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美容室開業に保健所の手続きは必須?

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美容室開業に保健所の手続きは必須?!美容室開業での保健所手続き・提出書類を詳しく解説 - スキームマグ
美容室を開業する際の、保健所の手続きについて必要なものは?本記事では、美容室を開業する際、保健所への手続き方法や必要な提出書類、注意事項などをわかりやすく記載しています。美容室を開業しようと考えている方は是非参考にしてみてください。
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いよいよ美容室を開業となった場合、サロンの内装工事が終わればすぐ営業できると思ってしまいますが、実は開業する際に保健所への手続きが必要なのです。

今回はなぜ保健所への手続きが必要なのかというと、美容師は「髪」という体の一部を扱う業種だからです。直接体に触れるため、衛生管理体制などが美容師法などで定められています。ですので、美容室の営業をする際に管轄の保健所へ営業許可を取る必要があります。

申請する際の注意点や準備しておくべき書類などについて詳しく説明していきます。

この記事を参考にしながらどんな書類が必要になるのかチェックしていきましょう。

 

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なぜ保健所の手続きが必要?

なぜ美容室を開業する際、保健所への手続きが必要かというと、美容室の営業をする際に管轄の保健所へ営業許可を取る必要があるからです。

営業許可を取るためには、店内の構造や施設などの基準が満たされているかを、保健所担当者が開業者立会いのもとチェックしていきます。

保健所の営業許可なしで営業することは違法となってしまいますので、余裕を持って2週間ほど前に申請しておくことを、おすすめします。

美容室開業時の保健所手続きで必要な書類一覧

では一体どのような書類が必要なのか、美容室開業時の保健所手続きで必要となる書類をわかりやすくまとめてみました。

入手方法も難しくないので早めに全て揃えるようにしましょう。

(1)開設届

開設届は、所轄の税務署に行くか国税庁のホームページからダウンロードすれば入手できます。最近では会計クラウドを使用すれば、必要事項を記入するだけで開業届が作成できるようになっており、とても便利なのでおすすめです。

開設者の名前、住所、施設の所在地などを記入します。

(2)施設の構造設備の概要

衛生面のチェックのために、必要な書類です。作業面積、椅子の数、洗い場、トイレなど多岐にわたり、細かい規定があります。例えば、お客さんが待つ場所の面積は、作業室面積の6分の1以上が望ましい。消毒液は液量計(メスシリンダー)100ml(薬用)及び500ml(希釈水用)、消毒用バット、蓋付き容器、消毒薬剤を備えること、など様々な規定が定められています。詳しくは次の見出しで紹介致します。

地域によって内容が異なるため必ず管轄の保健所に必要なものを確認しましょう。

(3)施設平面図

こちらは内装工事を依頼した業者から入手します。

内装工事業者や保健所の職員と設備設置箇所を相談しながら作成することになります。

(4)スタッフ一覧と美容師免許の情報

保健所で入手できます。雇うスタッフの氏名や、美容師免許の取得年月日、番号などの情報を記入します。他にも、スタッフ全員分の美容師免許証の本証が必要です。

ここで気を付けなければならないのは、常時美容師が2名以上いる場合は管理美容師を置かなければならないということです。管理美容師になるには、美容師免許取得後3年以上の実務経験を経て、都道府県知事の指定する管理美容師講習会を受講・修了する必要があります。

 

「管理美容師」のもっと詳しい記事はコチラ!

>>美容室の開業に必要な資格は管理美容師!取得方法や合格率も解説

(5)医師の診断書

スタッフ全員分の医師の診断書で、結核や皮膚疾患などがないかを証明するものになります。発行3ヵ月以内のものを提出します。

(6)開設手数料

管轄の保健所によって手数料は変わりますが、だいたい2万円前後であることが多いです。

自身の管轄の保健所ではいくらかかるのか事前に調べておきましょう。

(7)現在事項全部証明書(届出者が法人の場合)

法務局や最寄りの登記所で取得できる登記簿の写しのことで、現在効力のある登記事項が記載されているものになります。

法人として開業する際に提出が必要になります。

(8)外国人登録証明書(届出者が外国人の場合)

日本に在留する外国人に交付されている証明書で、現在は「在留カード」と「特別永住者証明書」に切り替わっています。

施設の構造設備についての詳細

上記で書類一覧を紹介しましたが、中でも(2)施設の構造設備は細かい規定がたくさんあります。

施設の構造設備は衛生面のチェックで、各項目の基準が満たされているかどうかを現場と図面でチェックされます。各項目の詳細をここで詳しく解説していきます。

※ただし、地域によって基準が異なるため必ず管轄の保健所に確認しましょう。ここでは東京都港区を参考に紹介していきます。>>>理・美容所の構造設備の基準

【作業室面積】

作業室面積は、有効面積(うちのりで計算)で13㎡以上なければいけない。レジ、踏み込み、便所の面積は含まない。(個室を設ける場合は単独で13㎡以上が必要)

