融資を希望した場合、銀行を始め金融機関からは事業計画書の提出を求められます。
しかし、初めて事業計画書を作る場合、何をどのように書いたら良いものなのかわからないものです。
そこでインターネットで『事業計画書』を検索すると、様々な簡易版事業計画書フォーマットがあることがわかります。
そんなダウンロードが可能な簡易版の事業計画書は実際に融資などに使えるのか、説明していきます。
事業計画書は簡易版でも融資審査は大丈夫なのか?
インターネットでダウンロードできる簡易版事業計画書のフォーマットは、銀行の融資審査に提出しても大丈夫なのか気になるのではないでしょうか。
結論から言うと、簡易版で作った事業計画書でも融資審査に提出することは可能です。簡易版には最低限必要なことが網羅されています。
審査担当者はフォーマットの出来不出来で判断するのではなく、あくまでも内容で審査をします。
不足している情報やもっと詳しく知りたいと思う内容があれば、追加資料の提出や、ヒアリングを求めてきますし、追加資料を一緒に添付することも可能です。
書ききれないことや別でまとめたいことがあれば別途資料を作るのが良いでしょう。
簡易版の事業計画書を使う際には必要なこと、伝えたいことを目一杯書くことが重要です。
事業計画書簡易版を使うメリット・デメリット
事業計画書簡易版を使った際のメリット・デメリットはどのようなものがあるでしょうか。簡易版を使うかどうか迷っている方の判断材料になるようにまとめました。
まずはメリットを3つ挙げます。
①抜け漏れがない
事業計画書簡易版は、最低限必要な記載項目が網羅されていますので、抜け漏れがありません。
フォーマットに沿って記入事項を埋めていくだけで事業計画書ができあがってしまうと言うのは大きなメリットです。
②必要な項目がわかる
2つ目は、自分では考えていなかったけれど必要だった項目に気づけると言う点です。
例えば売上だけではなく経費の配分についてどのように考えているのか、返済計画はどうなのか、具体的な金額を落とし込む必要が出てきます。
そうした際に、数字を見つめていると事業計画が現実的なのかどうかを客観視することにもつながります。
③審査に安心感が出る
3つ目は金融機関に対しての安心感を与えられると言う点です。
審査する側としては見慣れたフォーマットの方がチェックしやすいのは必然で、見づらい事業計画書よりも印象はよくなります。
事業計画書簡易版を使うデメリット
次にデメリットを3つご紹介します。
①インパクトがない
もっとも大きいのは、「どこかで見たことがある」ためインパクトに欠けてしまう点です。
特に新規性の高い事業内容や革新的な内容であればあるほど説得力を失います。
一度簡易版に書き出した後にオリジナルの事業計画書に作り直すのが良いかもしれません。
②自分の思いが伝わらない
2つ目は熱い想いが本当に伝わらない可能性があると言う点です。記載する項目が限定されていることと、スペースも限られていることがその理由です。
簡易版では伝えきれないと判断したら、別途資料を作るか空きスペースに書ききれなかった想いを記入すると良いでしょう。
③記入できる情報が少ない
3つ目は情報不足が挙げられます。簡易版のテンプレートにもよりますが、本当に簡単なものでは、金融機関が知りたい項目が足りずに事業概要そのものが伝わらない可能性があります。
追加の資料提出や質問をされずに審査落ちと言うこともあるので、別途資料を作るなど対応が必要です。
銀行向けに作る事業計画書の重要なポイント!銀行はココを見る!
