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日本政策金融公庫で融資を受ける際にデメリットはあるのか?

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日本政策金融公庫は政府系の金融機関です。日本政策金融公庫では企業に対して積極的に資金を出資しています。特に銀行からなかなかお金を借りることが出来ない創業時や中小企業などにとってはありがたい金融機関です。そんな創業者や中小企業の強い味方である日本政策金融公庫で融資を受けることによってデメリットは発生するのでしょうか。

日本政策金融公庫の役割

日本政策金融公庫は別名国金や公庫ともいわれています。もっとも大きな役割が新たな事業を生み出そうとしている人や、建て直しが難しい中小企業などに積極的に融資をすることによる日本経済の成長や発展への貢献ですが、それ以外にも災害時や経済環境が変化した際に即座に対応できるような機能を備えていたり、民間金融機関と連携して地域が計画しているプロジェクトに協力し、地域活性化を助けるなどと言うように、日本の経済を縁の下で支える役割を担っています。

日本政策金融公庫は金利が高い

日本政策金融公庫を利用する際によく言われているデメリットの1つとして金利の高さがあげられます。日本政策金融公庫は先ほども解説したように、大手の都市銀行などに相手にされない創業者や中小企業にとってはお金を融資してくれる取引先としてとても有用なのですが、会社の事業が成功し、ある程度実績をあげて銀行側が融資をしてくれるようになると日本政策金融公庫を利用するありがたみが少なくなります。公的な融資制度を行わずに銀行自身がリスクを伴ってお金を融資することをプロパー融資と呼んでいるのですが、プロパー融資は日本政策金融公庫と比較すると調達できる金額が大きくなるだけではなく金利もかなり低いです。

企業の資金調達は大きな額となるので、たとえわずかな金利の差でも金額換算すればかなりの金額差になります。ですから企業としてはまず日本政策金融公庫に出資をしてもらうことによって企業を創立し、企業運営を軌道に乗せて実績を上げ、銀行とプロパー取引ができるようになるというのが当面の目標となるのではないでしょうか。

交渉余地が少なく、審査に時間がかかる

民間銀行の場合は民間企業であることもあって資金を融資する際の条件がある程度緩くなっているので、資金を調達する際にさまざまな交渉余地が残されています。例えば銀行に専用の口座を作ったり、利益が出会た際に預金するための預金口座を開設する、または総合振り込みとして融資を受ける銀行を活用することなど、銀行にとって有利な条件で融資の取引をすることによって通常の設定よりも金利を下げてもらったり、返済までの猶予期間を長くしてもらう、または融資してくれる金額を少し増やしてもらうなど、融資条件を良くしてもらうことが可能です。しかしながら日本政策金融公庫は政府系の金融機関であるために融資申し込みや契約などに関して細かく制度が定められており、その制度から違反することは許されていないので融資に対する交渉余地がほとんどありません。融通が利かないという点では一般的な銀行と比べると大きなデメリットと言えるでしょう。

そして融資の依頼をしてから実際に融資をしてもらうまでに時間がかなり必要です。日本政策金融公庫から融資を受けるためには「事業計画書」や「資金繰り表」を作成し、融資してもらったお金をどういった目的で使用するのか証明することが必要となります。銀行と比べると日本政策金融公庫は事業計画書をはじめとした書類を決められたとおりに揃えていさえすれば審査に通る可能性が非常に高いです。しかしながら事業計画書を実際に作成したという経験がある人はとても少ないですし、実際に作成するにはとても時間がかかります。より審査に通る可能性を上げたければ司法書士などに事業計画書作成のアドバイスを受けたり、代筆で資料を作成してもらうことも可能ですが、依頼すればもちろんそれだけのコストがかかります。

そして民間銀行のように利益を追求しているわけではないので特に審査を急ぐということもありません。こちらの事情は関係なしにゆっくりと審査をおこないます。書類を出した後でも面談しなければいけないですし、融資に当たる人物なのか融資審査ももちろんおこなわれます。最初に相談した段階から実際に融資を受けるまでには早くても1ヵ月、長くかかると2か月以上経過することも珍しくありません。創業時などは特に資金調達を急ぐ必要もないため日本政策金融公庫を利用する価値は大いにあるかもしれませんが、もしもすでに会社を運営していて資金繰りが上手くいかず、早急に会社を運営するための資金が欲しいという場合には日本政策金融公庫はあまり適さないといえるかもしれません。

資金調達を急いでいる場合は日本政策金融公庫と比べると更に金利が高いというデメリットはあるものの、ビジネスローンを利用すれば資金はすぐに確保できます。また売り上げが既にあって、売り上げ分のお金を早く確保したいというのであればファクタリング会社に債権を売却することによって早ければその日のうちにお金を振り込んでもらうことができます。

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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