【待合スペース】

待合スペースは、ケース、つい立等で作業室と明確に区画する。待合い面積は作業面積の6分の1以上が望ましい。その位置は、入口に近く、作業に支障のない場所が好ましい。

【椅子の数】

作業室面積が13㎡の場合は、作業椅子6台までとし、1台増すごとに3㎡の面積が必要です。コールド待ち・美顔椅子も台数に含みます。

【床・腰板】

床・腰板には、コンクリート、タイル、ビニルタイル、板等の不浸透性の材料を使用すること。

【洗い場・洗髪器】

手指及び器具を洗浄するための流水式の設備を設けること。頭髪に係る作業を行う場合は、流水式の洗髪器を設けること。

【消毒設備・消毒器具】

器具の消毒設備を設けること。液量計(メスシリンダー)100ml(薬用)及び500ml(希釈水用)、消毒用バット、蓋付き容器、消毒薬剤を備えること。

【器具・布片】

十分な数量の器具及び客用の布片を備えること。消毒済み器具を格納するための密閉式容器、戸棚等を備えること。未使用の布片を収納する収納ケース又は戸棚等を備えること。使用済の器具、布片を格納する容器、ケース等を備えること。

【毛髪箱・汚物箱】

蓋付き毛髪箱と蓋付き汚物箱を備えること。

【採光・照明】

作業室は、採光・照明が十分であること。(作業面の照度は100ルクス以上が必要)

【換気・便所】

換気を十分に行える構造設備とすること。(二酸化炭素の基準:5000ppm以下)
便所を設け、専用手洗い及び石けんを備えることが望ましい。

【休憩室・その他】

従業者が、着替え等を行うために、その数に応じて必要な広さの休憩室を設けることが望ましい。冷暖房設備を設置し、適度な温度・湿度を確保することが望ましい。

美容室開業の注意点

これまで美容室の開業には保健所の手続きが必要と紹介しましたが、手続きの他に注意しなければならない点がいくつかあるので紹介します。

◆作業面積は最低でも13㎡必要

保健所からの営業許可をとる際に必要と定められている広さがあるため、たとえ1人で美容室を開業するつもりでも最低13㎡の作業スペースが必要となります。

◆開業にあたって一定の設備が必要

開業仕立ての頃はあまりお客さんがいないということで設備なども徐々に揃えていけばいいと思っている人もいるかもしれませんが、ふた付きのゴミ箱や100ルクス以上の明るさの照明、従業員の手洗いスペースなど、こちらも保健所の点検の際にチェック対象となりますのできちんと準備しなければなりません。

その他にも害虫防止などの見落としがちな設備も必要となりますので事前に調べておくといいでしょう。

保健所の手続きの流れ

こちらでは、保健所手続きの流れについて細かく解説していきます。

(1)事前相談(工事開始前)

上記でもお話したように、美容室を開業する際、施設の構造設備に関しては細かい規定がいくつかあります。保健所から改善要請があった場合でも、工事開始前であれば、すぐに修正が可能です。トラブルを防ぐためにも、工事前に必ず図面を持って保健所に相談しにいくことをおすすめします。

また地域によって施設の構造設備の規定が異なるので、開業場所の管轄保健所へいきましょう。ここで必要書類も確認して受け取っておくといいでしょう。

 

内装工事の詳しい手順はこちらの記事がおすすめです!

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(2)開業届の提出(営業開始の1週間前まで)

必要書類を準備して、再度保健所へ提出しに行きましょう。書類提出時に開業検査手数料を納めます。開業検査(立入検査)日時の調整を行います。

(3)開業立入検査

開業立入検査で基準を満たすと確認書が発行されるので、保健所から連絡が入ったら受領印を持って受け取りに行きましょう。

まとめ

美容室開業の際に必要になる保健所への提出書類と設備の注意すべき点についてご紹介しました。

新しく美容室を始めるとなるとどうしても手続きが多くなってしまいますし、保健所の検査は厳しいというイメージがあるかと思いますが、きちんと準備をしておけば全く問題なく許可をとることができますので、こちらの記事を参考にスムーズに手続きを進めてもらえればと思います。

今回ご紹介した内容は、地域ごとに多少違いがある場合がありますので、管轄の保健所はどうなのか事前に調べておきましょう。

 

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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