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保証協会の融資審査は自己資金なしでも通るのか?

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自己資金0でも融資は通る?実際に保証協会の融資審査は自己資金なしでも通るのか?|スキーム マグ
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事業を立ち上げるときには、多くの人が信用保証協会や日本政策金融公庫の融資制度を利用しています。この手の機関が用意している創業融資は事業の実績がなくても比較的審査に通りやすいと言われていますが、借入の際には一定の条件があります。ここでは、信用保証協会の審査を取り上げて、自己資金が必要かどうかについて解説します。

融資の条件は利用する信用保証協会によって異なる

融資を受ける際に自己資金が必要かどうかは、利用する信用保証協会や融資制度によって変わってきます。したがって、その都度利用する信用保証協会に融資の条件を確認するのがベストです。公的機関である信用保証協会は、全国の都道府県や一部の自治体に設けられています。このような信用保証協会は、それぞれ独立した組織になっており、用意している創業融資や融資をする際の条件はその協会によってさまざまです。例えば、茨城県の信用保証協会では若者や女性、障害者を対象にした創業融資制度を設けています。また、静岡県の信用保証協会の場合は、開業をサポートする「開業パワーアップ支援資金」などの創業融資を用意している状況です。

各信用保証協会の融資制度は、貸付の条件はもちろんですが、限度額や金利などがそれぞれ異なります。信用保証協会の融資は、日本政策金融公庫の創業融資制度と比べると、自己資金についての条件は一般的に緩やかと言われています。同じ創業を支援する融資制度でも、運営する組織によって審査の際に重視されるポイントが変わるのが本当のところです。こういった点は、資金調達をするときにぜひ知っておいたほうがよいでしょう。信用保証協会の場合、自己資金についての条件が比較的緩い代わりに、今後の事業プランのチェックが少し厳しくなります。

こちらの協会の審査は、余り現実的でないプランだと自己資金の有無にかかわらず通らないこともあり得ます。

高額な融資を受けるときには自己資金が必要な場合が多い

信用保証協会の創業融資は、自己資金についての条件がとくに設けられていない場合もあります。このような融資制度であれば、自己資金を用意していない人でも申込をすることは可能です。ただ、信用保証協会の場合も、高額な融資を受ける場合は自己資金が必要になっていることが多いです。例えば、茨城県の「県創業支援融資」の場合は、融資限度額が2,000万円をこえる場合には、2,000万円を超えた分の金額と同額の自己資金を用意する必要があります。ちなみに、「県創業支援融資」は3,500万円が融資限度額になっています。

この制度を利用して高額な融資を受けたいときには、ある程度自己資金を用意しておかないと、貸付の条件を満たさなくなってしまうため要注意です。この手のルールは、ほかの信用保証協会でも設けています。例えば、名古屋市の信用保証協会の場合も、2,000万円以上の融資を受ける際には金額を超える分の自己資金があることが1つの条件です。実のところ、どのくらいの金額から自己資金が必要になるかは、申込をする信用保証協会や融資制度によって変わる可能性があります。ただ、一般的には融資の金額が高額になるほど自己資金にこだわる信用保証協会が多いです。

融資の額が大きくなると、信用保証協会側でもリスクが高くなるため、一定の条件を設けるケースが増えてくるわけです。信用保証協会の融資は担保や連帯保証人が不要になっていることが多く、融資が高額になるときには審査もやや厳しくなっています。

信用保証協会の審査でマイナスになること

信用保証協会の審査で引っかかりやすいのが、例えば過去に信用保証協会に代位弁済をしてもらっている場合などです。こちらの協会の保証を受けた融資の返済が出来なくなったときには、信用保証協会が残りの債務を金融機関などに代位弁済します。このような事実が過去にあっても、すべての債務を本人が完済していれば再度申込をすること自体は可能な場合があります。ただ、同じ事業で再び融資を受けるとなると、審査が厳しくなることが予想されます。信用保証協会では、事業プランや事業者本人の意欲などを幅広く見ているため、担当者を納得させることができるかどうかが1つのポイントになるでしょう。

信用保証協会の審査の場合、信用情報機関のデータについてはさほど注意を払っていないという説があります。ただ、信用保証協会がデータをチェックしていなかったとしても、実際にお金を融資する金融機関ではこの手の情報をしっかりと見てから審査を行います。したがって、信用情報機関のデータに何らかの問題があると、信用保証協会の審査に通ってもスムーズに融資を受けられるとは限りません。融資の審査では、本人の過去の取引履歴や信用情報が自己資金の有無よりもときに重要視されます。

これから信用保証協会などを利用して創業融資を受けようと考えているときには、自分の信用情報に傷がつかないように注意をしておいたほうがよいでしょう。税金の滞納などがあると、信用保証協会を利用する際にもマイナスの影響を与えることがあります。

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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