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これで完璧!美容室を開業するときの流れを解説

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美容室を開業する際の流れを解説!|スキーム マグ
美容室を開業する時の流れを知りたいですか?本記事では、ステップ1〜4の順にコンセプト決めから資金調達、届出や申請の方法などを細かく解説しています。美容室の開業方法を詳しく知りたい方はぜひ、本記事を一度ご覧ください。
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美容室開業をしようと思っている美容師さんの中には、資金調達や物件の決定、保健所手続きなど、やることが多すぎてどこから手をつけていいのかわからない人も多いと思います。今回は、まずはどのようなことから始めたらいいのか、届出や申請はどうすればいいのかということを詳しくご紹介していきます。この記事を読めば開業準備は全て理解できますので開業する際はぜひ参考にしてください。

step1. リサーチ・コンセプト決め

出店地域のリサーチ

まず開業前の1番初めの段階として、出店地域のリサーチが必要です。

どういった客層が多いエリアなのか、他の美容室はどのくらい出店しているのか、メニューの金額の相場感などチェックしておきたい項目はたくさんあります。

そのエリアの客層によってどのような美容室が好まれるのか、というのは重要な部分であり、自分の作りたいサロンのイメージと擦り合わせしていく必要があります。

【リサーチ項目①】 人口や世帯数

単純に人が多ければ来客数は増えます。特に年齢層は重要で、若者が多いのか・お年寄りが多いのかで店舗のコンセプトは大きく異なっていきます。役所のHPや資料などを利用して、まずはエリアの情報収集からリサーチしていきましょう。

世帯数がなぜ重要なのか?一世帯あたりの人数が2人以下であれば、単身者が多く、それ以上であれば家族世帯が多い地域と予想ができます。一世帯あたりの人数を調べるには、人口総数を世帯数で割れば、一世帯あたりの人数が算出できます。

【リサーチ項目②】集客施設を把握する

テナントから半径500mが第一次商圏と言われており、周辺の駅やスーパーマーケットは人の流れが多いので要チェックです。曜日、時間帯によって変わってくるので、リサーチすることにより、定休日や営業時間を決めやすくなります。

【リサーチ項目③】説明しやすい、覚えやすい場所

お客様が来店する際に、説明しやすい場所かどうかもポイントです。ネットを使って調べる方も多いが、まだまだ電話で伝える機会も多いです。そんな時に目印となる建物があれば、「〇〇ビル前の信号を渡って右手」など伝えることが可能です。

【リサーチ項目④】競合店のリサーチ

この競合店のリサーチが一番重要な項目です。これから美容室を開業するエリアには必ず既存の美容室があるはずです。それらは全てライバル店になり、そのライバル店の市場で勝ち抜いていかなければなりません。

そのため、既存の競合店がどのようなコンセプトで、どのようなメニューを提供し、どれだけお客様が来店し売上をあげているのかなどを調査し、それを自店にフィードバックする必要があります。競合店が行なっていない事をしていけば、それだけで注目されることも可能です。

競合店の調査で調べることは、美容室の店舗の大きさ、お客様の人数、シャンプー台数、スタッフ数を調べ売上を想定してみます。さらに、技術レベル、お客様の平均年齢、定休日、各メニュー料金などをチェックします。

これらの調査を5〜6件調べ、そのデータを自店のコンセプトから想定売上をイメージしてください。

店舗のコンセプト決め

この時に開業する美容室の店舗コンセプトなども決めていきます。

店舗コンセプトは事業計画書と同様、開業セミナーなどでもかなり重要視されている部分であり、開業後に集客などで悩んでいる美容室はこの店舗コンセプトをしっかり決めていなかった場合が多いと言われています。

step2. 資金調達・物件選び

美容室を開業する際、自己資金があっても開業資金として創業融資を受ける方が大半です。主に、開業・創業時は日本政策金融公庫から借入をする方が多いでしょう。なぜなら、日本政策金融公庫は「無担保・無保証」「低金利」で融資を受ける事が可能だからです。さらに、日本政策金融公庫は、中小企業を支援するという目的があるので、銀行融資などに比べて審査が通りやすいのが特徴です。ですから、実績がない開業時でも借入がしやすいということになります。

