創業の大きなハードルが資金調達です。銀行融資や創業融資など様々な調達手段がありますが、事業計画書や面談内容に説得力がなければ当然お金を借りることはできません。
自分一人で資金調達を行うのが難しいなら、税理士にサポートを依頼するという方法があります。ここでは、創業融資サポートの費用について解説しています。
創業融資サポートの相場はどれくらい?

専門家に依頼するときにやはり気になるのは、どれくらいの費用がかかるのかという点でしょう。融資が下りても税理士に支払う料金が高くては意味がない、と不安に思う人もいます。
具体的にどれくらいの費用が必要になるのか、よくある料金体系と合わせてチェックしてみましょう。
■税理士の多くは「着手金+成果報酬」
税理士の料金体系で多いのが「着手金+成功報酬」というスタイルです。
着手金は固定で、3万円~5万円に設定されていることが多くなっています。成功報酬に関しては、融資額に合わせて段階的に分けられていることが多いです。
この料金体系の場合、融資額によって支払う料金も大きく変動することになります。
■「完全成功報酬型」もある
「完全成功型」を取っている事務所もあります。
これは資金調達に成功した場合にのみ料金が発生するというシステムで、調達金額の5パーセント程度が相場となっています。
専門家に依頼したとしても、それで融資が下りると確定する訳ではありません。企業によっては専門家でも資金調達が難しい場合があるのです。
そうした企業にとって、融資が下りた時にのみ料金が発生する完全成功型は魅力的な料金体系と言えるでしょう。その代わり「着手金+成功報酬」に比べると料金が高くなるケースが多い点には注意しなければなりません。
■顧問契約を結ぶ
会社を経営していくなら、お金を扱うことは避けられません。毎日の帳簿づけや税金の支払いなどが負担になるなら、固定の顧問料を支払って税理士と顧問契約を結び、サポートしてもらうのがおすすめです。
顧問税理士に資金調達を依頼するなら、顧問料以外の費用はかかりません。顧問料は会社の規模などによって変わりますが、1ヶ月10万円~50万円が相場だと考えておきましょう。
税理士に依頼するメリットデメリット

■税理士に依頼するメリット
税理士に創業融資サポートを依頼することには、いろいろなメリットがあります。
融資成功率が上がる/融資額がUPする
最も大きなメリットは、成功率が上がるという点です。「費用がかかるなら税理士に頼まず、自分で何とかして少しでも経営にお金を回したい」と思うかもしれません。
しかし専門家は資金調達のプロです。経験や知識の浅い経営者や起業家に比べれば融資が下りる可能性はかなり高くなりますし、金額も増やせるかもしれません。場合によっては専門家に費用を支払っても、手元に来るお金が多くなるかもしれないのです。
創業準備に集中できる
創業準備に集中できるというのも大きなメリットでしょう。
物件探しや備品発注など、創業にはいろいろな準備が必要になります。資金調達に時間を取られてそうした準備がおろそかになってしまっては、せっかく創業しても事業をスムーズに軌道に乗せることができません。専門家に依頼すれば、創業者の負担は大きく減らせることになります。
また、相談先によっては資金調達以外のことについても教えてもらうことができます。税金や資金繰りなど、お金に関する知識はあって困りません。そうした相談を受けてもらえれば、創業者にとって大きなメリットになるはずです。
■税理士に依頼するデメリット
反面専門家に依頼するデメリットも存在します。
依頼先を探す時間が必要
まずは専門家を探す時間が必要になるという点です。
全ての税理士が創業融資に関して豊富な知識を持っている訳ではありません。お金の専門家とはいえ、得意分野があるからです。そのため、自分にぴったりの依頼先を探すにはある程度の時間が必要になります。
また適正な費用かどうかを判断するには複数の相談先を比較検討する必要がありますし、近辺にぴったりとあう依頼先がなければ遠方まで足を伸ばさなければなりません。情報収集のための時間が必要であることは念頭に置いておきましょう。
高額費用がかかる
融資が下りる可能性が高くなるとはいえ、コストがかかるというデメリットはしっかりと認識しておきましょう。
資金調達が上手くいって上手く創業できたとしても、依頼費用が予想外に大きくなってしまったせいで後になって経営が圧迫されてしまうという事態も起こり得ます。こうした事態を避けるためには、料金相場を頭に入れた上で複数の依頼先を検討する必要があるのです。
税理士の選び方

税理士を選ぶうえでやはり重要になるのは費用です。
創業してからのことを考えれば、できるだけ安く依頼を請け負ってくれる事務所を選ぶのが大切です。
ただし、中にはサービスの質を落として料金を下げているような事務所も存在するため、低料金だけを見て飛びつかないようにすることも重要です。実績や専門分野などもチェックして、慎重に選びましょう。