会社を創業したり、運営したりするためにはまとまったお金が必要不可欠になります。自分の所有している資産のみで会社を運営できれば問題ないのですが、それだけの資産を所有している人はごくまれで、大抵は金融機関をはじめとして外部からの融資に頼ることとなります。しかし、外部から融資してもらったお金は金利を上乗せして返済しなければいけません。
金融機関からお金を融資してもらった時の金利計算
金融機関をはじめとして、どのような形であれ友人や知人、家族以外の外部からお金を融資してもらった場合、そのお金には金利が上乗せされます。お金を融資する側はボランティア精神で融資するのではなく、融資したお金に金利が上乗せされ、金利分も加えて返済してもらうことによって金利分がそのまま利益となります。融資する側は利益が得られることを狙ってお金を融資しているのです。どのような場所で借りたとしても利息の計算式は融資された金額である元金に設定された金利をかけ、更に返済期間をかけることによって導き出されます。そして、実際に返済する金額は元金と利息をプラスした金額となっています。
一例として、1,000万円融資してもらい、金利が2パーセントで、返済期間が10年間だった時の利息を計算すると、総返済額は11,041,616 円、その内利息は1,041,616 円となります。なぜ、このようになるかというと、返済していくにつれ元本は少しずつ減っていくので利息もどんどん低くなっていくということになります。
金利が1パーセント違うだけで総返済額は大きく変わる
総返済額を大きく左右するのは返済期間と金利であることは言うまでもありません。では、返済時に金利が1パーセント違うと総返済額にはどれくらいの差が出てくるのでしょうか。
一例として2,000万円を1パーセントの金利で融資してもらった場合と同じく2,000万円を2パーセントの金利で融資してもらった場合とでの総返済額の差をチェックしてみましょう。返済期間はどちらも10年間とします。
◆2,000万円、金利1パーセント、返済期間10年の場合(元利均等返済方式)
返済総額 | その内、利息額 | 月々の返済額 |
21,024,994円 | 1,024,994円 | 175,208円 |
◆2,000万円、金利2パーセント、返済期間10年の場合(元利均等返済方式)
返済総額 | その内、利息額 | 月々の返済額 |
22,083,225円 | 2,083,225円 | 18,4027円 |
つまり、金利が1パーセント違うだけで月々の返済額は1万円近く変化し、総返済額に至っては100万円近くの差が出るということになります。融資してもらう金額と比べると少ないように思えるかもしれませんが、差額で買える物を考えるとこの差は大きいと感じるのではないでしょうか。もちろん返済期間を長くすれば更に総返済額には差が出てきます。
出来るだけ低い金利で融資を受けたいならば日本政策金融公庫の利用を検討しよう
創業時に融資してもらえる外部機関としては大きく分けるとノンバンク系のビジネスローン、銀行など民間の金融機関、そして政府が運営する金融機関の3つがあります。それぞれの特徴と大まかな金利を比較してみましょう。
ノンバンク系のビジネスローン
まず、ノンバンク系のビジネスローンですが、他の2つと比較すると、とにかくお金を融資してもらえるまでの期間が短いのが大きな特徴でありメリットです。業者によっては翌日やその日のうちにお金を融資してもらえることも多いです。したがって、緊急時にどうしてもお金が日しい時などには積極的に利用したい機関ではあります。
一方で金利は他の2つと比較すると、とても高いです。ノンバンク系のビジネスローンの場合、低くても6%台、高い所や借入する金額によっては19%もの金利が上乗せされます。すぐにお金を融資してもらえる一方で返済に苦労することになります。
銀行など民間の金融機関
次に、銀行など民間の金融機関ですが、審査を受けてから融資してもらうまで平均1週間程度かかります。そして、金利に関しては2%台前半から最大で9%となっています。
しかしながら、銀行など民間の金融機関は創業時の資金調達をする対象としてはあまり適していません。銀行に資金を調達するのはある程度事業の軌道が乗り、確実に利益を確保出来ている状態で新規に事業を展開するときなどが適しています。
政府系の金融機関(日本政策金融公庫)
最後に、政府系の金融機関ですが、政府系の金融機関の金利は高くても2%代後半、最も低い金利は0.3%と先に紹介した2つと比較するとかなり低いです。
政府系の金融機関の代表として日本政策金融公庫がありますが、日本政策金融公庫は創業時の運転資金を積極的に融資してくれるので創業時に融資を依頼する対象としては最も適しています。ただし、金利の低さに反比例して審査を申請してから合格するまでが遅く、場合によっては1か月以上もかかります。
金利を比較するのはとても大切
会社を創業したり、運営したりするための資金を調達すると金額的に大きなものとなります。元金が大きくなればそれだけ利息も大きくなるのでたった1パーセントの金利の差によって数百万円単位で総返済額が変わってきます。したがって、資金調達をする際には審査をしてから融資してもらうまでのスピードも重要ですが、それ以上に金利をしっかり比較するようにしましょう。