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《日本政策金融公庫の融資》金利を下げる「特利」とは?

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《日本政策金融公庫の融資》金利を下げる「特利」とは? |スキーム マグ
日本政策金融公庫の特利(特別利率)について知りたいですか?本記事は特利の概要や条件、適用される制度の3つの構成で記載されています。日本政策金融公庫の金利を下げる「特利」について詳しく知りたい方は必見です。
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会社を設立し、運営を始めるためにはある程度まとまった資金が必要になります。そんな創業資金を積極的に融資してくれる機関の1つが日本政策金融公庫です。融資してもらったお金は借りているお金なので利息を上乗せして返済しなければいけませんが、日本政策金融公庫では一定の条件を満たすことによって「特利」という特別な金利が適用されます。

日本政策金融公庫は元々の金利がかなり低め

融資してもらったお金には、ほぼまちがいなく金利が上乗せされます。つまり、借りたよりも多くのお金を返済しなければいけません。お金を融資してもらう側にとって金利は低ければ低いほど負担が少なくなるのは言うまでもありません。

日本政策金融公庫の金利に関しては初めからかなり低めに設定されているだけではなく、お金を借りる側の状況によってさまざまな金利が設定されています。利用するにあたっては自分がどの金利の条件に当てはまるかをしっかりチェックし、より金利が低いものを利用すると良いでしょう。

日本政策金融公庫の金利を下げる条件について

では、具体的にどのような条件であれば金利を下げることが可能なのか確認してみましょう。

担保の有無

まず、お金を融資してもらう際に担保を付けるか付けないかで金利は変化します。担保を付けた状態でお金を融資してもらった方が低金利でお金を借りることが可能です。

連帯保証人の有無

また、日本政策金融公庫では、万が一お金が返済できなかった場合に代わりに借金を返済する連帯保証人をつけるかどうかも自由に選択できるのですが、連帯保証人を付けた方が金利は低くなります。

 

これらをまとめると、日本政策金融公庫に融資の依頼をする前には担保にできる物を確保し、連帯保証人がいる状態で融資を受けた方が金利は低くなることが分かります。

日本政策金融公庫の「特利」とは?適用される融資制度

担保を付け、連帯保証人をつけることによって日本政策金融公庫の金利を下げることが可能なのは先に解説した通りですが、さらに条件を満たすことによって「特利」という金利が適用されます。特利が適用される条件は1つだけではなく複数あるので、融資を検討する際に自分が特利の条件に当てはまっているかよく確認しておきましょう。

ちなみに、通常の創業時に利用した場合などの普通貸し付けに関しては、あらかじめ設定されている金利が適用されるので、どのような条件であっても特利が適用されることはありません

特利が適用される融資制度①「セーフティネット貸付」

特利が適用される1つ目の融資制度として「セーフティネット貸付」というのがあります。別名「経営環境変化対応資金」と呼ばれていて、例えば新しく社員を雇用したいけれど経営が悪化していてなかなか社員を雇うための資金が確保できない会社が適用される特利です。

セーフティネット貸付の特利を利用するためには税理士や会計士など認定経営革新機関の支援や指導を受けながら改めて事業計画書を作成し、提出する必要があります。どちらかというと創業者ではなく、ある程度事業を継続していて経営が上手くいっていない企業に向けられた制度といえます。

特利が適用される融資制度②「新規開業資金」「女性、若者・シニア起業家支援基金」

2つ目は「新規開業資金」と「女性、若者・シニア起業家支援基金」です。新規開業資金を受けるには独立行政法人中小企業基盤整備機構から資金を受けていることが条件となっています。また、女性、若者・シニア起業家支援基金の場合は融資したお金の使い道が運転資金や設備資金であった場合に適用されます。そして、両者の制度を利用することで技術的またはノウハウなどに新しい可能性が見いだせる場合には別の特利が適用されます。

特利が適用される融資制度③「経営革新計画」

3つ目は「経営革新計画」が認められた場合や地域産業資源活用支援事業計画が認められた人などが利用することができる新事業活動促進基金です。先に紹介した以外にも色々と挑戦してみようという人に当てはまりそうな条件が設けられているので、新しく事業を始めようという人が最も条件に当てはまりやすいやすい特利がこれでしょう。最後に、「中小企業経営力強化資金」という特利制度があります。これは今までの特利制度とは異なり、融資額2,000万円以内で無担保、無保証人で日本政策金融公庫の融資制度を利用することが条件です。

【注意】審査には時間がかかる!

以上のように事業を始めようと考えている人に当てはまりやすいさまざまな条件で特利が設けられている上に元々の金利が低いこともあって創業者にとっては心強い味方である日本政策金融公庫ですが、ただ1つだけデメリットがあります。

それは、一般の金融機関と比べると審査に長い日数がかかるという事です。一般の消費者金融であれば数日、そして銀行でもだいたい1週間程度で審査が終了し、お金を融資してもらえるのに対して日本政策金融公庫の場合は審査に最低でも3週間、長い時には1か月以上もかかります。日本政策金融公庫の融資の申請をする際には時間に余裕を持って行うようにしましょう。

日本政策金融公庫を利用する際には金利をよく確認しよう

日本政策金融公庫は一般的な金融機関と比較してもかなり金利は低めな上に会社を始めようとする人にも積極的にお金を融資してくれる創業者にとってはとても心強い機関です。融資を受ける際の状況によってさまざまな金利が設けられており、なおかつ条件を満たすことで更に金利を下げることができます。自分がどの金利に当てはまるのかよく確認しておきましょう。

この記事の監修
Scheeme株式会社
ScheemeMAG編集部
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