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社内向け事業計画書を作るコツ!新規事業を始める際に必ず見ておきたい!

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社内向け事業計画書を作るコツ!新規事業を始める際に必ず見ておきたい! |スキーム マグ
社内向け事業計画書を作るコツ!新規事業を始める際に必ず見ておきたい! | スキームマグでは、事業計画書のテンプレートや書き方など創業/独立/融資に役立つ情報を発信しています!これから事業計画書を作るという方は是非参考にしてみてください!
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社内向け事業計画書は、何のために作るのでしょうか?

それは、事業を推進するために社員にプロセスを伝えるためです。

創業時の対外向けの事業計画書とは違い、社員に向けての事業計画書は目標の共有できる、リアリティのある企画書を作り上げることです。

この目的を踏まえて考えていくと、社内向け事業計画書を作るときに押さえておきたいポイントや、上司がスゴイと唸る事業計画書を作るためのコツが見えてきます。

>>事業計画書はパワーポイントで綺麗な仕上がりに!サンプルを元に徹底解説

社内向け事業計画書と創業時の事業計画書の大きな違いとは?

社内向け事業計画書を創業時の事業計画書と対比させると、社内向け事業計画書がどのような文書なのかが、より理解しやすくなるでしょう。

創業時の事業計画書は、ステークホルダーに見せるための事業計画書という側面が強いものです。


ステークホルダーとは、出資者、銀行、取引先であり、場合によっては、事業の監督官庁も含まれます。

これらのステークホルダーは、通常、事業の確実性あるいは会社の財務的健全性に関心が強く、したがって、事業計画の計数部分つまり損益計画や資金計画などについてその裏付けがしっかりしていることが求められます。

創業時の事業計画書は利益計算を重視

また、創業時の事業計画は、どうしても創業コストがかさむこと、および売り上げ規模が充分に大きくないことから、創業一年目から単年度黒字を実現することはかなり困難であることが普通です。

最悪でも、創業三年目で単年度黒字を達成し、五年目で累計損失を解消するような事業計画を描くべきです。

これは、事業の財務的な健全性を確保するためには必要なことです。


創業三年目で単年度黒字達成・五年目で累積損失解消が困難な事業は、事業自体の見直しを検討すべきかもしれません。

この意味で、やはり創業時の事業計画書は、損益計画や資金計画等(計数部分)が重視されます。

>>事業計画書の作成で外せない5つの項目!主要項目をしっかり掴んで完璧な計画書を

創業時の事業計画書と社内向け事業計画書の違い

これに対し、社内向け事業計画書は、叙述部分(文章部分)がきわめて重要です。


叙述部分とは、事業遂行のビジョンや事業目標、事業環境の把握、自社の強み弱み分析(SWOT分析)、事業戦略など文章で記述される部分のことです。

叙述部分がきわめて重要といっても、計数部分が重要ではないと言うわけではありません。

しかしながら、叙述部分の重要性は、以下のことから理解されるものと思います。

[社内向け]叙述部分の重要性1

一つは、事業環境の把握やSWOT分析、事業戦略等は、損益計画を策定するための前提条件です。

前提条件が変われば、損益計画も変わります。

[社内向け]叙述部分の重要性2

二つ目は、事業戦略は競争に勝ち利益を確保するための方法論です。

これなくして、利益の確保は困難です。

[社内向け]叙述部分の重要性3

三つめは、事業遂行のビジョンや事業目標、事業戦略は、自社の進むべき方向性を示すものです。

ビジョンや戦略を社員全員でしっかりと共有して初めて、全社一丸となって目標達成に突き進むことができます。

社内向け事業計画書の押さえておきたいポイント

社内向け事業計画書を作るに際して押さえておきたいポイントは、三つあります。

押さえておきたい社内向け事業計画書ポイント1

一点目は、ビジョンと事業目標、事業戦略が明確に述べられていることです。


ビジョンは人を動かします。


戦略は、目標に向かって行うべき行動を決定します。

社員一人ひとりがそのビジョンに共感し、社員間で戦略が共有されれば、全社員の力が一つになって目標に進んで行くことができます。

これは、事業を推進する原動力になります。

押さえておきたい社内向け事業計画書ポイント2

二点目は、事業計画を作る過程で事業内容を総点検し事業を最適化することが重要です。


事業の最適化は、事業開始後も継続的に行うべきですが、これを事業計画策定過程にビルトインしましょう。

従来のやり方を踏襲して事業を行っていては、売り上げは遠からず頭打ちになり、今まで通りのコスト構造で経費が発生し続け、その結果利益は圧縮されていきます。


さらなる売り上げ増加とさらなるコスト削減を目指し、事業を総点検し最適化しなければなりません。

損益計画は、事業が最適化された上で、策定されるべきです。

押さえておきたい社内向け事業計画書ポイント3

三点目は、事業計画書は作った後の進捗管理を考えて作ることです。


たとえば、販売部門については、何をいつまでに行い、その結果いつまでにどれだけの費用が発生し、どれだけの売り上げが実現できるのかが明確になっていなければなりません。