事業計画書の作成

次に、美容室を経営していく上で重要になる事業計画書の作成です。

事業計画書は今後の美容室の運営を左右していくといっても過言ではないとても大切なものです。さらに、創業融資を受ける場合にも、事業計画書は融資を受けられるかどうかの判断基準として、とても重要な書類になります。

もし何をどう考えればいいかわからないという人はネット上で事業計画書のテンプレートをダウンロードして、項目を埋めていくのもいいのではないでしょうか。

>>>【融資成功率90%超え】事業計画書テンプレート

事業計画書の内容としては、

・具体的な資金計画

・開業後の売り上げ予測

・かかる経費の予測

・お客さんの収容人数

などを予測して決めていきます。

物件選び/設計・施工会社の選定

事業計画が固まったら、次は、物件を選んでいきます。

物件選びで一番大事なのは、やはり目立つことが重要です。目に触れない場所に美容院を開業しても、見つけてもらえません。気軽に入りやすいということを意識して選ぶことがポイントです。

物件選びが決まれば、設計と施工会社の選定をしていきます。いくつか候補を決め、見積もりを出してもらいましょう。また、各施工会社が手がけた事例を見せてもらうことをおすすめします。

step.3 店舗工事・機器の決定

店舗の工事スタート

物件が決まり、資金調達も完了、次はいよいよ店舗工事になります。工事業者としっかり相談をしながら、自身が決めた店舗コンセプトの通りに内装を作っていきます。

店ごとの世界観が重視される美容室にとってはとても重要な工程です。

通常であれば工事中にも店舗の家賃が発生しますし、ある程度の時間はかかってしまいますので、どうしても工事期間は短くしたい、開業まで時間が無いという場合は居抜き物件を探すことをおすすめします。

もし従業員を雇うのであれば、この工事期間中に探しておくのが賢明です。

機器の決定[ディーラー選び]

美容室で使う機器や材料などは、ディーラーと契約をして仕入れる形ですが、ディーラーと契約する際のポイントとしては、複数のディーラーと契約をすることをおすすめします。なぜならば、価格がディーラーにより様々で、同じ機器なのにAのディーラーは5万円、Bのディーラーは4万円という可能性があります。同じ機器ならば、安いところの方が良いのではないでしょうか?複数のディーラーと契約し、価格を比べて機器や材料を仕入れることは損をしないためにも、いくつかのディーラーと契約しておきましょう。

step.4 届け出や申請

内装工事が終わったら保健所へ開設届や必要書類を提出したのち、いよいよオープンとなります。

書類の提出の前には保健所職員による立会い検査があり、設備に不備がないかなどの点検に合格すると営業の許可がおります。

点検内容としては作業スペースの確保や必要設備など細かく決まっているため、内装工事が始まる前に事業計画書や店舗の図面を持って保健所へ事前相談をする必要があります。

保健所へ提出する書類は、下記の6つです。

・開設届

・店舗の図面

・医師の診断書

・従業員一覧

・美容師免許

・検査手数料

さらに従業員を雇うのであれば管理美容師の資格が必要になりますので、事前に講習を受ける必要があります。管理美容師の講習は常時行われている訳では無いので注意が必要です。

保健所へ提出する書類の他にも、労働保険や社会保険への加入など様々な手続きがありますので事前に調べて準備しておきましょう。

まとめ

今回は美容室を開業するときの具体的な流れについてご紹介しました。

やはり何より大事なのは店舗コンセプトや事業計画書など、どのような美容室にしていきたいかというビジョンをしっかり持っていることだと思います。

もちろん提出する書類なども大切ですが、この2つは今後の経営についても影響してくるため、時間を惜しまずにきちんと納得するまで落とし込むことが大事です。

そして自分の場合はどのような手続きや書類が必要なのかきちんと把握しておきましょう。

どうしても難しい場合は税理士や社会保険労務士などプロの方にお願いしてみるのも1つの手段ではないでしょうか。

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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