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事業計画書で融資が決まる!?融資を受けやすい事業計画書の作成方法

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経営者にとって、「いかに資金調達をするか?」は常に付きまとう課題です。

その中でも金融機関からの融資は、比重が最も高いでしょう。

 

金融機関の融資担当者は、融資できるかどうかの判断をする際に、決算書とともに事業計画書をまず確認します。

この事業計画書の出来が融資の可否を左右する、と言えるほど重要な判断材料となるのです。

 

この記事では、そんな事業計画書を「融資を受けやすくなる」状態に仕上げるには、どんなポイントを押さえればよいのか、など融資と事業計画書の関係について詳しく解説いたします。

■事業計画書で融資が決まる理由とは

なぜ、事業計画書の出来によって融資の可否が決まると言えるのでしょうか。

それは、「これから先の経営指標を算出することができる」からです。

 

経営指標とは、事業者が経営計画を立てる際の軸となる「財務状況」を把握するための、分析手法の数値のことです。

 

経営指数の代表的なものと言えば、企業の収益性を見るための最も重要な指標であるROA(Return On Assets。総資本経常利益率)です。

算出方法は以下の通りです。

 

・ROA = 経常利益÷総資本

 

元手に対してどれだけの比率で利益を出せているか、がわかる指標となります。

決算書からも過去のROAは算出できますが、事業計画書があれば

 

・これから数期に渡ってROAがどう変遷していくのか

・ROAを見据えた計画にそもそも仕上がっているか

 

を把握することができるので、

 

・将来性がある事業なのか

・企業財務がわかっている経営者なのか

・返済していける力があるのか

 

を融資担当者が確認することができます。

つまり、事業計画書を見れば融資ができるかどうかが判断できてしまうのです。

 

■融資を受けやすい事業計画書は、どの項目が重要?

事業計画書を融資が受けやすいものに仕上げていくには、どこのポイントを押さえればよいのでしょうか。

 

それは「貸借対照表(以下、BS)」です。

3~5年後にどんなROAが出るBSになっているか、が大事なポイントになります。

望ましいROAになるための元となるBSを、意識的に作っていく必要があるのです。

 

業種によって平均や目指すべき値も変わってきますが、

 

・ROA10%を達成できるBSになっていること

 

これがクリアすべき条件といえるでしょう。

前期、今期のROAは何%になっているのかは把握できているでしょうか。

 

目標のROAになるBSを作ることを前提として、事業計画書の具体的な作成方法を見ていきましょう。

 

融資を受けやすい事業計画書の作成方法1

事業計画書作成の1ステップ目は、事業において核となる「ビジネスモデルを確立させる」ことです。

 

5W1Hに基づいてビジネスモデルは考えられているでしょうか。

 

・だれが  :Who

・いつ   :When

・どこで  :Where

・なにを  :What

・なぜ   :Why

・どのように:How

 

これらすべてに適切な答えを持ったビジネスモデルでなければ、まだまだ詰めるべき余地があると言わざるを得ません。

 

そして、自社の既存ビジネスモデルは市場において、どれだけの優位性があると言えるでしょうか。

それを客観的に判断するためにはSWOT分析が有効です。

 

・強み:Strength

・弱み:Weakness

・機会:Opportunity

・脅威:Threat

 

の4つの観点でビジネスモデルを分析し、市場において優位性があるモデルなのかを判断します。

特に「機会」「脅威」の2つは、世の中や市場の動向について十分にリサーチできていないと認識することができないので、日頃からどれだけ広い見識のもとで事業運営できているかが問われます。

 

さらに、ビジネスモデルがいくら有能なものであっても、それを実現させるための組織体制や社会的評価、すべての事業活動の方向性を示した経営理念など、すべてが伴っていないと机上の空論になってしまいます。

ビジネスモデルを十分に機能させていくための基盤作りも、この段階で見直していくことになります。

 

融資を受けやすい事業計画書の作成方法2

事業計画書作成の2ステップ目は、「3~5年分の試算表を作成する」ことです。

 

まず、毎月の損益計算書(以下、PL)の試算表を作成します。

どれだけの売上が見込めて、どれだけの原価・経費がかかる見込みなのかを算出し、どれだけの利益を残すことができるのかを明確にしましょう。

 

1期分のPL試算表が作成できたら、

 

・この事業にはどれだけの資本が必要になるのか

・経常利益、当期純利益はどれだけ出るのか

 

を確認しましょう。

ここがROAの算出時に重要なポイントになってきます。

 

PLが作成できたら、決算時のBSの試算表を作成します。

PLの「当期純利益」とBSでの「利益剰余金」が、PLとBSの唯一の接点になるのでここを把握しておく必要があります。

 

BSを作成するということは、ここで資金繰りについても十分に計画をする必要が出てきます。

どれだけの資本金が必要になるのか、PL試算表の数字を基盤としてキャッシュフローを考え、BSを完成させていきます。

 

融資を受けやすい事業計画書の作成方法3

事業計画書作成の3ステップ目は、「経営指標を基準に計画をブラッシュアップする」ことです。

 

経営の大事な指標となるROAがこの3年~5年の間にどんな変遷をたどるのかを確認し、それが10%以上に達しているかが一つの大事な判断基準になります。

 

思うような比率が出ていない場合は、

 

・粗利を上げる方法はないか

・経費を削減できる余地はないか

・負債を削減する方法はないか

 

などの視点で、作り上げてきたビジネスモデル・試算表・資金繰り計画をブラッシュアップしていきます。

 

ROAという絶対的な指標を意識することで、「何がどれくらい不足しているのか」という尺度を経営判断において持つことができるので、計画をどこまで洗練していく必要があるのかが明確になります。

その時点で「企業財務がわかっている」経営者ということになるので、融資担当者が評価する目も変わってくるでしょう。

 

ROAの他にも、「自己資本比率」「売上高経常利益率」などをはじめ経営指標はまだまだ多数存在しています。

自社が所属している業界ではどの経営指標がどの程度出ているのが平均的なのか、など深くリサーチし、目標となる指標に近づく数値計画を立てることをおすすめします。

より融資を受けやすい事業計画書へと仕上がっていくことでしょう。

 

■融資を受けやすい事業計画書の作成方法まとめ

融資担当者がどの経営指標を重視して確認するかは、業種や経営状況によっても変わってきますが、「経営指標を意識した経営ができている」こと自体が重要な評価ポイントになります。

そしてそのためには、企業財務の知識を正しく持ち合わせていることが必須です。

必要な時に必要なだけの融資が受けられるように、説得力のある事業計画書を主軸に置いた事業経営を心掛けていきましょう。

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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