いわゆる、アクションプランです。

その上で、計画の進捗を測定し、必要に応じ計画を修正するサイクルを回していくことです。Plan→Do→Check→Action (PDCA)のサイクルです。速やかなアクションのためには、少なくとも、月次ベースでPDCAサイクルを回していくべきです。


事業計画書は作ったら終わりではありません。作った後が大切です。

このPDCAサイクルが事業を推進します。

>>事業計画書に記載する【売上予測】の算出方法

上司がスゴイと感動する社内向け事業計画書3つのコツ

以下の三点は、事業計画を策定するときの基本と言うべきものですが、往々にして軽視されがちです。

これらの基本がしっかりと押さえられていれば、上司はあなたの作った事業計画書を見て感嘆の声を漏らすことでしょう。

社内向け事業計画書作成のコツ①

一点目は、事業計画書を作るためのプロセスを重視することです。

事業計画書を作る場合、作ることに目を奪われて、作るためのプロセスをおろそかにしがちです。

事業計画書は事業推進のツールです。

事業計画書は作れば良いというものではありません。


事業計画を実行する主体は、個々の社員です。社員の意見が適切に吸い上げられていれば、円滑な実行につながります。


また、経営幹部のあいだで十分に議論がなされれば、その過程でビジョンや事業戦略への理解が進み、部門間の相互理解が進み、計画実行段階において他部門の協力を得やすくなります。

社内向け事業計画書作成のコツ②

二点目は、事業環境についての現状認識やSWOT分析等が事実とデータにもとづいて客観的に把握・分析されていることです。

これは、基本中の基本ですが、なかなか難しいことです。

事業環境についての現状認識やSWOT分析等は、事業計画を作るときのスタートラインです。


ここで間違った認識を持った場合、それ以降の戦略策定や損益計画策定等が誤った方向へ導かれてしまいます。

客観的な事実とデータの収集は困難な場合がありますが、根気よく努力したいものです。


たとえば、小売業や飲食業などの地域密着型の事業については、地域の公共図書館や市区町村の産業振興課等が有用なデータ・情報を提供してくれることがあります。

社内向け事業計画書作成のコツ③

三点目は、PDCAサイクルを回していくには、ある程度細かく売り上げと経費の実績額を把握する必要があるということです。


ドンブリ勘定で売り上げや経費を把握していたのでは、売り上げ不振の原因や経費オーバーの原因を分析し究明していくことができません。

これでは、適切に対策を打つことができず、事業計画を作った意味がないことになります。

単純な話として、商品別の売り上げ金額と売り上げ個数を把握しておかなければ、売り上げ不振の原因がどの商品の不振によるのか、販売単価の低下によるのか、販売個数の減少によるのか知ることができません。


販売計画や損益計画を作るときに、どこまで細かい単位で売り上げと経費を把握するのかを検討しなければなりません。

売り上げ・経費の把握のためには、経理部門やその他の部門と調整し、それらを把握するための体制を構築する必要があるでしょう。


ここまでやれば、あなたの上司はスゴイと感動するハズです。

>>適切なKPIマネジメントとは?企業活動におけるKPIの重要性をその基礎から詳しく解説します

社内向け事業計画書のまとめ

上記をまとめると、以下の四点になります。

社内向け事業計画書が事業推進のツールとして効果的に機能するためには、これらの点がしっかりと押さえられていなければなりません。


一点目は、社内向け事業計画書を作る場合、そのプロセスを重視すべきです。

社員の意見を吸い上げ、経営幹部による十分な議論がなされるようなプロセスであることが必要です。

このようなプロセスで作られた事業計画は、円滑な実行へつながります。


二点目は、事業の総点検・最適化を事業計画策定のプロセスにビルトインすべきです。

損益計画は、事業が最適化された上で、策定されるべきです。


三点目は、社内向け事業計画書は、叙述部分が重要です。

明確なビジョンと事業目標、事業戦略を策定し、社員の力を同じベクトルに向かわせましょう。

事業環境・SWOT分析等を客観的な事実とデータに基づいて把握・分析することは、それに続く戦略策定、損益計画策定等を適切なものとします。


四点目は、社内向け事業計画書は、作った後の進捗管理を考えて作ることが重要です。

具体的なアクションプランを策定しましょう。

計画は実行されなければ意味がありません。

実行の結果は測定され、それは計画にフィードバックされることが必要です。


このようなPDCAサイクルを回していくためには、売り上げ・経費の適切な把握が必要です。

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この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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