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日本政策金融公庫の金利は?金利を下げる方法と注意点を解説

# 日本政策金融公庫
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日本政策金融公庫は、低金利・長期・無担保無保証で融資が受けられる、創業者や中小企業の強い味方です。しかし、これらの条件は、すべて同じものが適用されるわけではなく、融資先の企業によってまちまちとなります。 とくに、金利については、低い方もいれば、高く設定されている方もいます。 ここでは、日本政策金融公庫における金利の種類や決定方法、できるだけ金利を下げる方法についてご説明します。

日本政策金融公庫の金利

日本政策金融公庫では、多くの種類の融資を取り扱っています。そのため、融資の種類により金利が異なるのは当然ですが、それ以外の要因も金利の決定に影響します。

日本政策金融公庫の金利の種類

日本政策金融公庫の金利には、大きくわけて「固定金利」「変動金利」の2種類があり、それぞれの融資ごとにどちらかを適用するかが決まっています。


①固定金利

固定金利とは、初回~終了までの間、同じ利率が適用されるタイプの金利をいいます。日本政策金融公庫では、ほとんどの融資がこのタイプの金利となります。固定金利は、返済途中における金利変動の影響をうけません。


②変動金利

変動金利とは、一定の期間ごとに利率を見直すタイプの金利をいいます。日本政策金融公庫では、「創業支援貸付利率特例制度」など一部の融資がこれに該当します。変動金利は、その時の情勢にあわせて金利の切り替えができますが、借りる側にとっては返済の計画が立てにくいという面があります。

固定金利・変動金利のメリットとデメリット

固定金利・変動金利については、それぞれ次のようなメリットとデメリットがあります。


①各タイプのメリット

固定金利-長期の返済計画が立てやすい。金利の上昇局面では有利となる。

変動金利-金利の変動に対応できる。金利の加工局面では有利となる。


② 各タイプのデメリット

固定金利-選んだタイミングによっては、ずっと高い金利が適用される。

変動金利-金融情勢によっては高金利となる。長期の返済計画が立てにくい。


なお、一般的には、固定金利の方が変動金利よりも、金利水準が高めに設定されていることが多いといえます。

新創業融資制度と他の融資の金利

創業者の方が利用できる新創業融資制度については、他の融資よりもやや高い金利が設定されており、平成3年8月時点の利率は2.41〜2.80%となっています。なお、同じ融資制度でも金利に差があるのは、申込人の属性や融資の内容により適用される金利が異なるためです。


日本政策金融公庫の代表的な融資の金利は、次の通りとなっています。

※ 以下金利、は令和3年8月現在のもの

なお、日本政策金融公庫の国民事業部門では、個別の融資の種類ごとに金利を決めるのではなく、それぞれについて以下のいずれかの金利を適用する形で金利の設定をしています。(例えば、普通貸付の場合は、基準金利を適用するなど)

また、具体的な金利は、この範囲の中で申込人の状況に応じて個別に決定されます。


・担保を不要とする融資

基準金利 2.06~2.45%/特別金利A 1.66~2.05%/特別金利B 1.41~1.80%

・新創業融資制度

基準金利 2.41~2.80%/特別金利A 2.01~2.40%/特別金利B 1.76~2.15%

・担保を提供する融資

基準金利 1.11~2.10%/特別金利A 0.71~1.70%/特別金利B 0.46~1.45%

・経営者の保証を不要とする融資

各利率に0.2%を上乗せ

・マル経融資

特別金利F 1.21

・災害貸付

 東日本大震災復興特別貸付(震災セーフティネット関連を除く)

 令和元年台風第19号等特別貸付

 新型コロナウイルス特別貸付

 令和2年7月豪雨特別貸付

基準金利 1.26~1.65%/特別金利A 0.86~1.25%/特別金利B 0.61~1.00%


※特別金利については、最大A~Uまでの分類がされています。

金利の決定の方法

日本政策金融公庫では、主に以下の要因にもとづいて金利を決定しています。

1 融資の種類

日本政策金融公庫では、融資の種類により、ある程度適用される金利が決まっています。通常は基準金利が適用されますが、マル経融資のように特別金利が適用されるものもあります。


2 特別な条件の有無

日本政策金融公庫の融資では、一定の要件を満たせるときには、金利が低くなる場合があります。例えば、女性、若者/シニア起業家支援資金の場合は、通常は特別利率Aが適用されますが、技術・ノウハウ等に新規性がみられる方については特別利率A・B・Cのいずれかが適用されます。


