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スタートアップ向け事業計画書のつくり方徹底ガイド!エクイティファイナンスで資金調達する方法

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事業計画書を作成する時に、記入例やお手本になるものを見たいと思いませんか?本記事では、事業計画書の記入例やお手本となる記事、さらに事業計画書に書かなければならない項目やポイントなどを紹介しています。事業計画書の作成に困っている方は本記事必見です。
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近年アメリカでその躍進ぶりが注目を浴び、スタートアップという概念は日本にも浸透してきました。そんなスタートアップが資金調達でまず押さえておきたいのが、エクイティファイナンスです。

銀行融資に比べて、スタートアップとエクイティファイナンスは相性がよいという見方があります。

エクイティファイナンスにおいては、事業計画書の作り方がその成否のカギを握ります。

 

「スタートアップはどんな事業計画書を作ったらいいのだろう?」

「エクイティファイナンスに適した計画書はあるの?」

 

事業計画書の作成となると、そう思われる方も少なくないでしょう。

この記事では、エクイティファイナンスを意識したスタートアップの事業計画書作成法について、そのポイントを解説していきます。

■エクイティファイナンスとは? 銀行融資との違い

エクイティファイナンスとは、株式を新規発行して必要な資金を調達する方法のことを指します。

一方で、資金調達といえば、第一に銀行融資が浮かぶでしょう。

エクイティファイナンスに対して、銀行融資はデット(借入)ファイナンスとも呼びます。

 

エクイティファイナンスと銀行融資との違いは、主に2つあります。

①返済義務の違い

借入での融資となる銀行融資は当然に返済義務が生じますが、エクイティファイナンスは出資となるので返済義務が生じません。

利益が発生すれば、配当金として株主に還元をしなければなりませんが、長期的に安定した利益が見込みにくいスタートアップにおいては、返済をしなくてよいというのは心強いファクターであるといえるでしょう。

②財務上の解釈の違い

銀行融資は借入なので、貸借対照表では「負債」として扱われます。

エクイティファイナンスは株主資本なので、「自己資本」になります。

この財務の観点での貸借対照表上の違いは、金融機関からの評価をはじめ、かなり重要なポイントです。

原則的に、負債は増えれば増えるだけ評価が下がりますが、自己資本は増えれば増えるだけ評価が上がります。

今後増資を考える必要が出た場合も、エクイティファイナンスで調達しておいた方が有利に働くことが考えられます。

■エクイティファイナンスの注意点

資金調達のために新規の株式を発行するということは、株あたりの価値が薄まる「株式の希薄化」が起こることになります。

新規株主が取得する株の割合が大きい場合には、経営に対して様々に干渉できる権利も生じます。

既存の株主に向けた増資である「株主割当」以外での新規株式発行の場合は、事前に既存株主向けに説明を行って十分な理解を得ておく必要があるでしょう。

■投資家やVCに提出する際の事業計画書の作り方

冒頭にも述べたように、エクイティファイナンスでの資金調達を試みる場合、事業計画書の作り方が成否のカギを握ります。

基本となる事業計画書を主軸に置きつつも、対象となる相手ごとに見せ方をアレンジすることがポイントです。

それぞれのケースを解説いたします。

投資家向け

個人の投資家が、投資先を選定するのに重要視するのはどんな点でしょうか。

 

それは人によって異なります。

 

言い換えれば、投資をお願いしたいと考える投資家が「何を重視して投資をする傾向があるのか」を事前にリサーチしておく必要があるということです。

 

VCに比べると投資額は少額な傾向にはなりますが、

 

・経営者自身への共感

・事業に対する支援の思い

 

など、ビジネス上の利益不利益を超えた判断基準で、投資している投資家も多いものです。

事業計画書には決まったフォーマットはありませんから、経営者の経歴や事業に込めた思い、事業が目指している未来、などこれらのアピールポイントが伝わりやすい形式で仕上げましょう。

 

また、このアピールポイントを意識することが出来たら、逆にそれに見合った投資家を探すという方法もあります。

価値観の合う相手を見つけて経営上のよきパートナーになってもらうというのも、エクイティファイナンスにおいては大切な観点です。

VC(ベンチャーキャピタル)向け

VCが投資先を選定するのに重要視するのはどんな点でしょうか。

 

それは、

 

・会社の「将来性」

・事業の「収益性」

 

 

 

の2点です。

 

銀行融資が「返済されること」を重視するのに対し、

VCは「大きくリターンを得られる将来性・収益性」を重視する傾向があります。

予算計画においてしっかりと収益が見込める事業であることをアピールできるか、が資金調達の成否を分けるポイントになります。

 

個人投資家の場合と同じく、どんな投資をする傾向があるかを事前にリサーチしておくことも重要です。

VCの中では、特定の分野にのみ投資していたり、投資の条件が明示されているところも多いです。

自社の方向性や価値観と合うVCであることが大前提ですので、事前リサーチに力を注ぎましょう。

■スタートアップの事業計画書で重要な指標

投資家向け、VC向けの事業計画書のポイントは前項で説明した通りですが、そもそもスタートアップが事業計画書で考えておく必要がある大前提のポイントがあります。

 

出口(EXIT)に向かった事業計画になっていることです。

 

スタートアップの主な出口戦略、つまり利益を手にするための事業戦略は、

 

・株式市場への新規株式公開(IPO)

・株式譲渡による事業売却(Buy out)

 

この二つのどちらかです。

出口を見据えて、短期集中的に成功させる事業計画になっていることが大前提になります。

 

たとえば、IPOを出口に設定するならばそれに伴って

 

 ・IPO時にどれぐらいの株価が見込めるか

 ・投資家の観点から吸収金額はどれぐらいになるか

 

など、着目すべき指標も自社の経営状況と合わせて、適宜設定をする必要が出てくるでしょう。

 

スタートアップにとって、利益を手にするための出口戦略をどこに設定するかを明確にすることが、事業計画書作成のスタートラインであるということです。

■まとめ

常に変化し、成長していくことを前提としたスタートアップにとって、毎月固定の返済が生じる銀行融資よりも、エクイティファイナンスの方が向いているといえます。

 

それぞれの投資家・VCによって何を重視しているかは異なるので、自社事業との親和性を事前に見極め、そのポイントを押さえた事業計画書にアレンジしていくことで、資金調達を成功へと導きましょう。

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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