銀行の融資担当者が見るポイントについて解説します。
融資担当者が見るポイントは次の5つです。
①わかりやすさ
どんなに素晴らしい事業のビジョンを語っていたとしても、それがどのようなものか読み手に伝わらなくては意味がありません。
よくあるのは、事業者の頭の中では多くの情報があるために自己完結しているのですが、それを文字や図で表現できていないというケースです。
何も知らない人にどう伝えるのかを意識して事業を書き進めましょう。
②実現性
どんなに素晴らしいビジョンや計画を立てても机上の空論では説得力が皆無です。具体的にいつ何をしてどのように売上が立つのか実現させるためのプランを論理的に語る必要があります。
銀行など金融機関の担当者が見る論理的とは、数字の整合性です。
彼らは数字で判断をしますので、計算がずれている、不明な数値があるということがないようにしっかりチェックしましょう。
③客観性
実現性にも関わってくる項目ですが、事業計画書には客観性も求められます。
独りよがりではなく、頑張る!なんとかする!といった精神論ではない客観的な根拠を示しましょう。
特に顧客獲得のためのマーケティングにおいては客観的なデータによる根拠が不可欠です。根拠を示すことで説得力を増すことになります。
④将来性
担当者はこの事業はどのくらいの成長を見込めるのか、将来性を考えます。
返済前に倒産してしまっては元も子もないからです。
最低でも返済の期間内は成長し続けるような前提で計画を練る必要があります。
⑤熱意や情熱
担当者が最も重視するポイントは経営者の熱意/情熱です。
なぜこれほどまでにこの事業をやるのか、その背景や想いが強いものであれば他が多少劣っていたとしてもクリアしてしまうことがあり得ます。
自分の想いの根底にあるものは余すことなく事業計画書に乗せることが重要です。ただ、大切なのは熱意が伝わることなので、長く書けば良いというものではありません
事業計画書簡易版のダウンロードができるサイト
事業計画書簡易版の無料ダウンロードができるサイトをご紹介します。
事業計画書簡易版のダウンロードができる「Scheeme – スキーム」
融資クラウドScheeme – スキームでは事業計画書だけではなく、収支計画書や資金繰り表といった起業時に必要な書類をクラウド上で作成でき、ダウンロードすることができます。
事業計画書以外にも開業届や業者からの見積もりといった起業の準備をまとめて行うことができるといった特徴を持っています。
またチャットでサポートデスクに起業や事業計画書の作り方などの相談を行うことができるので、はじめて事業計画書を作る人でもカンタンにすすめることができます。
>>>「融資クラウドScheeme書 Scheeme(スキーム)をみてみる
事業計画書簡易版のダウンロードができる「ビズオーシャン」
ビズオーシャンは様々なテンプレート資料を提供しているサイトとして知られています。
事業計画書だけでも簡易版の他に、経営計画書、マーケティング戦略シートなど多数の関連資料フォーマットがあり、簡易版の他に追加資料を作成する際にも非常に便利です。
また、事業計画書の書き方解説書や書き方について解説したコラムなどもあるので初めての方でも安心して活用することができるのが特徴です。
事業計画書簡易版のダウンロードができる「freee」
開業や創業、会計に関するサポートをしているツバメのマークが印象的なfreeeでは簡単に事業計画書が作れるサービスがあります。
必要項目をウェブ上で入力すると事業計画書として出来上がるというもので、他のフォーマットをダウンロードするサイトとの違いは入力のしやすさにあります。
しかし、freeeのよくないところとしては、日本政策金融公庫の事業計画書テンプレートのみ対応といったところと、
専門家のアドバイスに関しては融資実行金額の2%を払わなければいけないので、実は高額となっており無料ではないといった点にご注意ください。
事業計画書簡易版のダウンロードができる「ボクシル」
ビジネス情報を発信するボクシルでは様々なテンプレートのダウンロードを行うことができます。
事業計画書関連のテンプレートもたくさんあり、分析表、体型図、組織図、収支計画書などを好きな色から選択することが可能です。
フォントや色がオシャレなので、簡易版を使うけれど少し他の事業計画書との違いを見せたいという場合にオススメです。
事業計画書簡易版についてのまとめ
事業計画書簡易版は銀行融資の審査に十分使えるものです。
事業計画書作成自体が初めてという方はむしろ簡易版を使って作るのが良いでしょう。
簡易版では書ききれない、情報が不足してしまうかもしれないという場合には追加資料を作りましょう。
追加書類用のテンプレートもあるので、それもダウンロードして使うのも1つです。
どうしても心配な場合は融資サポートなどを受け、アドバイスをもらうと融資の可能性はグッと高まります。