3 担保・保証人の有無

日本政策金融公庫の融資では、原則として、担保または保証人が必要です。ただし、新創業融資制度や担保を不要とする融資制度などを利用する場合には、無担保・無保証で融資を利用することができます。しかし、この場合は、担保や保証を用意する場合より、金利が高くなります。


4 申込額や返済期間の長さ

融資の金利は、申込額や返済期間の長さによっても影響をうけます。一般的には、申込額が多い、返済期間が長いほど金利はその分高くなります。


5 借主の信用力

金利は以上の要因の他、借主の信用力によっても変わります。信用力が高いほど低い金利が適用されますが、この信用力はこれまでの返済実績や債務者区分※などを参考に決定されます。


※「債務者区分」とは、金融庁が決めた借入れをしている企業のランクを財務内容にもとづいて定めたもので、次のように区分されています。


正常先:経営・財務とも健全な企業

要注意先:財務状態が不安定で、今後注意を要する企業要管理先3ヶ月以上の長期延滞が発生しているなど、財務状態に問題を抱えている企業

破綻懸念先:財務状態が悪化しており、破綻の可能性が高い企業

実質破綻先:再建の見通しが立たず、破綻目前の企業

破綻先:破綻状態にある企業

金利を引き下げる方法

融資の金利は、以上のような要因にもとづいて決定されますが、以下のことをすることで、金利を下げられる可能性があります。

1返済の実績を積む

金融機関が融資審査で重視するのは、「これまでの信用=返済の実績」です。既存の融資の返済で、支払いの遅れや延滞などがなく、計画通りに返済が行われている場合には、日本政策金融公庫もこれを高く評価します。


2信頼できる決算書を作成する

企業の財務内容の審査をする上で、最も重要となるのが「決算書」です。財務内容がよい場合には、低い金利が適用されやすくなります。ただし、日本政策金融公庫に信頼できる決算書と認めてもらうためには、単に黒字になっているというだけでなく、その内容が公正な会計基準にもとづいて作成されている、正しい評価が計上されているなどの必要があります。


3特許や公的な認証を取得している

企業が、特許や国・都道府県の認証などを取得している場合には、その経営が高く評価されるため、金利の引き下げに影響を及ぼす一因となります。


4精度の高い事業計画書を提出する

精度と実現可能性の高い事業計画書を提出することにより、金融機関の信用を獲得することができます。また、このような取り組みについては、金融庁も金融機関はこれを支援するべしとされていることから、金利の引き下げが期待できます。


5担保や保証人を用意する

担保や保証人を用意できる場合には、無担保・無保証融資の場合よりも、低い金利が適用されます。


6金利が優遇される融資制度を使う

「企業活力強化資金」などの一部の融資では、該当する条件に応じて、通常よりも低い金利が適用されます。

融資を金利だけでは決めてはいけない理由

借り入れにおいて、低い金利は魅力的ですが、それだけを見て融資を決めてしまうと思わぬ失敗の原因となります。そのため、融資を受ける際には、以下の点についても、注意してください。

条件があると、クリアーするのに時間がかかる

金利を低くするためには、担保や保証人の提供、特定の制度の利用といった、一定の条件をクリアーしなければならないことがあります。しかし、あまり難易度が高いものを選んでしまうと、それを満たすのが大変となるだけでなく、その後の融資にも影響する可能性があります。したがって、このような場合には、その内容が無理のないものかどうかを判断する必要があります。

制度自体の利用に問題がないかを確認することが大事

新創業融資制度では、上限と下限の金利の差は約0.4%(2.41~2.80%)しかありません。そのため、ムリに金利の引き下げにこだわるよりも、まずは制度の申し込みが問題なくできるかなどを優先して考える方がよいでしょう。

まとめ

日本政策金融公庫の融資については、対策をすることである程度、金利を引き下げることが可能です。しかし、金利は、一つの要因だけで決まるわけではありません。


また、新創業融資制度の場合には、適用される金利に大きな差がないため、あまり金利の対策に時間や手間をかけるのは効率的ではありません。

それよりも自己資金の確認や、事業計画書の作成に注力した方が効果的といえます。


なお、金利の引き下げについては、ある程度専門的な知識が必要となるため、専門家や認定支援機関にアドバイスをもらうこともひとつの方法といえます。



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この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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