールを発注・契約をして代金を払うことになりますが、交付決定の前に契約や発注、納品や支払いなどをしてしまうと補助金を受けられないので注意しましょう

補助金は15万円から50万円までで、尚且つ補助を受けられるのはITツールの導入費用の半分以下です。
また、補助金を受けた事業については、期日までに事業実績報告を行わなくてはいけません。手続きは支援事業者が代理申請するので、支払いの完了がわかる書類などを保管しておく必要があります。これを終えることで補助金額が決定、交付されます。さらに、事業が終わってから5年間は毎年生産性向上について実績などを報告する必要があります。

「IT導入補助金」を受けて業務の生産性を向上させよう

「IT導入補助金」によってITツール導入費用の半額まで補助を受けられるので、中小企業にとっては大きな支援となります。ある程度は自社で費用を負担する必要があるので経費は掛かりますが、補助金によって生産性が向上すれば大きな成果が期待できます。また、申請はIT関連の知識が無くても、IT導入支援事業者が詳しい説明や相談に乗ってくれるのでまずは検討してみましょう。

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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