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創業融資は個人事業主でもできる?創業融資を受けるための条件など

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創業融資を受けるとき、「法人に比べると個人事業主のほうが不利なのではないか」と考える人も多いかもしれません。ところが、起業前で実績がない状態なら、法人であろうと個人事業主であろうと変わりはありません。個人事業主が利用できる創業融資にはどのようなものがあるのでしょうか。条件などについて以下で詳しくみていきましょう。

個人事業主が受けられる創業融資の種類とは?

創業融資に限りませんが、融資を受けるときにはできるだけ金利の低いサービスを利用することが大切です。その点、公的融資を利用すれば金利を非常に低く抑えられます。個人事業主が利用できる主な公的融資としては、下記の2つがあるでしょう。
1.日本政策金融公庫
2.制度融資

日本政策金融公庫は政府が全額出資する金融機関で、民間の創業支援に積極的に取り組んでいます。保証人を付ければ1%ほどの金利で融資が受けられるケースも少なくありません。「新規開業資金」や「女性、若者/シニア起業家支援資金」、「中小企業経営力強化資金」や「再挑戦支援資金」などといったさまざまな種類の融資を提供しています。このうち、「新規開業資金」は創業融資の代表格ともいえるもので、原則として開業から7年以内の人が利用できる制度です。自己資金要件はなく、7200万円(うち運転資金4800万円)まで借りられます。

一方の制度融資とは、都道府県ごとに設置された信用保証協会という公的機関が地方自治体と協力して提供している融資の制度です。制度融資では、資金を出すのはあくまでも銀行であり、信用保証協会が保証人になってくれる仕組みになっています。ただし、地方自治体ごとに詳細が異なり、わかりにくいのがネックといえるでしょう。また、さまざまな審査や手続きが発生するため、日本政策金融公庫に比べると融資まで時間がかかるのが普通です。

新創業融資制度なら保証人や担保がいらない?

日本政策金融公庫の創業融資の一つに「新創業融資制度」があります。開業から2年未満(税務申告2期未満)であれば、無担保・無保証人で3000万円(うち運転資金1500万円)まで借りられる制度です。また、事業に失敗した場合は返済が免除されるのが大きなメリットでしょう。

とはいえ、「新創業融資制度」は単独では利用できません。日本政策金融公庫の「新規開業資金」や「女性、若者/シニア起業家支援資金」などの融資を受けるときに、あわせて利用できる制度と考えて良いでしょう。日本政策金融公庫の創業融資では原則として担保や保証人を付けると金利が低くなります。用意できないと審査に通りにくくなる場合があり、たとえ融資が受けられても金利が上がるのです。担保を提供できる場合の基準金利は1.16~2.35%ですが、担保を不要とする融資の基準金利は2.06~2.65%となります。

わかりやすくするために例を挙げてみましょう。開業後1年目に、自己資金100万円で2000万円の融資を受けたいケースを考えてみます。開業から1年目なので、「新創業融資制度」と「新規開業資金」の両方が利用可能です。「新創業融資制度」には自己資金要件があり、自己資金が融資総額の10分の1以上を占めている必要があります。自己資金が100万円の場合、「新創業融資制度」の融資上限額は900万円です。

残りの1100万円は「新規開業資金」に申請することになります。「新創業融資制度」の利用分は無担保無保証人ですが、「新規開業資金」の利用分には担保や保証人が必要です。すなわち、「新創業融資制度」は単独では利用できず、「新規開業資金」などの融資で利用できる追加サービスのようなものなのです。担保や保証人が不要の「新創業融資制度」では通常の融資より金利が高くなり、基準金利は2.26~2.85%です(金利はいずれも2018年11月時点)。

創業融資は狭き門?万全な準備を心がけよう!

日本政策金融公庫と制度融資のどちらであっても、創業融資を受けるにあたっては書類審査と融資面談をクリアしなくてはなりません。一度却下されると、半年ほど経過しないと再申請を受け付けてもらえないため注意が必要です。とくに、書類審査でポイントになる「事業計画書」はきっちり仕上げておかなくてはなりません。また、いくら「事業計画書」が万全でも、融資面談で確実に受け答えできなくては融資が遠のいてしまいます。日本政策金融公庫に個人で融資を申請したときの融資成功率は20%以下ともいわれています。

創業融資は個人事業主でも受けることはできるものの、担保や保証人、自己資金が必要になることがあるでしょう。また、開業する業種と同じ事業での経験が問われる場合もあるため、融資の条件をきちんと確認することが大切です。

創業直前は資金の調達だけでなくさまざまな手続きや準備に追われる多忙な時期になりやすく、税理士や行政書士等のプロにサポートを依頼するのも一つの手かもしれません。ただし、「事業計画書」は事業に対する情熱が問われるものなので、自分自身の手で仕上げるよう心がけましょう。

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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